K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

嶋護「ジャズの秘境」をガイドにCecil Taylor (Live at Sweet Basil)とBill Evans(Consecrations, live at the Keystone corner)

様々な切り口のレコード・CD本があるが、近年では以下の2冊がピタリとハマった。

 小島本は橋本一子の新作で書いたように「ヘンな音」へのガイド:

嶋本は改めて「気持ち良い音」を探しに行くガイド: 

ディジタル音源用のDAC導入と相まり、美味しいCDの良い教本になっている。昨日届いたCDはともに嶋本のガイド:

杉山和紀録音のセシル・テイラー。今はなきSweet Basilでのライヴ。眼前のピアノが轟音で噴き上がる音を、奏者の息遣いとともに感じることができた。様式面で「ワン・パターン」と感じていたテイラーのソロなのだけど、アフリカ系米人の民族音楽と現代音楽との交差、現代音楽的な無調の世界に、現代音楽にない音のダイナミクスを与えている、それを濃厚に感じることができた。美しく激しい打楽器。

f:id:dailymusiclog:20210729103102j:image

キーストン・コーナーのビル・エヴァンス。LP10枚組に加えCD8枚組も。薄いテープ・ヒスが気になるが(レコードでは針のトレース音で隠れる)、それ以上にテイラーと同じで奏者の息遣いまで伝わるような、生々しい臨場感に打たれた。エヴァンスの存在を眼前に感じる、演奏の激しさ以上に、そこに感じてしまった。

f:id:dailymusiclog:20210729103122j:image