K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Sonny Rollins: Next Album (1972) CDで聴いてみたが

Sonny Rollins: Next Album (1972, Milestone)
MSP 9042
A1. Playin' In The Yard (Sonny Rollins) 10:25
A2. Poinciana (Bernier, Simon) 9:58
B1. The Everywhere Calypso (Rollins) 7:54
B2. Keep Hold Of Yourself (Rollins) 4:30
B3. Skylark (Carmichael, Mercer) 10:17
Sonny Rollins(ts, ss), George Cables(p), Bob Cranshaw (b), Arthur Jenkins (perc on A1, B1), David Lee (ds on A2, B1, B3), Jack DeJohnette (ds on A1, B2)
Engineer: Elvin Campbell
Mastered by Ray Hagerty
Producer: Orrin Keepnews
Recorded (July, 1972) and mixed (August, 1972) at Mercury Sound Studios, New York City.
Record Company – Audiofidelity Enterprises, Inc.
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米原盤の音質の酷さに目眩。それでも演奏が良いので未練。

ということでCDを入手。OJC盤。

聴いてみると、レコードでの「パサつき」のような干物のような音ではないが、やはり潤いのない乾きすぎた音。

このアルバム、マスターの音が酷い上に、ペラペラのダメダメプレスで決定的に駄目だったようだ。レコードでは日本盤のほうがましかもしれない。

さすがにレコードのように聴く気が失せる程は酷くはないので、繰り返し聴いている。1970年代の伸びやかなロリンズ良いな。演奏は1960年代より好きだ。

 

[2021-08-15] 演奏の良さと録音媒体の悪さのコントラストが堪らない

実はMilestone時代のソニー・ロリンズは結構好き。そんなこともあって、安レコードとなったアルバムを買い集めた:

一枚、600円前後で当時のオリジナル盤を入手である。

確か1980年頃に岡崎公園のホールでライヴを聴いた記憶がある。日本全国の都市を巡業し、数百人は入るホールで演奏していたのだから、良い時代だ。当時は、Village Vanguardのような小さなハコで「ジャズの巨人」が演奏していると知り、アメリカはいいなあ、なんて思った。しかし、日本がそんな時代になったが、聴く人が少なくなっただけで、なんか寂しいように思える。1980年代のジャズ状況、は随分と違ったものだ。楽しかった。

そんなロリンズのMilestone時代のアルバムは、Cutting edgeを愛聴していた。名盤の誉れ高い1950年代の名盤や1960年代のフリーともつかぬ暗い雰囲気の迷?盤と比べ、管の音の太さを全面に出して朗々と吹き上げる感じが爽快で良かった。またバンドも適当に電化されていて、あの1970年代のpost新世代的な音がピタっとハマっていたと思う。考えてみると、ロリンズもまだ40代で時代とともに歩んでいたのだ。

このNext Albumは暫し休養していたロリンズの復帰作。A麺ではケイブルス(好きなピアノ奏者)に電気ピアノを弾かせ、曲によってはクラショウも電気ベース。それらの音がうまくグルーヴ感を出していて、陰影に乏しいが、新ロリンズ的な朗々さが嬉しいアルバムになっている。A面の2曲めではソプラノ・サックスも吹いていて、実はアルバムのなかで一番好み。1960年代以前でソプラノを吹いているのだろうか?

今にして思うと、その後のクロスオーバー・フュージョンとは一線を画した純ジャズアルバムなのだろうが、当時どう受け取られたか興味が湧く。

さてわざわざレコードを入手したのは、やはり、その音に興味があったのだけど、実はがっかり。ジャケットから出すと、 レーベルはAudiofidelity Enterprises。あれ、音が良いアルバムなのか、と思わせたが、もう耐えられないくらいペラペラのレコード盤。当時の日本盤の半分、1960年代の米盤の1/3くらいじゃなかろうか。そうボクが知っている「盤質が悪い米盤」(忘れていた)の走り、のように思える。いや、ほんとうに薄い。

音を聴くと、米盤らしい強めの音なのだけど、どうも全く奥行きがない。パサパサなのだ。いや驚いた。確かに1970年代のMilestone盤って酷いんだ、と改めて認識した。1970年代後半のリアルタイムに1枚ロリンズを買っているが、そこまでは酷くない。

ということで、演奏の良さと録音媒体の悪さのコントラストが堪らないアルバムになった。仕方がないので、「初期のCD 盤」を注文してみた(安CD)。何をやってんだが、だけど、悪かったら悪かったで妙に好奇心が湧くのも面白い、というか困ったことだ。

(サブスクでは全曲をサポートしていない)

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ソニー・ロリンズ・ネクスト・アルバム

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