K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

坪口昌恭北陸トリオ@もっきりや:ピアノの音響を味わい尽くす

1月4日 19:00 もっきりや

坪口昌恭(p)、中山とも(b)、海野俊輔(ds)+MOMO(vo)

[ゲスト:小西佑果(b)、山代のThad Jonesこと佐渡涼(John Brown)(tp), 
濱西公博(ts)]

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不思議な感覚が残るライヴであった。

軽いグルーヴ感を醸し出す電気ベース(1970年代のボブ・クラショウとかそうだったよね)入りピアノ・トリオに、ソウルフルなヴォーカル、飛び入りのベース、トランペット、テナーサックが加わる、ちょっと熱く楽しいセッションという表の顔。

裏の顔ということでもないが、新主流派的な爽やかなピアノ(平賀さんはハンコックと書いたが、そう処女航海の頃だよね)あるいは初期のグラスパーのような音なのだけど、彼らよりももっと深い音響を聴かされた、そんな感じだった。しかもソロでのピアノの色彩感も勿論良いのだけど、他の人の背後に入ったときの弱音の美しさ、淡い色彩での緩いグルーヴが堪らなく格好良かった。もっきりやのピアノの音の良さと相まり、もう感無量であった。ヘルゲ・リエン、ケイ・アカギらの強靭で美しい打鍵も印象的であったが、弱音でここまで聴かせていなかったように思う。

彼のアルバムでは、Radio-acoustiqueが好きなので、電気音のちょい付加や面白い変調(Electronics)を聴かせてくれないかな、という気持ちもあって、少し残念かな、という思いも、ナマの美弱音で飛んでしまった。マイルス・デイヴィスのTune upの締めで、ちょっとそんな不連続音を手動で愉しませてくれたけど。

先日急逝したバリー・ハリスのバップ曲からソウルフルな曲まで幅があったが、素晴らしいピアノの音響を纏った音のグルーヴ感は一貫していて、いや楽しかったな。

中山とも、海野俊輔(初共演)も曲が進むほど一体感が強まっていった。MOMOのヴォーカルもとても良かった。グラスパのBlack Radioを聴く感じで楽しめた。

そんなことで、圧倒的に楽しめた今年はじめてのライヴだった。坪口昌恭を聴きはじめたのがコロナ後なので(何たるLate commer)、ライヴを聴く機会が得られなかったので、とても嬉しい。コロナ第6波で県外へ禁足の日々が近づいているので、また北陸に、と願っている。

平賀さん、ありがとうございました。

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レコードにサインを頂きました。
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