K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Joe Henderson: The Complete An Evening With (1987) 音色の太さに聴き惚れる

Complete An Evening With

Joe Henderson: The Complete An Evening With (1987, Red Record)
A1. Ask Me Now (Thelonious Monk) 14:24
A2. Serenity (Joe Henderson) 8:43
B1. Beatrice (Sam Rivers) 10:43
B2. Invitation (Bronislaw Kaper) 13:20
C. All The Things You Are (Jerome Kern) 13:44
D1. Rue Chaptal / Royal Roost (Kenny Clarke) 7:58
D2. Visa (Charlie Parker) 9:59
Joe Henderson(ts), Charlie Haden(b), Al Foster(ds)
Remastering: Rinaldo Donati
Executive Producer: Marco Pennisi
Live recording at Genova Jazz Festival, Villa Imperiale, Italy, July 9, 1987
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イタリアのRed recordsによる1987年のライヴの完全盤.もとは 1987年にLP1枚で出され,最近になってLP2枚組で出たもの.

Red recordsでは,最近になって古い録音の発掘・再発に力を入れているようで,先日紹介したガトー・バルビエリの発掘盤もそう:

ガトー・バルビエリのレコード盤も,このジョー・ヘンダーソンのレコード盤もとても高価なのだけど,実に音が良い.聴き惚れる.Blue Noteのような重心が低めの音であり,それでいて高音域まで抜けていくような天井の高さを感じるような,と云おうか.ディジタル音源でも十分良い音なので,他の盤はQobuzのHigh resolutionで試してみたい.

さて内容なのだけど,ヘンダーソンが吹きまくり,吹きまくって終わる,という直球のジャズ.チャーリー・ヘイデンは低音で刻み続ける.それが良くて,変態的なあの感じの音は稀.アル・フォスターはかなり激しく叩いているが,録音バランスがとても良く,テナーを押し上げる感じ.

やはり何が良いかと云うと,テナーの音色の太さ.ほとんどそこに聴き惚れる.そして最後まで呆けて聴く.ソニー・ロリンズのヴィレッジ・ヴァンガードを1980年代にアップデートさせた音が高密度で詰まっている.すごい集中力.

素晴らしい演奏なので,まずはストリーミングでも良いから聴いて欲しいと思う(めったには,こうは書いていない).