K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

(ECM2609) Michele Rabbia, Gianluca Petrella, Eivind Aarset: Lost River (2018) 昔ながらのECMカラーを感じてしまう、嬉しい

(ECM2609) Michele Rabbia, Gianluca Petrella, Eivind Aarset: Lost River (2018)
1. Nimbus (Aarset, Petrella, Rabbia) 5:13
2. Flood (Aarset, Petrella, Rabbia) 4:21
3. What Floats Beneath (Aarset) 5:43
4. Lost River (Aarset, Petrella, Rabbia) 4:45
5. Styx (Aarset, Petrella, Rabbia) 2:51
6. Night Sea Journey (Aarset, Petrella, Rabbia) 5:43
7. Fluvius (Rabbia) 6:25
8. What The Water Brings (Aarset, Petrella, Rabbia) 5:45
9. Flotsam (Aarset, Rabbia) 1:27
10. Wadi (Aarset, Petrella, Rabbia) 2:00
Michele Rabbia(ds, electronics), Gianluca Petrella(tb, sound), Eivind Aarset(g, electronics)
Design: Sascha Kleis
Engineer: Stefano Amerio
Producer: Manfred Eicher
Recorded January 2018
ArteSuono Studio, Udine

Lost River - ECM Records
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素晴らしいアンビエントの新作。アコースティックな楽器の録音では、どうも感心しない最近のECMだけど、このようなアンビエント系では、レーベルカラーを見事に出しているように思える。だから昔ながらのECMカラーを感じてしまう、嬉しい。最近は、ずっと流している。

知らない奏者達なので、まずはECMサイトで確認:

ロスト・リバーは、情感豊かなポスト・アンビエントであり、豊かな質感を持つ音響体験であり、近年のECM史において傑出したカテゴリーを超越した録音の一つである。ドラマーのミケーレ・ラッビアとギタリストのエイヴィン・アーセットは数多くのデュオ・コンサートを行ってきたが、ラッビアはトロンボーン奏者ジャンルーカ・ペトレラとも他のコンテクストで共演していた。しかし、この録音はトリオとしての初演を意味する。 大部分が即興で演奏され、そのサウンドスケープの中に神秘的なディテールが花開く『ロスト・リバー』は、新たな形を次々と露わにしていく。ラッビアのドラミングは自由で創造的かつ推進力に満ち、電子機器の使用によってさらに強化されている。アーセットの流れるような演奏は、彼の『ドリーム・ロジック』プロジェクトや、ニルス・ペッター・モルヴェー、ティグラン・ハマシヤン、アンディ・シェパードらとの録音での貢献を楽しんだリスナーを喜ばせるだろう。ペトレラの主奏者としての役割は、エンリコ・ラヴァやジョヴァンニ・グイディとの「ジャズ」ソロイストとしての彼しか知らない人々を驚かせるだろう。2018年1月にウディネで録音された本作では、マンフレッド・アイヒャーによるワイドスクリーン的なプロダクションの中で、彼の幅広い表現力が存分に発揮されている。

聴いて、まっさきに思い出したのはTerje RypdalのOdyssey。トロンボーンとギターが醸す空気感が、まさにオデッセイを21世紀にre-makeしたが如きのアルバム。

ギターのEivind Aarsetがノルウェイ出身と知り、膝を叩く感覚であったが、あとの二人がイタリアで意外に感じた。すごく好みの音響空間を作っている。

リーダでもあるドラムのMichele Rabbiaが創り出す音の切片が、そこかしこと散らばり、光芒を放っている様子が実に楽しい。



Lost River

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