K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Jimmy Heath: The Gap Sealer (1972) やはり1970年代のジャズは美味しい

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Jimmy Heath: The Gap Sealer (1972, Cobblestone)
A1. Heritage Hum 7:45
A2. Invitation 5:41
A3. A Sound For Sore Ears 7:16
B1. Gap Sealer 7:25
B2. Angel Man 7:14
B3. Alkebu-Lan (Land Of The Blacks) 7:27
Jimmy Heath(ts,ss,fl), Kenny Barron(p), Bob Cranshaw(el-b), Al "Tootie" Heath*(ds), Mtume(perc)
Engineer [Recording]: Malcolm Addey
Engineer [Remixing]: Paul Goodman
Producer: Don Schlitten
Recorded March 1, 1972.

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ドン・シュリッテンのCobblestoneからのアルバム。その後、Museからの発売になる。1970年代のMuseは、時代に適応させた主流派ジャズの王道の印象。ボクがジャズを聴きはじめた1979年の当時、「時代に適応させた」のあたりがクセ物で、あまり高い評価ではなかった印象があるがどうだろうか。ライオン時代のBNやシールのImpulse!あたりの帝王感と比較し、ポップなCTI寄りというか。

面白いのは、Steve KuhnのTransなんかも同じ匂いがあって、実はECMなんかも壁一枚隔てた感じで、このあたりの音に近い。録音での潤色で泣き分かれた感じで。このアルバムはCTIのRVGと似たような感じの録音で。もう少し無造作な左右クッキリ分離録音だけど。

このアルバムもピアノ、ベースが電化され、パーカッションを入れて、大ヒットRTFに近い路線になっている。クラショウはロリンズともフェンダー・ベースで共演していたから、そんな時代だったのだ。

肝心の中身だけど、今になって聴くと、全く時代の劣化はなくて、立派なジャズ。実に気持ち良いジャズ。曲によって様々なリズムを入れているし、電化されているが(笑)、このメンバーが演奏すれば王道のジャズにしかならない。

ジミー・ヒースはStrata-eastのヒース・ブラザーズが良かったので、今頃、気になっている。当時のウッディ・ショウのアルバムと同じ、時代の匂い、を織り込んだ意欲的なジャズ。ケニー・バロンの電気ピアノもコロコロと良い味を出していて、とても好み。

やはり1970年代のジャズは美味しいという好盤。


Jimmy Heath – The Gap Sealer

The Gap Sealer

The Gap Sealer

  • メディア: LP Record