K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

夏至の朝に犀川河畔を走った

この数ヶ月はいろいろなものを閉じて、伏し目勝ちに過ごしてきたから、何も感じることない無味で安寧な日々を過ごしてきた。季節の変わり目にいろいろなものを感じて、疲れ果てることが多かったから。

先日,夜半前に満ちたる月と眼があってから、なんだか賑やかしい気分になって嫌な感じがした。でも懐かしい。

昨夜呑んだ後に戸外に出たら随分と蒸し暑いことに気がついた。汗が流れた。空には雲がなく薄物一枚も被らない明澄な半月。足元までひかりが射し込んだ。驚いた。眠れるか不安になった。

はっきりしないような気分で迎えた今朝、二日酔いを冷ますために犀川沿いを走った。雪見橋の向こうに見える医王山のうえに大きな夏雲が沸いていた。そして橋の上を走り去る女子高生たちの自転車が影になっていた。

犀川沿いは蒸せかえるように暑く、もう夏になっていた。だけど春が訪れたという、はっきりとした記憶がないので、奇妙な感じがした。はじまらずに終わった春。熱気に揉まれながら、そんなことを考えて走っていた。体の中の熱気が口から溢れ出そうになっていた。

いつものように櫻坂から河岸段丘の上にあがったら、急に日が翳り風が吹きはじめた。あそこ、と、ここの間の結界はどこにあるのだろうか。坂を詰めて、瀬の気配が消えたあたりか。

それにしても何となく気怠い夏の日がはじまったような夏至の朝。