K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

儚い話

釣った岩魚を喰らう

前職の頃の山友達が金沢に来た。その朝に釣った岩魚を、知り合いの呑み屋で焼いてもらうことに。 河畔で魚を捌いて、綺麗に。 刺身をつまみながら、焼き上がりを待つ。関東から来ると、刺身は格別のようだ。丸葉春菊のサラダ、ホタルイカと山菜の天麩羅など…

雨の中夕暮れ後の城脇を通り抜けると

昨夜は大手堀脇のホテルで宴席。夕刻に自宅を出て、小雨のなかを歩いた。 途中、桜が綺麗な小道を通り、兼六園を抜けていく麗しい経路。しかし、数日の風雨で染井吉野は仕舞いで、花びらが路を覆っていた。慶恩寺の枝垂れ桜も染井吉野よりも早かったから、も…

様々な別れのカタチ

今年はそんな年だ。 夏頃に尊敬する先達が他界された。もう数年前から癌。両親より少し下の世代で戦後すぐに小学校に入るくらい、70代後半であった。だから癌の進行は、治療の甲斐もあり、極めて緩慢。最期は自宅でゆっくりと眠りに入られた。 2年前の春に…

明け方の会話

金沢に新幹線が通ってから、金沢の宿泊の予約が難しかったり、また空いていても法外な対価を求められたり、開通前にはおよそ想像ができないことが起きている。つい、このあいだまで4000円くらいで宿泊できたホテルが、20000円を超えたり、凄まじいものだ。市…

暗い時候・妖しい坂

少し前に書いた記事では、道迷い、のような形で感情の基部に手を差し込むような、そんな不安感を掻き立てるような狐狸、のようなものについて書いた。決して危ないような感覚はなくて、むしろ悪戯されているような感覚なのだけど、そのときの気持ちの根が切…

暗い時候・妖しい路地

金沢に来て数年、街に流れる何か、が今まで住んだ土地と随分と違うことに驚き、歩き回っていた。ことに早々に暗闇がやってくる秋のお仕舞いかたから冬にかけて、そんな暗い時候に、妖しい路地のような場所に出会うこともあり、少しだけ変な体験をしたりもし…

雨の朝

新しい職場で仕事をすることになり、電車に乗る。すでに始業時間に間に合わないことが分かっていて焦る、が仕方がない。満員の福知山線で北上する。幸い座ることができて、居眠りをしていた。武田尾のトンネルを過ぎて、目覚めると誰もいない。空っぽの電車…

曖昧な朝を過ごす

眠っていた。深い眠りで、闇の底に居たような感覚。唐突に目覚めたら明るい。晴天、朝9時。10時から会議なのでほっとした。 と思う間もなく、すっと足下が抜けるような感覚があって、もう一度、目覚めた。真っ暗。さっきは夢の中で目覚めたことに気がついた…

金澤・六斗の広見:時雨のなかでの交感

片町に呑みに行く時には、鶴来街道を歩いて蛤坂を下り犀川大橋を渡るか、櫻木通りを歩いて櫻坂を下り櫻橋を渡るか、気分で選んでいる。昨夜は鶴来街道、古い町並みが綺麗な往還を歩いた。そのときのことを、酔い覚めに、ふっと思い出した。

月下の櫻坂をあるいたあと、明け方にみた夢

映画を少したくさんみて、満ちた月のもとで櫻坂を散歩をすると、淡い夢のお裾分けのようなものを頂戴できるのかな、と思っている。そんな訳で、ここのところ櫻坂フェチのような気分に浸って過ごしている。金澤の早春。