K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Don Cherry: Art Deco (1988) 一枚のアルバムから広がること

随分と前からCDは持っていたのだけど、先日の音盤祭でLPレコードを入手した。そんな訳で何年か振りに聴き直した。それが存外に良かった。演奏は勿論、レコードで聴いたときの音の良さ、には驚いた。 ドン・チェリーのトランペットは飄々と軽く、フリー・ジャ…

見える筈のものを見て、そして見えない筈のものを見るために(別山・チブリ尾根)

歩きながら、考えていた。見えているものが実相であるならば、見えない仮相のような何かがあって、見えているもの以上に感覚を動かすことがある。ある場所を歩いていて、ほんの微かな匂いのようなものを淡い大気の流れのなかに感じた瞬間、目の前の景色がま…

いつも音を聴いている

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冬を前にした暗い朝、暗い部屋で聴くレコード、僅かな光が描く柔らかな盤面。 ボクは、いつも音を聴いている。そして、いつまでも聴いていたい、と思って日々を過ごしている。 翳った陽のもとで、眼を凝らして盤を眺めていることが、冬への助走であるように…

Ethnic Heritage Ensemble: Three Gentlemen From Chikago (1981) 始原的ミニマルのうえで

先日、いっき氏のブログをみて、そのバンドの名前に鋭い、記憶の底から突き上げる既視感が沸いてきた。 30年以上昔に、レコードを手にしたグループ。その後は全く知らなかったのだけど、演奏を続けている。衝撃だった。 最近はレコードを抜き取ることもない…

秋の音盤祭@金沢駅

ボクはあまりこのような催事には行かない。入手したい、と思っていたレコードが入手できた、という経験はない。ただ、思わぬレコードと出会うこともなくはなく、要は気が向いたらふらっと行く感じ。 ただ今回は、名古屋に行くと必ずお世話になるバナナやグレ…

季節の変わり目のなかで

昨日は夕暮れの頃から天気が崩れはじめ、そのうち雹混じりの強い雨が仕事場の窓を打ち付けていた。もう殆ど秋がお仕舞いになっていることに気が付いた。いつものことだけど、金沢の春と秋は短い。 数日前、仕事場から出て、信号機の前に立っていた。和歌山出…

Quique Sinesi: Live in sense of quiet (2012) 秋だからか、そして、今の音楽を聴く理由

2年ばかり、意識は古レコードで聴くジャズに持って行かれていた、ので、特にアルゼンチン音楽(なんか音響派、っていうんだっけ?)を追いかけること、は全くやっていない。 秋だからか、久しぶりに、アルゼンチン音楽の新譜を手にする気になった。これも大…

Silvia Iriondo:Anonima - tributo a Leda Valladares (2014) 駆け抜ける秋の

本当に仕事が山積していて、果てがない。とは云え、遊んでいない訳でもないのだけど。気持ちが塞いで、時間の流れにあがなえない感じ。 それでも、いや、それだから、いろいろなアルバムに手が出て、仕事場でも音を垂れ流している。夏がお仕舞いになってから…

Helge Lien Trio@もっきりや

昨夜のもっきりや。Helge Lien Trio。実は良く知らなくて、K君に教えてもらって行ったのだけど、予想を激しく裏切る、激しくも美しいものだった。ヴァイキングの末裔と分かる大きな体躯で、楽器を鳴らしきる強靭さと、ふっと流れる美音、その無限の繰り返し…

届いたCDの柔らかさ

一昨日、大洋レコードからCDが2枚届いていた。ブラジルの最近の音楽。 とても美しい仕上がり。 聴く前からその音の美しさ、を知ることができた。 朝の光りのなかで、作り手の気持ちが薫り立つように漂っていた。 実際聴いてみると、すごく録音がいい。ベー…

The Internet: Feel Good (2013) 忙しいからメロウに仕事を

毎回、忙しい、と書いているような気がするが忙しいから仕方がない。でも、忙しいからメロウに仕事をしたい気分(なんだそりゃ)。 昨日は、前職の友人が金沢に転勤するとかで、遅い時間から 穆然に出かけて一献。友人のリクエストでHeavy Weatherを聴いたり…

Thelonious Monk: The London Collection Volume 1(1971) あの本を読んだから、じゃなくて

夜明け前に、また目覚めた。しばらく白んでいく空をみてから、コヒーを入れた後、針を盤面に下ろした。気が付くと、戸外は随分と明るくなってきた。 一ヶ月くらい前にお茶の水で買ったLPレコードをようやく聴いている。セロニアス・モンクのソロ、って書くと…

次の季節への予兆・9月のお仕舞いのころ

数年前のような気分の起伏の激しさは影を潜めて、ただ加齢以上に気難しくなっていくような感覚だけが気になっている。結局の所、自分を持て余している、ことだけは変わりない。自分との付き合いに疲れること、には何も変わりはない。 ボクは昔から夏が嫌いで…

Fred Hersch And Julian Lage: Free Flying (2013) 久々のハーシュ

何だか忙しい日々をくぐってきたのだけど、その間にいろいろなコンサートを聴いたり、音楽的な刺激は随分とあったのだけど、何だか文章にする、ということはできなかった。文章にする、という言語化・論理処理の行為のなかで、「今までのジャズ・これからの…

東京・神楽坂「大洋レコード」南米音楽の玉手箱

初夏の頃から熱中した渓流釣りなのだけど、9月末から禁漁。さして感慨もなく竿を仕舞った。そのあっさりした感覚は、自分でも不思議だった。そして思い出したように仕事に熱中している。8月末から9月一杯、随分とあちこちに出張したので、仕事が散らかってい…