K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

小川隆夫:ジャズ・クラブ黄金時代 NYジャズ日記1981-1983(2023)ちょっと追記(当時のコロンビア・レコードの契約ミュージシャン)

ジャズ・クラブ黄金時代 NYジャズ日記1981-1983 作者:小川 隆夫 シンコーミュージック Amazon 新刊。1950年生まれの著者がマンハッタンへ行きたい一心で、同地の医大へ留学したときの話。苦心惨憺して留学に至り・勉学に励む様子も書いているが、本当か、と…

新年の古本@オヨヨ書林 せせらぎ通り店

本もレコードも収容能力を超えつつある。とは云え、の新年。 山の本が好き: 田村隆一も見かけたら。古本の匂いとともに、失われた20世紀に意識を飛翔させるのだ。

ジャズ録音日調査委員会(編):日めくりジャズ366 2024年版(カンパニー社)工藤氏の出版はおもろい

インディー出版社の雄(か?)であるカンパニー社からの新著(本か?これ)。 カンパニー社の本のマニアックな雰囲気が好きで、必ず入手している。財布が傷まない程度の出版周期も好ましい。忘れた頃にやってくる。 日めくりのカレンダーになっていて、背を…

非ジャズ音楽本いくつか(真保安一郎:初盤道、毛塚了一郎:音街レコード)

暫し本シリーズ。レコードコレクター本にはつい手が出る。 初盤道 究極のアナログレコード攻略ガイド 作者:真保安一郎 DU BOOKS Amazon 主にロック方面、それもmass-productionされたレコードの本。ジャズからすると、ファンも多く、故にレコードのプレス枚…

服部文祥:北海道犬旅サバイバル(2023、みすゞ書房)これを登攀記・冒険譚と理解しなければ抜群に面白い

北海道犬旅サバイバル 作者:服部文祥 みすず書房 Amazon これを登攀記・冒険譚と理解しなければ抜群に面白い。かつて、彼の初?の著作「サバイバル登山家」をみすゞ書房から購入したが、面白くないので読むのを止めてしまった。彼のサバイバルって、ポイント…

高橋杉雄:日本で軍事を語るということ 軍事分析入門(2023、中央公論新社)まだ冒頭しか読んでいないが

日本で軍事を語るということ 軍事分析入門 作者:高橋杉雄 中央公論新社 Amazon 防衛研究所の安全保障の研究者による新著。 冒頭の文章で、自分の認識のズレを一撃された: このことが世界に突きつける意味は重い。戦争が起こる可能性の予測ができないのだと…

中牟田貞則と篠田昌已(最近出版された本)

(CD付き) 中牟礼貞則 孤高のジャズ・インプロヴァイザーの長き旅路 (リットーミュージック) リットーミュージック Amazon 我方他方 サックス吹き・篠田昌已読本 共和国 Amazon たまたまなんだけど、まるで正反対の二人の本を入手。 何が正反対かというと、生…

ボクのBlue Noteことはじめ(キングレコードのガイドブック)

日本製ブルーノート盤は,1970年代になって,まずは東芝から。その後、1977年頃からキングに版権は移動。1983年に再び東芝に移動している。ボクにはよくわからないが、キング盤が人気だそうだ。 ボクがジャズを聴きはじめたのが1979年。熱心にスィング・ジャ…

新春初ランと体調不良で萎えた気持ちに蹴りを入れるつもりで読んだ本

11月下旬に発熱(コロナではない、扁桃腺)し、喉の腫れ・咳が引くまで2週間。体調回復の余裕を与えない多用の日々で、随分走っていなかった。 年内に済ませたかった仕事を大晦日に片付け、正月はぐったり。2日になって、ようやく走ろうか、という気持ちが…

石川県立図書館で古本の催事

昨日に続き、恢復期の散歩。小立野を歩く。残念ながら紅葉には遅かったが、遅まきながら新設の図書館へ。 人が集まる箱モノ、イベントは苦手なのだ。図書館前には食品の販売車まり、賑わっている。某釜元類似の蓮根柄の販売車もあり、可笑しい。脳内に苦手警…

清水睦夫先生の著作(スラヴ民族誌など)

今更ながらに入手した高校の恩師・清水睦夫先生のスラヴ民族史の研究が面白い。 中田考の新著で、改めて米国、西欧的価値観を相対化することも必要だな、と思ったところで、清水先生を強烈に思い出した。古代ローマからの法灯は中世ローマ帝国たるビザンチン…

沢木耕太郎:天路の旅人(2022) 45年前に読んだ忘れ得ぬ秘境西域八年の潜行(芙蓉社)の著者に迫るか

驚きの本が出版された。沢木耕太郎「天路の旅人」。 45年前に読んだ忘れ得ぬ本「秘境西域八年の潜行」(芙蓉社)の著者・西川一三が戦時中に密偵として潜入したチベットの記録。原稿3200枚の大著。 これらの記録で書かれなかった、その後の西川一三のことが…

お茶の水へ(カンパニー社の新刊本、類家CD、ジェフ・パーカーのレコード他)

思い起こすと、お茶の水にレコード買いに来るようになって、40年を随分と超えてしまった。 脳内は記憶容量、書き込み速度は随分劣化したが、脳内回路はちっとも進化していない。くそっ。 マイルスの自伝はいつか買おうと思っていたので。そしてカンパニー社…

近藤等則: イズラエル(1993-94) IMAを解散した直後の「CD本」

近藤等則(tp, electronics) M-1, 4, 7, 8, 9, performed at the Negev Desert, M-11 performed at the Eingedi, M-12 performed at jazz club, Jerusalem, M-13 performed by the Sea of Galilee, December 1993. M-2, 3, 5, 6, 10 recorded in Amsterdam, J…

コレット・マニー(カンパニー社の本フェチ)

実はカンパニー社の本がとても好きだ。凝った意匠のマイナーレーベルのレコードを買う、そんな感覚と同じ。 このコレット・マニーの本、表紙を含め柔らかな仕上がりで、手に優しい。数ページ読んだが、惹き込まれそう。楽しみ。 本を読みながら聴こうと、10…

今日届いたレコードと本(The awakeningと左川ちか)

今日届いた今日届いたレコードと本。amazonから同梱で届いた。 The awakeningと左川ちか。どちらも、とても好みなのだけど、どうも相性があまり良くない。この本を開くとき、は無音の方がしっくりくる。

村井 康司:ジャズ喫茶に花束を―ジャズ喫茶店主九人が語る「ジャズの真実」(2002, 河出書房新社)

ジャズ喫茶に花束を―ジャズ喫茶店主九人が語る「ジャズの真実」 作者:村井 康司 河出書房新社 Amazon 著者の村井 康司は同世代。彼は高校時分から熱心に聴いていたようで、ちょっとだけリアルな体験が早い。やはり言外の感覚、のようなものが近いので、膝を…

現代思想 2014年7月号(特集 ロシア)再び戦争の世紀に戻る中で

ウクライナ危機の段階で購入した古書。ウクライナのネオナチ、なるものを調べようと思い購入。その後、読む前に開戦に至り、驚いた。 クリミア併合の後に緊急出版されたようだ。筆者によってはロシア寄りの微妙な表現が目につくが、驚かされるのは混沌とした…

オヨヨ書林せせらぎ通り店:実店舗での古書購入(何年ぶりだろうか)

引き籠もり体質で出歩かないうえにコロナ禍。実店舗での古書購入は何年ぶりだろう。散歩のついでに古書店へ。 思わず手にとったなあ。1990年代の中国奥地の旅行記。通信網未整備と開放路線があわさり、一番自由に歩くことができた時期ではないか? 根深誠の…

つげ義春: 別離・後編(COMIC ばく 1987年夏季号) 最後の雑誌掲載漫画

つげ義春が描いた最後の漫画。今から35年前。藤原マキ夫人の癌発症からの不安神経症に悩まされる日々、とうとうこの掲載を最後に筆を折っている。つげ義春の漫画掲載を目的に作られた雑誌であるCOMICばくも次号(つげの漫画は掲載されていない)で力尽きる。全…

吉田裕:兵士たちの戦後史(2011)戦後という時代はなかった

最近、読んだ本で面白かった本は吉田裕の諸作。兵士たちの戦後史、はそのタイトルから想起されるような、元兵士の類型とそれに対応する記録、の体裁では全く無い。様々な記録から戦後の時期時期での第二次世界大戦の体験に対する思潮の変化、を捉えたもので…

「小説」家・石原慎太郎のこと

石原慎太郎の本は一冊しか読んでいない。

近藤 健二: 日本語の起源 ――ヤマトコトバをめぐる語源学 (ちくま新書) ホモサピエンスの出アフリカからの壮大な議論だという忘れがちな視点を

日本語の話者の祖地が旧満洲の西遼河河畔であるとのNature論文が話題を呼んだのは少し前のことだった。 その学説以上に、中国から朝鮮半島経由、といったあたりに引っかかった御仁が多かったようで、近代国家成立とともに生じたナショナリズムの弊を体現する…

Cedar Walton: Pit Inn (1974) 村上春樹の文章はともかく

Cedar Walton(p), Sam Jones(b), Billy Higgins(ds) Engineer [Recording, Remix] – Yoshihiro Suzuki Producer: Toshinari Koinuma Producer [Album Produce, Direction]: Yasohachi Itoh, Yukio Morisaki Recorded live December 23, 1974 at "Pit Inn", T…

愛でる本(澁澤龍彦: フローラ逍遥)

昨日、届いた本。 山に登ると高山植物を良く知っている人が居る。ボクにはちっとも分からないし、名前も覚えられない。覚えない積もりもないが、格段興味が無い、らしい。人の名前、特に女性や世代が違う人の名前が覚えられない。これもきっと、格段興味が無…

マテリアルとしての本に(カンパニー社の書籍)

新刊の本で、マテリアルとしての本に引っ張られるのは、カンパニー社の本以外にない。 ECMやライオン時代のBlue Note、いやそうじゃないな、IncusやICPのような音からジャケットまでの総合芸術としてのレコードと同じ匂いに溢れている。そして奇妙な逸脱感も…

カンパニー社の本(東欧ジャズ、ハリー・スミス)

Cafe Incusでカンパニー社の本を入手。嬉しい。カンパニー社の場合、読み物として、だけではなく物体としての本、に強く惹かれる。ハリー・スミスの在庫有り、はここが最後ではなかろうか? ネットで随分探したが、売り切れ。持って楽しい本。 傑作「日本の…

週末に届いた音源と本

ブートは止めようと思っているが、美音と聴いて。 1970年代キースは好物なんで。名古屋のリストはおそろしすぎる。 公式盤では計り知れない内容のリストだった。 抑えて今回はこの美音盤だけ。 本はこれ。1960年代の大映で勝新とか、1970年代の東映で鈴木則…

嶋護「ジャズの秘境」をガイドにCecil Taylor (Live at Sweet Basil)とBill Evans(Consecrations, live at the Keystone corner)

様々な切り口のレコード・CD本があるが、近年では以下の2冊がピタリとハマった。 小島本は橋本一子の新作で書いたように「ヘンな音」へのガイド: 嶋本は改めて「気持ち良い音」を探しに行くガイド: ディジタル音源用のDAC導入と相まり、美味しいCDの良い…

末冨健夫:フリージャズ&フリーミュージック1981~2000:開かれた音楽のアンソロジー (2021)

フリージャズ&フリーミュージック1981~2000:開かれた音楽のアンソロジー(ディスクガイド) 作者:末冨 健夫;金野 吉弘;河合 孝治;小森 俊明;漆舘 登洋,斎藤 聡;織田 理史;川口 賢哉;近藤 秀秋;牧野 はるみ,大木 雄高 TPAF Amazon カンパニー社の偏…