K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

水野和夫:資本主義の終焉と歴史の危機(2014) 資本主義の実相

読書の秋。この本は面白かった。ゼロ金利状態が先進国に先駆けて突入した日本。そのゼロ金利の意味を、長い歴史の中で「資本主義の終焉」と位置付けている。そのメタ現代へ最初に日本が突入しつつある、という話。ゼロ金利は資本主義が利潤を得ることができ…

いよいよはじまった下り坂の空へ

いよいよはじまった下り坂の空へ。 驚くほど機嫌がよかった10月の空から、突然、崩れた。そして、約束のように雨が降り、風が吹く。 直に昼間から雷が鳴るだろう。部屋に籠もって、窓から低く垂れ込める雲を、にやにや眺める日々がやってくる。 谷底をうろう…

The Bad Plus Joshua Redman (2015) 発売されて、すぐ入手したが

発売されて、すぐ入手したが、そして気に入ってよく聴いたのだけど、何が気に入ったのか自分でもよく分からなくて、いや、今でも分からないのだけど、聴いている。 レッドマンについてはデビューの頃、アルバムを2つ入手して、聴いた。1つめは、あの悲鳴の…

Steen Rasmussen: Precenca (2015) 仕事場で小さな音量で

仕事場で小さな音量で、最近聴いているアルバム。デンマーク人がすなるブラジル音楽。 北欧のMPBとかボッサって、やや温度が低く、「冷やっこい」印象があって、今の季節にあっているかな、って思ったけど、案外そうでもなかった。熱くはないが、暖かい。と…

Helen Merrill: Music Makers (1986) フランスのレーベルOWLも

ECMのレコードを蒐集している。CDも欲しいが、数が多すぎる。死ぬまでに聴き終える気がしない。だから好きな70年代の音が詰まっているレコードに焦点を絞った。同じように、幾つかのレーベルは気になっているので、見かけたら買う、ような集め方をしている。…

Deep Tone Project: Flow(2014) ウクライナのジャズ

以前、ディスクユニオンに出かけたとき、試聴して気に入ったアルバム。ウクライナのジャズ、だそうだ。 ポップにはECM好きには、ということだったので試聴したのだけど、確かにECM的ではあるが、やや暖かめ。また尖った感じは全くなく、穏やかで聴きやすい。…

Brad Mehldau: 10 years solo live  遂に手が出た8枚組LPレコード

昨夜、届いていた。注文してから、わずか3日くらい。米国からの配送。700円の関税が取られた。 toshiya氏のブログを見たら、我慢できなかったなあ。 購入時点で、MP3ファイルのダウンロードを行い聴いている。メルドーって知性の人であり、考え抜いて弾いて…

暗い時候・妖しい坂

少し前に書いた記事では、道迷い、のような形で感情の基部に手を差し込むような、そんな不安感を掻き立てるような狐狸、のようなものについて書いた。決して危ないような感覚はなくて、むしろ悪戯されているような感覚なのだけど、そのときの気持ちの根が切…

石川九楊:日本語とはどういう言語か(講談社学術文庫) 日本ということの古に思う

日本語とはどういう言語か (講談社学術文庫) 作者:石川 九楊 講談社 Amazon 普段、日本語を使って仕事をしている。技術者ではあるけど、書くことはとても重要で、考えていることを論理とし、場合によっては学術誌や本の形で出版する。技術者ではあるのだけど…

(ECM2470-72) Anthony De Mare: Liaisons: Re-Imagining Sondheim From The Piano(2010-2014)

これはECMのNew series。クラシック、現代音楽のシリーズ。先般のティグラン・ハマシアンのECM作品は、このNew seriesではなかったが、古楽と現代音楽を合わせたような典雅なもので、 New seriesと思わせるような仕上がりだった。このアルバムは明らかにジャ…

ロイヤルハンチングス@cowry coffee アコウスティックな空間での、アコウスティックな音

出張が続くと気分がささくれてくる。そんな様子が目に見えていた。もっきりやでの北欧奏者のデュオも逃したし、残念 門脇君のところでのクラリネットとコントラバスのコンサート、出張で行けないと思っていたのだけど、小松からクルマを急がせると間に合うこ…

Chassolのライヴ映像(実はもうすぐ、もにょもにょ)

昨夜もIndiamoreの映像を見ながら、ソファーで寝込んでしまった。麻薬のような音。 Big Sunの映像に音をharmonizeさせたライヴ映像があったので、貼り付ける。昨日のオバマの演説よりは面白い。 最近、少しまじめに音楽のことを書いているが、実はもうすぐ20…

Obama harmonized by Chassol

Youtubeでシャソールのヴィデオをピックアップしていたら、こんなものもあった。ヒトの話し声へ鍵盤を重ねる彼の典型的な音を楽しむことができる。面白い。

Chassol: Indiamore (2013) インドへの、視点

水曜日にCDが届いた。シャソールの追加2枚。 先日聴いたBig sunから、時間的に遡る聴き方となるが次はIndiamore(2013)。CDのケースのなかに入っていたヴィデオのDL情報をもとに.movファイルをダウンロードし、映像とあわせて見る。 Big Sunはマルチニクの映…

またもや仙台

1週間もおかず、再び仙台へ。 今年は縁があるなあ。 短い滞在時間は仕事の他は酒。 案外、ストレスが大きい第二の人生だから、やっぱり酒は友だなあ。トホホ

Woody Shaw: Imagination (1987) さようならショウ

これも仙台で入手したレコード。ボクはショウのトランペット、鋭い響きをドライヴさせる様、が大好きだ。特に1980年頃のコロンビア盤はいいと思う。未だにヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ、stteping stone、は素晴らしいと思う。河原町今出川のジャズ喫…

ジョー・ボナーのこと

今朝、ジョー・ボナーのレコードをアップした。1980年代末のレコード。その後の活動がよく分かっていないので調べてみた。 wikiの記事によると、昨年11月に逝去(April 20, 1948 – November 20, 2014)と知った。66歳。あわせてwikiの記事から分かることは、1…

別山・チブリ尾根往復(ブナの森)

昨日の記事の続き。 ブナの森のなかで過ごす時間が大好きだ。北アルプスの山岳景観の素晴らしさ、を先日改めて認識したのだけど、それとは全く別の世界。鋭角的な世界が北アルプスであるならば、むしろ木々がつくりだす円弧のような滑らかで、そしてフラクタ…

Joe Bonner: New Beginnings (1988) 何年、いや十何年ぶりに聴く奏者だが

仙台で入手したレコード。名前を見て懐かしい感じがした。何年、いや十何年ぶりに聴く奏者。CDプレイヤを購入した頃、25年以上前、にCDを入手した記憶がある。Steeple Chaseのピアノ・トリオ。それを聴いて以来だから、20年以上聴いていないかもしれない。だ…

別山・チブリ尾根往復(山並みを流れる雲)

飽きない山。いつも時間があったらチブリ尾根を歩きたいと思っている。相応の負荷を体にかけてくるので、自分の体の様子を知ることができる。それにブナの森から、何かしら感じるものがある。気分良く往復できること、が大切なのだ。 今回はあまり沢山は山に…

ブナの森を流れる水

昨日は早朝から別山へ。ブナの森の紅葉を楽しみに。いつものようにチブリ尾根を登り、下った。総距離18.5km、1600m余りの標高差を登下降する、日帰りには割と厳しいコースじゃないかと思う。同行の自称初心者(!)の方には気の毒かな、とも思ったけど、楽しい…

Andrew White: Passion Flower (1974) 気にして35年、仙台でついに買ったが良かった

アンドリュー・ホワイトという奏者を知っているだろうか? 一番有名な参加盤はウェザー・リポートのSweetnighter(第2作)にEnglish Horn (!)とベース(主役はヴィトウス)で参加している。主要メンバーじゃないから、知られざる奏者。その彼は、自身のリーダ…

仙台・片平のあたり

20年近く前、ほんのすこしの間、仙台・片平にある大学に通った。仕事をしながら、だったので、寛容な職場だったと思う。 この10年余り、恩師を囲む会があり、皆、技術開発の成果を持ち寄り発表会をやっている。参加者は全員、 もう仕事が変わっている。第二…

山下洋輔:Hot Menu (1979) 18歳の秋だったろうか

18歳の秋だったろうか。1979年にジャズ・レコードを買いはじめて、山下洋輔のレコードを手にしたのは。スイング・ジャーナルをはじめて買ったのが 、6月くらいだったと思う。その直後の記事で、山下洋輔がニューヨークで公演し、アート・アンサンブル・シカ…

Misha Mengelberg: Driekusman Total Loss (1964/66) Last dateの影を追いかけている、から

Misha Mengelberg: Driekusman Total Loss (1964/66, Varajazz)A1. Driekusman Total Loss 9:53A2. Nature Boy 10:25B1. If I Had You 11:14B2. Remember Herbie 8:18Misha Mengelberg(p), Piet Noordijk (as), Gary Peacock (b on A1 to B1), Rob Langereis…

Chassol: Big sun (2015) クレオールという媚薬、その行く末

昨夜遅くに帰宅したら、届いていたCD。注文したことも、すっかり忘れていた、けったいなジャケットのアルバム。CDとDVDの2枚入り。ただし、DVDがregion codeが違うのか、DVD再生機では見ることはできなかった。幸い、サーバーからのダウンロードも可能で、…

暗い時候・妖しい路地

金沢に来て数年、街に流れる何か、が今まで住んだ土地と随分と違うことに驚き、歩き回っていた。ことに早々に暗闇がやってくる秋のお仕舞いかたから冬にかけて、そんな暗い時候に、妖しい路地のような場所に出会うこともあり、少しだけ変な体験をしたりもし…

ゆっくり融解する天蓋・別院のあたり

この数週間、比較的天候が安定している。落ち着いた、晴天が多い。爽やかな風のもと、走っている。 それでも、ここ数日、次第に冬の予兆のような感触があって、その感触が何かというと、天蓋がゆっくりと融解していくような、そんな感じ。成層圏から連なる高…

今日届いたECMレコード

今日は4枚届いた。外出先から戻ると、郵便局のオートバイの音がきこえたので走って行くと、やはり。実は局預かりになることが多く、とても面倒。前の住処と違って、随分と遠いのだ。 ECM1200番台が1枚。これで残り3枚。あとは1300番台と1400番台。蒐集の…

Fred Hersch: Horizons (1984) LPレコードを入手した

ハーシュのリーダ作はこのアルバムから。1984年だから、LPレコードの時代。先日からハーシュが気になりだした。 ハーシュのレコードを気にする人は少なそうなので、難なく入手。価格もとても安い。入手して驚いたのは未開封。シールドを切るところからはじめ…