K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2014-01-01から1年間の記事一覧

Woody Shaw: In The Beginning (1965) 年末最後のLPレコード

オークションで見たことがないウッディ・ショウのレコードを見かけた。安価だったので、応札。他の誰も応札はなかった。あまり人気がある人ではなくて、寂しく人生を終えた奏者なのだけど、ボクはその真っ直ぐな音色が好きだ。 以前も書いたけど、ジャズの聴…

静かな朝、雷鳴の前

やっと山積した仕事の相応分を昨夜終えた。休日の気分に少しだけなってきた。 静かな朝、雷鳴の前、の空を、山並みを眺めて、音楽を聴いている時間が愛おしい。 追われる感じ、から、ようやく逃れた。 休みには、ゆっくり本を読みたい。幾つも幾つも本を取り…

Andre Mehmari, Francois Morin: Arapora (2014) ジャズ的愉悦の塊

ブラジルのメマーリとフランスの打楽器奏者モランのデュオ。といっても、多重録音箇所もあるので、デュオの親密さ、の裏裏返しである息苦しさ、は案外ない。CDというフォーマットのしんどさ、は1時間にわたる音の連鎖そのもの(レコード世代には)。このア…

WAY OUT WEST:楽しい無料配布誌、金沢にも配布して欲しいなあ

先月、お茶の水のディスクユニオンで11月号を、梅田のタワー・レコードで12月号を頂いて、読んでみた。ネット上では、その存在を知っていたのだけど、なかなか見ることができなかった。 無料配布誌だから、とても軽量級の雑誌なのだけど、ジャズを聴くことへ…

京都・HOT STEP Records: 古の名盤と出会いに

京都・河原町通りから蛸薬師に入ったあたりにあるレコード屋。1960年代までの名盤多数。手が出ないオリジナル盤だけでなく、安価なsecond/third pressの程度良し、があることがボクにとって魅力。ボクのBlue NoteやPrestigeの蒐集基準はRVGの刻印。だからLib…

Julian Lage, Chris Eldridge: Avalon (2014) これ、ジャズじゃなくて

この1年は随分と音楽を聴くことに熱中したように思う。昨日アップしたように、大阪での所用を終えた後、金沢に帰る前に手にした梅田のタワーレコードで手にした1枚。今回買ったCDは5枚。全て大当たり。嬉しい1年の締め括り(か?)となった。 ジュリアン…

大阪・梅田・タワーレコードへ

実家の用事が終わって、金沢へ戻る前に大阪・梅田のタワーレコードへ寄ってみた。久しぶり。関西で勤めていたときは、よく行ったものだ。 試聴しながらCDを選ぶのは楽しいよね。普段はyoutube+webのもどかしさ、があるので、つい買いすぎてしまった。5枚。 …

Alexandre Andres: Olhe Bem As Montanhas (2014) ミナス・ミナス・ミナス

ブラジル・ミナスのSSW。ほんの数ヶ月前に知ったアントニオ・ロウレイロで、改めてミナスの音に惹かれている。30年以上前にミルトンに強く惹かれたこと、を想い出している。 唄い手の声、そしてそれに載る旋律のうごめき、それらの何処に惹かれるのか、うま…

Federico Arreseygor : Detràs De La Medianera (2014) 21世紀に生まれる音

確かに21世紀に生まれる音、なんだろうと思う。1970年代のジャズが示した可能性、様々な音楽を移植し、遺伝子操作を行うプラットフォームとしてのジャズ、が21世紀に入って存在感を増しているように感じる。かつて、クロスオーバーとかフュージョンとか呼ば…

オーディオ用USBフィルタ(月刊STEREO 1月号):鰯の頭、ではないような

先日書いたように、CD専用機(Cambridge Audio: AZUR351C)を聴いて、その音の解像度の高さ、つまり音の塊のなかでの細かな音の音像のようなものがしっかりしていることに驚いた。比較対象はPCオーディオで、Macminiで駆動するMcIntosh C2500内蔵のDA変換器。…

Cambridge Audio: AZUR351C ちょっとした買い物の積もりだったが

そもそも音響機器そのものには関心はなくて、ジャズを中心とした音源を集めて35年ばかり。父の遺品である機器類を入手して、全く異次元の音があることを体験あるいは体感した。同時期にファイリング・システムとしてのPCオーディオの便利さ、に開眼して、そ…

大阪・日本橋・Rubic records:東京のマイルス

幾つか気に入ったレコード屋がある。ここは、その1つ。品揃えと値頃感に尽きる。大阪・日本橋、あの「五階百貨店」の横。40年くらい前、泥棒市場のような(失礼!)異様な光景に驚いた場所。戦後の闇市の臭いが未だに漂う。その「五階百貨店」の横。真冬と…

窓から見える遠景

窓から見える遠景、の一部分を切り取った。 冬の暗く低い雲がゆっくりと割れ、遙か南の県境付近の山並みが見えた。 僅かな光で、頂がぼんやり浮かんでいた。

Thelonious Monk : Piano Solo (1954) モンクの端正なピアノ

昨日、受け取ったLPレコード。スペインの古レコード屋から届いた、60年前にフランスでプレスされた10インチ盤。好きなセロニアス・モンクのソロ。村上春樹の近著でも取り上げられていて、彼の学生時代の愛聴盤だったがレコード棚から消えてしまったらしい。…

Keith Jarrett: Sun Bear Concerts (1976) 日本盤を手に入れて西独盤と比較した

今朝はキース・ジャレットのサン・ベア・コンサートを聴いていた。1976年の日本ツアーを収録したソロ10枚組。2年ほど前に,西独盤のLPレコードを手に入れた。10枚組。ずっしりと重い。 これは日本の代表的な録音技術者である菅野沖彦氏が収録したECM盤。マ…

雪降る日々を過ごす

10年1日が如く、の日々をおくっている。同じこと、を繰り返す退屈さの愉悦。 薄暗い朝、窓の外は雪、古いレコード盤に針を下ろす。 ふっと光が射し込んだような気がしたのも、ほんの数分。 遠くの山並みが見えた、と思う間もなく、霰が叩きつける。

Antonio Loureiro: So (2012) 微かな土の薫り、仄かな風の匂い

先日、はじめて手にしたアントニオ・ロウレイロのアルバムが東京のライヴ。その素晴らしさに暫く打たれていて、仕事場での再生は一番じゃないかなあ、かねてより聴きたかった音楽を突然聴かされたような驚き、を味わっている。 そんな訳で、彼の他のアルバム…

Renato Motha & Patricia Lobato: Sunni-e/Bhakti (2012) ブラジル・ミナスのマントラ

先般、メーマリとかロウレイロに持って行かれてから、NRTレーベルが気になっている。そんな訳で、入手してみたブラジル・ミナスのデュオ:ヘナート・モタ & パトリシア・ロバートの Sunni-e。あんまり、吟味せずに勢いで入手したのだけど、とても不思議な音…

雪の朝、もレコードを聴いている (Keith Jarrett: Life between the exit signs)

かなり苦しい、子供の頃の疼くような記憶と向き合うような数日を過ごし、金沢に帰ってきた。雪が降りはじめた。 雪が降ると、その夜は暖かく、明るい。 朝が来て、ボクは再びレコードを聴いている。Keith Jarrettのデビューアルバム"Life between the exit s…

光と翳りの東京へ(先週末のこと)

白黒写真を5日間、SNSにアップするという遊び、は面白かった。普段、色彩の中で捉えている世界を光と影のグラデーションで再構築する、という、その作業そのものが興味深いものであった。だから、暫く、「白と黒」の世界が気になっていた。 12月に入ったば…

ドナルド・キーン講演会:過ぎ去った昭和への憧憬

昨夜、野々市市内でドナルド・キーン講演会が行われた。700人収容の大会場ではあったが、齢92のキーン氏と聴衆の間の親密な空気を感じることができる、素晴らしい講演会となった。高齢であるキーン氏を支えるような、新潮社編集委員の堤氏の素晴らしい進行…

Barre Phillips: Journal Violone II (1979) 晴れた雪の朝に聴くオトは

寒い朝だった。寒さで眼を覚ました。朝焼けだ。薄暗い時間に起きて、少し仕事をする積もりなので焦った。古い携帯電話の目覚ましはあてにならない。 そんな朝だったのだけど、先週末にお茶の水で手に入れたECM、西独盤のLPレコードをターンテーブルに載せた…

Monica Zetterlund and Bill Evans: Waltz for Debby (1964) あの映画が金沢に

先週末は東京にいて、勿論、レコード買い。購入衝動はピークアウトしたので(本当か?)、気になるレコードをボツボツ購入している。 これは、そのなかの一枚でできれば原盤を入手したいと思っていたけど、かなり高価。まあ日本盤でいいかなあ、と見かけたの…

早い雪の訪れ

飛行機で北陸へ。雲が多い空で、早々に地面が見えなくなった。小松に降りられるか不安。大分と積もっている様子。 やはり着陸に向けてのルート選びは大変なようで、大きく日本海に出てから、雲の間隙を衝いて降下。20分くらい沢山飛んでいた。 地上は積雪。…

Mark Guiliana's Beat Music@Billboard Live TOKYO 21世紀の音楽と正面から

12/5の夜、六本木のビルボードでMark Guiliana's Beat Musicのライヴを聴いた。たまたまなのだけど、東京への出張を入れていて、その夜がMark Guilianaのライヴと知って、驚き、嬉しかった。ほぼ1年前くらいだろうか。ブラッド・メルドーとのデュオMehliana…

Still life 5@Aug.9:Soi 11, Sukhumvit, Bangkok

Black and White photo challenge , Day 5/5#bwchallengeStill life 5@Aug.9 (Soi 11, Sukhumvit, Bangkok) 結局、好きなモノのStill lifeを並べていた。山、雲、山毛欅、カートリッジ、LPレコード。最後はタイ。 2007年からだから、丸8年、南に向かってい…

Still life 4@Oct 26 : 山毛欅 (ブナ)

Black and White photo challenge , Day 4/5?#?bwchallenge?Still life 4@Oct 26 (山毛欅) 山毛欅の森が好きだ。白山山系を彷徨うように歩き、そして山毛欅の森のなかにいるとき、本当に石川県に移り住んで良かったと思う。山の深さを感じさせ、とりわけ雨…

Branford Marsalis: In My Solitude: Live Concert At Grace Cathedral (2014) ボクらのジャズへの挽歌

これもキースのアルバムと一緒に届いた1枚。数週間前に店頭で見かけて、手を出したり引っ込めたりしたのだけど、Sさんと話しをした時、買わなきゃだめだと云われて、素直に買った、というシロモノ。 なあんて書くと何だかなあ、ってことなんだけど、ありが…

Still life3@June 23: 大日岳

Black and White photo challenge , Day 3/5#bwchallengeStill life 3@June 23 (大日岳) バンコクでFacebookを見ると、「1日1枚のモノクロ写真を連続5日間ハッシュタグ付きでアップして、最終日には次の人にバトンを渡してモノクロ写真ファンの交流を深める…

Keith Jarrett:Hamburg '72 (1972) 失われた環、そしてトリオという名のカルテット

(東南アジアに旅立つ前に、ディスクユニオンで求めた音源やら書籍やら、が届いた) まず最初に書きたいことは、ジャズ狂いを30年以上続けてよかった、というため息のような感覚。CDのフォームにしては、やや短い時間のアルバムを無限巡回させながら浸っている…