K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2016

(ECM2740) Keith Jarrett: Bordeaux Concert (2016) 2014年の悪夢を払拭する

Keith Jarrett (p) Design: Sascha Kleis Recording: Martin Pearson Mastering: Christoph Stickel Executive-Producer : Manfred Eicher Recorded live July 6, 2016 at Auditorium, Opéra National, Bordeaux

辛島文雄: My Life in Jazz(2016) 「日本のジャズ」の匂い、のようなものを全く感じさせない

辛島文雄(p), 井上陽介(b), 高橋信之介(ds) Recorded at Studio TLive on March 11 2016.

Will Long: Long Trax (2016) なにものでもないなにか

Will Long(key, perc)

Fabiano Do Nascimento: Tempo Dos Mestres (2016) アクが欲しければ

Fabiano Nascimento(g, vo), Sam Gendel(ss), Carla Hassett, THALMA de FREITAS(vo), Ricardo "Tiki" Pasillas(ds,perc) Recorded at Electrosound, LA, CA, on 11/12/15, 11/13/15, 04/12/16, 07/09/16 and 07/10/16.

Chicago/London Underground: A Night Walking Through Mirrors (2016) 麗しい混沌のなか

Rob Mazurek(cor, sampler, electronics, voice), Chad Taylor(ds, mbira, electronics), Alexander Hawkins(p), John Edwards(b)Rob Mazurek(cor, sampler, electronics, voice), Chad Taylor(ds, mbira, electronics), Alexander Hawkins(p), John Edwards…

Nora Sarmoria: Fueguitos

Nora Sarmoria: Fueguitos (2016)1. Enereando (Nora Sarmoria) Letra: Matías Mormandi2. La Munda (Nora Sarmoria) sobre "El Mundo" (Eduardo Galeano)3. Consejos de un Arbol (Nora Sarmoria)4. Corazón Liberado (Nora Sarmoria)5. Mono Turquesa (Nor…

(ECM2549) Areni Agbabian: Bloom

Spotifyで聴いて、気に入ったので購入。ティグラン・ハマシアンに続くECMのアルメニアもの。内容もハマシアンのECM録音と同じような、アルメニアのフォークロアを淡い味付けにした環境音楽的なもの。ハマシアンのAtomosphereより、さらに淡色の音楽となって…

齋藤徹: Travessia (2016) (またもやの)Late comerであること

日本のアヴァンミュージック本で再び、その名前を見てから聴きはじめると、フリーだかなんだか、という定型的な枠ではなく、コントラバスの「あらゆる音」を「あらゆる形」で聴かせるような、スケールの大きさに惹かれた。そして、その低音が生み出す様々な…

Wayne Shorter: Emanon

5年ぶりのアルバムが昨年出た。カルテットのメンバーは変わらない。録音も2016年なので、内容もそんなに変わらないだろう。過剰なパッケージも気にくわないなあ。そんなことで、LPレコードセットで2万円を越える本アルバムには手が出なかった。結局、在庫処…

Antonio Sanchez: Bad Hombre

アントニオ・サンチェスって、メセニーとの共演で知ったから、もう10年くらいになるのだろうか。彼のアルバムは幾つか入手しているのだけど、バンドの熱さの割りに表現の振幅が狭い印象があって、その後は気に留めていなかった。だから、このアルブムも知ら…

Arto Lindsay,山木秀夫: U Turn

Arto Lindsay,山木秀夫: U Turn (2016, Saidera)1. Don't smile / Pode Sorrir(Nelson Cavquinho) 2. Very Dark Photo / Talk to Me(Rudy Vallee, Eddie Snydar, Stanley Kahan) 5:07 3. Saturate / Maneiras(Silvio da silva) 4:26 4. Flying Into a Cloud(…

Linda Catlin Smith/ Mira Benjamin, Simon Limbrick: Dirt Road (2016) 路が潰える怖れのなかにあるように

カナダの作曲家の現代曲。打楽器奏者とヴァイオリン奏者のデュオ、ライヴ録音。短い無題の15曲の連鎖。 作曲家が撮影したジャケット写真が醸し出す静寂な雰囲気をコンサートホールで造りだしている。ECMと親和性の高い曲・演奏であるが、人工的な残響処理で…

Jeff Parker: The New Breed(2016) 心象に翳を残すような

先日に続き、ジェフ・パーカーを聴いている。 マイルス・デイヴィスや菊池雅章のアヴァンギャルド・ファンクが、心象の奥底に音が落ち込み、そこから身体へ向かうような軌跡を描くなら、この音はまず身体に向かうような振りをしながら、心象の奥底に音が向か…

Siya Makuzeni: Out of this world (2016) アフリカで釣られたが

Bandcampのdailyのニュースで、南アフリカのジャズ奏者の紹介があった: 南アフリカというと反射神経的にダラー・ブランドなのだけど、それは40年以上前の話で今は知らないので、興味津々。そのなかで、シヤ・マクゼニ(これでいいのか?)のアルバムが面白…

Kris Davis: Octopus(2016) 一音一音の粒だった強さ

クリス・デイヴィスの前作は様々な奏者。その中の一人がクレイグ・ティボーン。 このアルバムのあと、全米ツアーのようなものをやったときの記録がこのアルバム。youtubeにも記録が残っている。 今年1月末に出たアルバム。 ボク自身はピアノ・デュオは苦手…

石若駿: SONGBOOK (2016) 面白い

昨日に続いて、石若駿を。 これは石若駿が作った「唄モノ」のアルバム、と云う捉え方は何か違う。Dear familyがジャズのデュオ作品と云ってしまうと感じる違和感、と同じ意味で。驚くほど2つのアルバムの音は同じで、石若駿が作る曲が違った奏者の組み合わ…

William Parker: Meditation / Resurrection (2016) ウィリアム・パーカーとハミッド・ブレイクの作るビート

昨夏にAUMから直接購入して聴いていなかったCD。そのうち、Bandcampでの販売が開始され、がっかりした(そっちのほうが良かった)。 今回の出張の帰国便のなかでガッチリ聴いたが、実にいい。ウィリアム・パーカーとハミッド・ブレイクの作るビートが実に快感…

五十嵐一生: Ballads of a sullen horn man (2015-16) ただただ柔らかい管の響きを愉しめば

先日、届いたアルバム。2015年から16年に録音され、今年リリースされた2枚組。バラード集でCD2枚組なんて、ちょっと食傷気味になるんじゃないか、の気持ちもあって暫く買おうとしたり止めたりしていたが、結局は入手したのだ。 結論から云うと、全く飽きは…

田中鮎美, Johan Lindvall, Christian Wallumrød: 3 pianos (2016) 再びレコードで聴く

この3 pianosをレコードで購入していたが、何かすかっとしていなかった。ディジタル音源で聴いていたときの空間、よりも少し濁ったような、そして薄い膜が張ったような感触。少なくないレコードで、そのような場合がある。新作であっても、そのような場合が…

(ECM2526) David Virelles: Gnosis (2016) 21世紀のジャズのなかに感じること

近所のyuccaさんのtweetで少し気になった。 David Virelles "Gnosis"めちゃめちゃいい。最近語彙はめちゃめちゃいい、しか使えてないけど、これは良い。Afro CubanとECMの見事な融合。融合というか抱擁?かっこよすぎ。こんなルンバやられたら惚れるしかない…

Fred Hersch: Open Book (2016, 17) 硬質の美音(レコード)

レコードが届いた。CDを聴いて、すぐに注文した。CDでも十分音質は良いのだけど、つい手が出た。聴いてみると、硬めの響きが実に美しい。無音時に気になるレコード固有のトレース音を差し引いても、聴く価値はあると思う。 深い奥行きに引き込まれるようだ。…

ショローCLUB: from 1959 (2016) 初老、なのか?

1959年生まれの3人、によるセッション。同世代なんだなあ。 前から気になっていたアルバム。昨日、友人達と寿司屋で呑んでいたのだけど、還暦前のボクが「初老」を使ったら遮られ、「老人」と云われてしまった。コトバの本来的な定義からすると正しいのだけ…

André Mehmari, Antonio Loureiro: MehmariLoureiro duo (2016) 1+1が幾つに

買ってから随分経つが、未だに少々、気持ちの中に落ち込まないアルバム。勿論、内容的に申し分なく、彼らの良質な部分、ボクたちが聴きたいと思う音、で満たされている。素晴らしい。が、腑に落ちない、のだ。 メーマリもロウレイロも好きで、随分と聴いてい…

The Space Baa: spaced out(2016) 気持ち良し

ここ1年くらいで、面白いなって思ったグループはrabbitooなのだけど、space baaも実に面白い。twitterで知って、試聴したのだけど、一発で気に入った。これ、当面のヘヴィ・ローテーション決まり。 初めて知った辰巳”小五郎”光英がトランペット他、渋サの不…

Snakeoil: Anguis Oleum (2016) ある種のワン・パターンなのだけど

ある種のワン・パターンなのだけど、ティム・バーンの音楽の快楽は、そのような定型性のなかにあるように思えている。マット・ミッチェルのピアノが実によくて、ついBandcampでダウンロードしてしまった。 聴いているとメシアンの室内楽のように感じたりする…

Nakama: Most Intimate (2016) 音の流れがとても美しい

もう随分と前のことだと思っていたのだけど、彼らをもっきりやで聴いたのは、ほんの数ヶ月前だったのだ。ミニマル的なアプローチをとりながら、楽器の音響的な広がりを聴かせる、ジャズと現代音楽が渾然としたような音楽の面白さに惹かれた。 それは彼らのル…

Akmee: Neptun (2016) ピアノとドラムが現代的な匂い、を流し込むような瞬間

田中鮎美のレコードと一緒に届いた。クリスチャンからのギフト。 メタ・フリーミュージック的な、現代音楽との融解した境界線を狙うが如きNakama recordsの作品のなかで、異色なほどジャズ的。これが実に美味しい。先日、ジェイソン・モランのアルバムで書い…

Jason Moran: Bangs (2016) アヴァンギャルド系の奏者が担っている音響的な深みを

JOE氏の記事で気がついたが、彼とは逆にDLで$20に引っかかって、手が出なかったアルバム。ジェイソン・モラン、メアリー・ハルヴァーソン、ロン・マイルズという、不思議な組み合わせ。 2ヶ月近くたって、はっと思い出して、試聴したらイケるではないか。イ…

(ECM2518) Dominic Miller: Silent Light (2016) こんなECMも好きだなあ

ECMに直接注文して入手したレコード。数ヶ月分の何枚かをまとめて頼むと、送料を考えても国内の店で買うより安価。 かなり機械的に注文した訳で、中身は入手してから確認。ギターのドミニク・ミラーのアルバムだけど、知らない。スティングと共演していたそ…

(ECM2512) Theo Bleckmann: Elegy (2016) 初期のPMGを彷彿とさせる

いつの間にか梅雨に入ったのか、雨。こんな朝はECMを聴く気分、になる。ハワイから帰ってきたら、届いていたCDを聴く。 妙に、琴線に引っかかるのだ Theo Bleckmann - Elegy - あうとわ~ど・ばうんど これを読んで、ハワイに行く前に注文していたもの。 聴…