K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

(ECM2740) Keith Jarrett: Bordeaux Concert (2016) 2014年の悪夢を払拭する

(ECM2740) Keith Jarrett: Bordeaux Concert (2016)
1. Part I    12:45
2. Part II    4:44
3. Part III    4:33
4. Part IV    7:47
5. Part V    6:16
6. Part VI    4:23
7. Part VII    7:28
8. Part VIII    5:48
9. Part IX    4:39
10. Part X    2:54
11    . Part XI    6:08
12. Part XII    5:34
13. Part XIII    4:31
Keith Jarrett (p)
Design: Sascha Kleis
Recording: Martin Pearson
Mastering: Christoph Stickel
Executive-Producer : Manfred Eicher
Recorded live July 6, 2016 at Auditorium, Opéra National, Bordeaux

https://www.ecmrecords.com/shop/1652880769/bordeaux-concert-keith-jarrett
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もうキース・ジャレットの演奏を望むこともできなくなったようだ。はじめて聴いてから40年以上、彼のピアノの音響が自分のなかの何処かにいたようだ。

ライヴ無精なので、ナマでは2回しか聴いていない。いわゆるスタンダーズとソロ。いずれも2010年代の大阪。悪夢、としか言いようがない。スタンダーズでは音響の余韻を無視した無粋な拍手、そして2014年のソロでは客席の遠慮ない咳での中断。ダメな街だ。

このアルバムはそのときの悪夢のような出来事を払拭するような、追体験のように感じた。自己陶酔的な長いソロは控えめであり、また抽象的すぎる曲調も控えめ。耳に馴染みやすい曲調で、美しい残響を愉しませる、本人もそれを味わうような、そんな時間が過ぎていく。加えて、1970年代はじめのアルバムにあったような、草の香りがするような曲が、より柔らかく、追憶を誘うように続く。

確かに、散々だった大阪にあっても、一音一音の確かさ、美しさは驚きであった。それを思い出させるような、素晴らしい体験を与えてくれるアルバム。

CreditをみるとアイヒャーはExecutive-Producerで、キース・ジャレット自身がプロデュース。そのためか、残響処理は適当であり、音の輪郭が滲むような、そんな昨今のアルバムとは一線を画している。

最近、ECMからのレコード発売は滞っているが、早く入手したいなあ。

open.spotify.com

Amazon Music Unlimited - キース・ジャレット 『Bordeaux Concert (Live)』

Bordeaux Concert

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