K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

モノクロームの記憶

記憶は何色だろうか、と考えるときがある。最初は彩色された記憶、のような気がするのだけど、次第に退色し、最後には陰翳しか残っていない、ような感覚がある。それも翳り、のようなものを縁取りするために淡い光があって、漆黒のなかに吸い込まれていくよ…

北穂高から涸沢へ(3日め)

三日目は北穂高から上高地への下山。随分と長い道を歩く。今回の山行ではっきりしたのは、体力の減退。渓流釣りに集中していたので、走り足りない。心肺機能がもとに戻っている。それを実感したことが、成果かもしれない。上高地から前穂高を日帰り往復した…

はじめての涸沢へ、そして北穂高へ(1日目から2日目)

東京のSさんに、随分と前から穂高に誘われていた。若い頃に登った穂高は西穂高だけ。実ははじめての北アルプスはそれ。もう30年以上前のこと。北穂高いいよ、って云われていたのだけど、渓流釣りにどっぷりだったこともあり、タイミングがなかなか合わない。…

John Taylor : 2081(2015) ジャズともロックとも云えない、彼らの世界

あまり意識して聴いたことがないピアノ奏者だったJohn Taylor。強く意識したのは昨年(だったか)、新宿のディスク・ユニオンの店頭で聴いて、即入手したルイス・スチュアートのアルバム。そのなかでのスピード感に溢れたモーダルな演奏、に痺れた。その後か…

犀川上流で過ごす時間

事実上、今年の渓流釣りシーズンを終えた(もう少し粘るかもしれないけど)。 連休最終日で沢も期待できないが、今朝、出勤前に犀川上流へ入った。先日、小熊を見かけたあたりなので、鈴を鳴らしてコワゴワ枝沢から本流に降りる。 そこそこの水量があって期…

(ECM2447) Tigran Hamasyan, Yerevan State Chamber Choir: Luys I Luso (2014) 東方教会のこと

音楽的な話の前に、このアルバムで歌われるアルメニアの宗教曲の背景となる中東のキリスト教について。キリスト教はパレスチナの地に生まれ、その後欧州で広く受容された訳だけど、イスラム教に席巻される前の中東地域にも広く流布しており、その名残は今も…

岩魚の渓へ

最後に岩魚が出てきたのは8月の終わり。それからまったく岩魚は出てこなかった。 産卵の時期を迎え、どこに行ったのだろうか。岩魚が気になって、再び秋の渓流へ。 小雨交じりの朝、林道をとぼとぼ歩いた。時折、強い雨が落ちるが、気圧が上がっているようで…

秋の渓に

雨上がりの朝、渓流に入ってみた。未だに夏の盛り、の頃の感触に執着があるようだ。 林道の脇の草むらにも勢いはなく、ただ淋しい感じになっていた。 沢で竿を垂れると、渋い色をしたヤマメが飛び出した。もう渓流釣りがお仕舞いってことを、ゆっくりと悟っ…

Irene Schweizer, Han Bennink: Welcome Back (2015) 引き続きデュオ・アルバム、再び録音のことも

気がつくと、エリントンから引き続きデュオ・アルバム。好きなのだ。 テイラー、ヘイデンのデュオアルバムのピアノの録音(演奏では全くない)に少しイラッときていたら、FacebookのJazz Tokyoのページ経由で、録音技師・及川公生さんの連載記事「聴きどころ…

Duke Ellington, Ray Brown: This One's For Blanton (1972) ピアニストとしてのエリントン

さるBLOGの記事(感謝!)を読み、猛烈に欲しくなった。。小編成で聴く、ピアニストとしてのエリントンのタッチは強く、叩きつけるような強度のなかのピアノの響きの美しさ、が好きだ。モンクにも通底する、美しく響くリズム楽器としてのピアノ。エリントン…

休みは渓流で竿を垂れ、夕暮れにレコード聴いて

雨交じりの休日。休みは渓流で竿を垂れている。気分は引き籠もりの時期で、仕事じゃなければ、渓流以外には出かけていない。そろそろ人恋しくなる時分なのだけど、仕事で遠出することが多く、なかなか。 季節が変わってから釣果はさっぱり。イワナは何処へ行…

Vinicius Cantuaria & Bill Frisell: Lagrimas Mexicanas (2010) 静かなる狂気

なんか移動続きで疲れているので、早々に眠りについて、夜明け頃から仕事をしていた。夜明けをみながら、今日の打ち合わせの資料を作っていた。そんな感じの時間の使い方は好きなのだけど、金沢に居るときは走ったり、釣りに行ったり、外に飛び出すのででき…

名古屋・バナナレコード ジャズシンジケート:名古屋は青空

間違いなく名古屋が一番活気がある、と思う、日本のなかで。そんな名古屋に着く頃は、雨雲も去り、晴れ渡っていた。 そんな訳で、仕事の前に「バナナレコード ジャズシンジケート」へ。名古屋へ出かけたときは、かならず寄っている。 今回は面白いレコードは…

単色の日々

仕事で動き回る日々が続いている。もうあまり遠くに行きたくない、金沢で静かに釣り糸でも垂れていたい、と思うのだけど。 秋雨前線が膠着する中の移動、も辛い。空と同じように気分は晴れない。酒を呑んでも、そんな陰鬱な感じを再確認するような、感覚があ…

ディスクユニオン・新宿JAZZレコード館とJazzTOKYOへ

昨日は仙台から東京へ。仙台は用務だけ終わらせ、東京へ。台風の影響で雨が強く、なんとも憂鬱な滞在になっている。 とはいえ、久しぶりにレコードを買いに出かけた。ECMのレコード蒐集は壁に当たっていて、なかなか容易に集まらない1300番台から1400番台が…

(ECM2381) Jakob Bro: Gefion (2013) 浮遊というジャンル・不安への強いノスタルジイ

最近はとても仕事での出張が多く、金沢に居る時間は友人と逢ったり、外に飛び出したりで、ゆっくりと音楽を聴いていない。その代わりに、移動時間を使って、本は読んでいるのだけど。そうであっても、古いレコードや最近のCDも結構マメに買っているのだけど…

犀川源流への入口へ

今年は渓流釣りで犀川源流の倉谷川へ何回か入った。釣りも勿論目的なのだけど、犀川ダム上流の源流域に何故か心惹かれるのだ。乗用車で乗り入れ可能な場所から、上流へ12kmあまり。自転車と徒歩での遡上はなかなか大変なのだけど、確かにかつては人が住んで…

数人の友人がやってくるので、その時にかける音のプレイ・リスト

数人の友人がやってくるので、その時にかける音のプレイ・リストを作ってみた。2010年代に入ってからの新しいアルバム。全てCD。ややエスニック寄りの美味しい音を含め、ピックアップしてみた。ディジタル・データだと、酔っ払っても安心。いつまでも、流し…

妙高を走る

夏と秋の間を揺らいでいるような景色だった。そのなかを走り続けた。針葉樹が多い森の中は暗く、開けた処へ飛び出した瞬間、とても眩しかった。夏のような空は一瞬で、見る間に秋の雲が沸き出し、まもなく雨が降り出した。

杉本喜代志: Babylonia Wind (1972) 熱い1970年代の音

針を落とした瞬間、熱い1970年代の音、だと思い、深夜なのだけどニヤッとした。テナーのブロウが響く。集合住宅なので階下、が気になって少しだけ、音を絞る午前1時。 最近になってHMVが再発したレコードを入手。杉本喜代志は好きなギター奏者。日野皓正と…

毎年の妙高

毎年、仕事で妙高に来ている。合宿研修、との名目の懇親。山登りが目的なのだけど、案外天候に恵まれていない。この数年で一回しか頂上に上がっていない。20年ほど前に、残雪の中、スキーで山頂まで行ったのは遠い過去のように感じる。 山に登れない時は走る…

シュート・アロー氏の愛すべきジャズ喫茶本(第二報)とヘイデンとエスクーデのアルバム

仕事で妙高に来ているが雨で施設に缶詰め。山どころか、走ることもできない。やれやれ。 シュート・アロー氏は同世代だけど、ボクよりは少しだけ年下。だから前の二冊の著作は、あのジャズ全盛期というか、ジャズバブルともいえる時代の共有感満点だった。Li…