K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

シュート・アロー氏の愛すべきジャズ喫茶本(第二報)とヘイデンとエスクーデのアルバム



仕事で妙高に来ているが雨で施設に缶詰め。山どころか、走ることもできない。やれやれ。

シュート・アロー氏は同世代だけど、ボクよりは少しだけ年下。だから前の二冊の著作は、あのジャズ全盛期というか、ジャズバブルともいえる時代の共有感満点だった。Live under the skyとか斑尾とか、当たり前にあったけど、凄かったよね。今にして思えば。
同時に前世代からの遺物(当時ですら)のような薄暗く、紫煙ゆらめくジャズ喫茶にも惹かれて随分行ったから、なんとも同志感一杯の方なのだ、著者は。
些事に神が宿る、って仕事で常々思うのだけど、技術者として、彼の一連の本の魅力は些事に尽きる。ジャズ喫茶のソファーに座った位置、およそ1mの高さの視点で見えてくる光景、社会にも人生にも無意味な些事に拘る。些事が些事を呼ぶ脈絡が薄いオチない話が楽しい。無意味な些事に拘る遊び、は面白い。そのお裾分けのような本。
その本の中でロンパーチッチの店主の話が出てくるが、これが面白い。正確に言うと、店主とbar bossaの林さんの対談のサイト記事(http://www.jjazz.net/jjazznet_blog/2014/03/bar-bossa-vol31.php )がネタなんだけど、ロンパーチッチのFBページが面白く、行ったこともないジャズ喫茶の客足に一喜一憂したりしている(最近はblogに移ったよう)。是非、客足に貢献したいと思うが、金沢じゃいかんせん無理。そもそも、引き籠り気質の初老なにで、金沢のジャズスポットの客足にもなれていない。すみません。
さて些事に拘るのだけど、シュート・アロー本を読んで、砂を噛んだような違和感の記述。ロンパーチッチでお客がいない時のレコード。なんとチャーリー・クリスチャンとクリス・エスクーデのデュオ???、って? クリスチャン・エスクーデならば、時代が違いすぎる!ミントンハウスの頃は生まれていない、筈。時空を超えたデュオ。暫し頭が混乱。ということで、もとサイトを読むと、ヘイデンとエスクーデのデュオ。安心した。些事は些事ゆえに大切なこと。作者殿、無事増刷の時は訂正くださいまし。
さて、このレコードはボクの愛聴盤( http://blog.goo.ne.jp/ken_jazz/e/d912cc7f5ae0b01cbc28e2cbeddd8a8a )。最近になって、レコードも入手。確かにロンパーチッチ氏が云うように、それなりに高価だった。で、彼が「客がいないとき」のレコードで選んだということに、またまた違和感。弦2人でジャンゴとかやっているから、カフェ向きじゃないか、と思った。そんな訳で、一昨日ヘイデン好きの店主がやているcowry coffeeでかけてもらった(連続記載ですみません)。
大きなタンノイのスピーカーで響くヘイデンの音は、確かに柔らかいようでクセが強い。暫し聴いていると、他のお客に済まない気分になってきた。cowry店主と聴いた時は、そう思わなかったにだけどね。云ってみるならば、ヘイデンってジャズ界の「パクチー」みたいなもので、アレが好きな人はフリークに、においが気になる人はダメってことじゃないかなあ。はい、ロンパーチッチ氏の判断は正しい、というのが結論。違和感を感じて、ゴメンナサイ。

cowryで撮影し損ねたので、自室で。