K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

来年に向けての想い

今年の一番の出会いは、11月に札幌ではじめて聴いた旧ソ連のメロディア盤。その音にすっかり魅了された。ヴェデルニコフをはじめとする好きなピアノ奏者のアルバムを入手し、とても満足している。スクリャービン、ショスタコーヴィッチ、プロコフィエフなど…

飛頭: Crumbling steeple (2006) 不思議な時間の流れ

菊地雅章のアルバムを探しているときに、甥の菊地雅晃のアルバムも一緒に捕まえた。そのon forgotten potencyがとても良かったので、もう2枚探した。「とびあたま」というバンドの2006年作。このアルバムもon forgotten potencyと同じ音の世界。緩いfusion…

Rickie Lee Jones: Pop Pop (1991) 年の瀬はapple music

年の瀬はapple musicで気になっていたアルバムを探索。 このアルバムは村井本でみて気になっていたもの。とてもアコウスティックな音の造りで、しっかりとした音源で聴かなくちゃ、と思った。 チャーリー・ヘイデンのベースとか、ロベン・フォードのギターだ…

中川ワニさんと現代ジャズを楽しむ会@cowry coffee on 2016年1月4日

門脇君のcowry coffeeに中川ワニさんがやってくる。面白いアルバムが聴けたらいいな、と思う。 エッジを修繕していたcowryのタンノイも直ったみたいだし。 以前のワニさんのジャズ本も面白かったのだけど(ガイドブックとして、あまり役に立たないから面白く…

Donny McCaslin: Fast Future (2015) 冒頭のパーカッションに、そしてapple musicのこと

冒頭のパーカッションにヤラれた。昔、ビル・ラズウェル名義(だったか?)のアルバムで聴いたダニエル・ポンスの音が気に入っていたから、それを思い出した。前作"Casting For Gravity"と同じく、Jason Lindner(key), Tim Lefebvre(b), Mark Guiliana(ds)と…

シュガーマンを探して

金沢のシネモンドで公開されたのは何年前だろうか。そのときも忙しく、見逃した。気持ちだけは、二本くらい/月なのだけど、引き籠り体質もあって、街にはなかなか出ることが出来ない。 レンタルのリストのなかに発見し、借りた。移動中の列車内で見た。 先日…

今年のECMレコード盤蒐集

ECM

今年最後のECM・LPレコードの注文を行った。現状はこんな感じである。 オリジナルかはともかく、全て西独盤での蒐集状況。 ECM1000番台 完了 ECM1100番台 完了 ECM1200番台 あと2アルバム、2枚 ECM1300番台 あと18アルバム、19枚 ECM1400番台 LPがでていな…

ケイ赤城トリオ@金沢・もっきりや(12/23)地方中核都市に住むと云うこと

素晴らしいライヴを年の瀬に聴いた。 ケイ赤城トリオ:ケイ 赤城(p) 若井 俊也(b) 本田 珠也(ds) 特に目新しいことをやっている訳ではない。いわゆる主流派ジャズ(死語だなあ)の延長にある、とても正統的なものである。が、そこには強烈なドライヴへの指向…

年の瀬に

etc

CDのようなディジタル音源は全てデータにして、iTunesで管理している。だから、まあ重複する買い物も少なく(なくはない)、手の内にあるような感覚になっている。その代わり、データを抜かれ、抜け殻になっていないものの、意識が向けられないCDが放置に近…

FOUJITA(金沢・シネモンド)うーん、微妙

事前にwebなどで見かけたクリップが美しい、ととても気になっていたいたので、金沢封切り初日、1回目に出かけた。こんな意気込みははじめて。まあ、それが裏目、なんだけど。 最近は音を聴くことに意識が向いていて、なかなか映像には関心が行かない、なか…

(ECM1056)Ralph Towner, Gary Burton: Matchbook (1974) 時間が伸びやかに広がる感覚

針を下ろした瞬間に惹き込まれた。強い力。それは音、ではない。針の先が捉えたスタディオの空気。張り詰めていて、そして静寂。タウナーの作り出す音は、間違いなくECMの音場そのもの。ここ数作、米国録音の米国奏者を聴き続け、違和感が拭えない部分があっ…

(ECM1055) Gary Burton, Steve Swallow: Hotel Hello(1974) 夢想、のようなものを喚起するような

ボクは何処にも行けるし、何処にも行っていない。そんな独白を誘う。ジャケットの強い印象は、音をまた違う心象に連れて行く。 大学の英語の授業で読んだアーサー・ミラーの随想、ニュー・イングランドへの強いノスタルジイを淡い写真とともに。消え去ろうと…

音に埋没すれども

自分でも思うが、かなりの時間、音に埋没している。 そして、もはや記録手段としての記憶が怪しいので、メモをブログとしている。 そのなかで、興味が続いていること: (1)ECMのレコードを番号順に聴き、ECM自体の変遷、つまりアイヒャーの興味・指向の変遷…

松村拓海: Duologue (2014) アコウステックな音空間が素晴らしい

菊地雅晃のアルバム "on forgotten potency" (2012)は、なかなか気分によく合う、気持ち良く、素晴らしい音だった。グルーヴ感の温度が良く調整されていて、微妙な浮遊感、つまり跳びすぎず落ちすぎず、が絶妙。そんな微温の浮遊感をつくるうえで、フルート…

Tristan Honsinger: From The Broken World (1991) 空間に形を与えるような音

昨夜、帰宅したら届いていたアルバム。チェロ弾きであるトリスタン・ホイジンガーのCD。Free Jazzを解体したような、Improvised Musicを生業としている。その彼が1991年に渋谷毅と近藤等則と吹き込んだアルバム。 1980年過ぎに、ホイジンガーを2回聴いてい…

Agueda Garay: Cantos Sin Dueno (2015) フォルクローレの薫り

アルゼンチンの音楽を聴くようになっても、なんとなくフォルクローレ臭のようなものは苦手。頭の中で、コンドルが飛び回ってしまうのだ。 そんな感覚が和らいだのはカルロス・アギューレのアルバム。モダン・フォルクローレのような感じ、淡いフォルクローレ…

(ECM1054) Richard Beirach: Eon (1974)生真面目な「ジャズの伝道者」とECMのマッチング

バイラークとECMについては、ECMに関する邦著で語られた件で、ある種の意識がついてまわる。が、そこはともかく聴いてみる。 バイラークは決して嫌いなピアノ奏者じゃない、むしろ「とても好きなタイプ」の筈。しかし、ターンテーブルに彼のレコードを置くこ…

ケイ赤城: Mirror Puzzle (1994) 12/23のもっきりやにやってくる

明日(12/23)、もっきりやにケイ赤城がやってくる。 ボクたちの世代からすると、マイルス。デイヴィスの最後のバンドのキーボード奏者。幾つかのヴィデオで演奏を知ることができる。 改めて調べてみると、生前の公式レコーディングにはcreditされてなくて、…

今年最後のディスクユニオン@御茶ノ水 (CD編)

今回もCDを少々。 左上は、ちょっと気になる菊地雅晃がはいったアルバム。飛頭って、あやしい。右上は菊地雅章とグレッグ・オズビーのKOプロジェクト(って何だ?)。左下はアギューレのレーベルから出たAgueda Garay。何となくのジャケ買い。右下はケイ赤城…

今年最後のディスクユニオン@御茶ノ水 (レコード編)

仕事の時間の合間を縫って、御茶ノ水へ。年末のディスクユニオンは混雑。駅前店とJazzTokyoの2店をまわる。 入れる場所がなくなっているを忘れていたなあ。困った。 ECM1300番台。 これもECMだけど近作。再びレコードのプレスが増えてきて、困りもの。 今回…

皇居を走る

昨日から、仕事で関東へ。夜はいつものように湯島、清水坂のあたりに泊まる。 そして、いつもの穴蔵のようなバーで呑む。 いつもは静かなのだけど、自意識過剰な医学系研究者の甲高い愚痴に少々辟易。まあ隣の後輩がゆっくり話を聞いて、うまく相槌を打って…

(ECM1053) Michael Naura: Vanessa (1974) アイヒャーではないECM

一切、アイヒャーのcreditがないECM。初期のテープ買いはともかく、本格的に立ち上がった後では、はじめてのアイヒャーではないECM。producerはリーダのナオラ。録音日時や録音技師のcreditもなく、REMIXはおなじみMartin Wieland。だから音としては、しっか…

John Escreet: Sabotage and Celebration (2013) ボクのスイング・バイ

John Escreet (p), David Binney (as, ss), Chris Potter(ts), Matt Brewer(b), Jim Black(ds)

ホーヴァール・ステューべ・カルテット@もっきりや

今日から金沢は冬らしい一日に。数日前まで日中に摂氏10度を超えていたのがウソのように冷えている。少々、こたえている。 予約はしていたものの出かける気力が失せかけていたのだけど、12月は「もっきりや月間」と決めていたので、行くことに。今月はヘルゲ…

(ECM1052) Steve Kuhn: Trance (1974) 直球のジャズのスピード感に溢れている

既に5年前に投稿していた。少し書き足す。 聴き直したが、いいアルバムだ、1970年代のジャズとして。1974年のジャレットやバートンの吹き込みは、欧州の美学と米国の美学の「Fusion」をジャズというプラットフォームに描き出した習作、すなわちECMそのもの…

(ECM1051) The Gary Burton Quintet with Eberhard Weber : Ring (1974) 知っているECMの空気の中へ

1974年の7月後半、西独での録音。 キース、ガルバレクと2枚吹き込んだ後、6月から7月にかけて米国で3枚、そして西独。巷では、ハンコックやマイルスのファンクが唸りを上げていた頃。そんななかで吹き込まれた、このアルバムが缶詰のように保っている空…

Donny McCaslin: Casting For Gravity (2012) 確かに21世紀に居るんだよね

これも昨日届いたCD。ちょい聴き、の積もりで1枚聴ききってしまった。早く寝たかったのに。しまった! 菊地雅晃さんのCDも同じく、だったから寝不足。ワインを空けながら聴いた、のがイケなかったのだ。 ここ暫く、旧ソ連の麻薬のようなピアノ盤の美音に浸…

OSXアップ・ヴァージョン( El Capitan)にともなうAudirvanaの不具合

OSXがバージョンアップされた。 職場では仕事用のMacbook Air (メモリ8GB+SDD)を使って、iTunes+Audirvana plus+airplayで、Airmac expressを介して、boseのコンパクトなシステムを鳴らしている。購入時点のOSはYosemite。 職場では、エミュレータ(Parallel…

Thundercat: The Beyond / Where the Giants Roam (2015) 仕方がないので

今日届いたCD。MiKiKiで原雅明さんのスタンリー・クラークの記事を読んで、サンダーキャットを知って、それから聴いている。 クラーク・デューク・プロジェクトからジャズの尻尾を切って、洗練したような感じがとても好みで、ビートも心地よい感じ。 で、こ…

Jaco Pastorius & Pat Metheny@ Newport Jazz Festival 1979 聴いていない音、の記憶

ひとつの録音データがある。随分昔に入手したコンサートのブート、41:34の記録。聴衆が録音した荒っぽいもの。 1979年6月23日のニューポート・ジャズ・フェスティヴァル。奏者はふたり。ジャコ・パストリアスとパット・メセニー。ウェザー・リポートの絶頂期…