K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2013-01-01から1年間の記事一覧

Babooshki: Vesna (2013) 今年最後のオト

昨夜遅く、twitterを眺めていて、オラシオ氏(ポーランドジャズライター)の呟きで知ったアルバム。ポーランドからウクライナの音楽を素材にとった女性二人のヴォーカル主体のグループ。オラシオ氏のページ どうもCDはamazonなどでは入手できなくて、amazon…

Jack DeJohnette's special edition: Album Album(1984)冷えたロースト・ビーフのような味わい

先日、バナナ・レコードで買った1枚。一ヶ月前に見かけて見送ったのだけど、まだあった。うーん、人気がないねえ。 Special Editionの第1作が大名作(だと思っていて)で、アーサー・ブライスとデヴィド・マレイの大咆哮大会をデジョネットの緻密なドラムが…

The 2013 NPR Music Jazz Critics Poll:お正月の宿題

いつも拝見しているブログのなかで、このサイトに関する記事を発見。(いっきさん、ありがとうございます) 米国のジャズについて、2013年の50選。とても興味深い。古い奏者は別にして、興味をわかせる奏者が米国から欧州や南米に移ってきているのが気になっ…

ジャズ・ライヴ名盤100選(ジャズ批評2014年1月号) この手の企画に弱いなあ

ジャズ雑誌を読まなくなって30年くらいなる。学校時代は時間があったのだけど、仕事に就いてからは、そんな余裕もなく、店頭買い。あとはディスク・ガイド読み、かなあ。たまにジャズ批評の面白い特集号を読むくらい。この雑誌も季刊から月刊になって薄まっ…

Miroslav Vitous: Purple (1970) 結局、聴きたいオトはコレだったのではないのか

1960年代後半から1970年代に多様化していったジャズの最高峰のひとつではなかろうか。ビートの多様化、電気楽器の導入、米国外からの奏者の活躍。そのような多元的なヴェクトルの方向が揃った瞬間を見事に捉えている。

Stan Getz & Bill Evans(1964) 強靭なリズムのうえで

エルヴィンの強靭なリズムのうえで、ピアノとテナー・サックスが唄う素晴らしいアルバム。ビル・エヴァンスのLPレコード蒐集のなかで、比較的最近に入手した一枚。唄うように、しなやかな演奏、ときとしてムーディーな音楽に聴こえてしまうのだけど、そう聴…

土岐麻子: Standards(2004) 甘い声、が与える蠱惑

ネットをつらつら見ていたら土岐麻子が気になった。ジャズ好きオヤヂにとっては、あの土岐英史令嬢。ふーん、って感じ。声質がブロッサム・デアリィ風だ という。確かに近所のバーのオヤヂも一時よくかけていた記憶がある。ブロッサム・デアリィの「Girlish…

たおやかな夕暮れを過ごす

遠出が多かった11月、12月もお仕舞。せっかくの天気だけど引き蘢る日曜日。一歩も外に出なかった。食べ物もあまりないのだけど、外に出る気分にならなかった。

山口克巳:LPレコード再発見(2003,誠文堂新光社)LPレコードに狂うにはワケがある

副題が「円盤に棲む魔物の魅力に迫る」。そう魔物がいるのだ、あの黒い盤の向こうには。だから、LPレコードに狂うにはワケがある。オーディオ・マニア がケーブルに凝ったり、電源ケーブルの何万円も出すこと、と同じ。つまり聴いたときのオトの違い、が気に…

名古屋・栄:バナナレコード・ジャズシンジケート、大須:Greatest Hits ロリンズのヴァンガード

東京の次は名古屋。時間があれば3軒、栄のバナナレコード・ジャズシンジケート、大須のGreatest Hitsとハイファイ堂を廻る。Greatest Hitsのあと時間が少々足りなかったので、迷ったけどバナナレコード・ジャズシンジケートへ。これが大正解だった。

今年最後のディスクユニオン(出張の合間を縫った!)

ビル・エヴァンスのレコード蒐集も正規リリースはお仕舞い方(あとLeft to Rightだったか)で、あとは死後の発掘盤(solo I,II,Consecration Iが課題だなあ)と共演盤に移行している。まあ、これらには強い関心はないので見かけたら、というスタンス。

雨の東京(湯島:太陽と星のバー)

木曜日、東京に出張。冷たい雨が降っている。雪に変わるかも知れない、と聞いた。北陸から明るい太平側に出ることを楽しみに、ランニング・シューズまで持参したのに詐欺みたいなものだ。残念。

鈴木清順:孤愁(1980、北冬書房)美貌ということじゃないが小粋な

本に惹かれるときがある。それも記述に惹かれるのではない、外装に惹かれるときが。そして眼に映る姿は、美貌ということじゃないが小粋な感じ(カジュアルという言葉では気分が出ない)が良かったりする。 先日、馴染みのバアの周年記念があり、沢山のヒトが…

Brad Mehldau, Mark Guiliana: Hungary ghost (2013) 打楽器のパルスが繰り出す細動の昂奮

SNSがいいなあ、と思うのはレコード会社や奏者の情報が楽に入手できること。いつだったかNonesuchのfacebookのページを見ていて、来年2月、Brad Mehldauの新作が出ることを知った。Nonesuchのページは以下: Nonesuch Releases "Mehliana: Taming the Dragon…

Om: With Dom Um Romao (1977) Weather reportの子供たち

表裏を飽きさせることなく、聴かせる、なかなかのアルバム。初期Weather reportが好きな人には、聴き応えのある一枚じゃなかろうか。

休日の金沢散歩と古書(オヨヨ書林せせらぎ通り店)

オヨヨ書林せせらぎ通り店で入手した本 上田正昭:日本の原像、マンディアルグ:みだらな扉、澁澤龍彦:玩具草紙、滞欧日記、種村季弘:澁澤さん家で午後五時にお茶を、古書手帳 それと、隣でパンも

Miroslav Vitous: First meeting(1980) 雪が積もった朝

このアルバムを聴くと、改めてヴィトウスのアルコはいいなあ、と思う。弓をさっと引くだけで、彼にしか出せない「あの世界」が現出する。丁度、欧州とアメリカの間をすり抜けるような不思議なオト空間。

Jim Hall: Jazz Guitar (1957) 追悼(力が抜けたような)

力が抜けたようなギターだと思う。音がとてもスムーズで、気張っている感じが全くない。そう、指を腕が保持し、腕を胴が保持しているような、肉体の躍動感、のようなものがない。とても上手な鼻歌のような音。 2005年くらいであったか、マンッハタンの南にあ…

12月の金沢とは思えない朝

日曜日の夕暮れの余韻を残した黎明の刻。12月の金沢とは思えない朝だった。 ほんの暫くの晴れ間で、その日の晩には雨に変わったけど。こんな日が続く、訳がない。 でもタマにはいいなあ、こんな朝。放射冷却でとても寒かったけどね。

Lars Danielsson & Leszek Mozdzer: Pasodoble (2007) 冬の職場で

ポーランドの奏者Lars Danielsson と Leszek Mozdzerによるデュオは、音の温度感やノリが面白くて、仕事場の愛聴盤。勿論、音の温度は低めなのだけど、ECMのような氷結には至っていない。 ちょうど0℃くらいの曖昧な状態、硬くも緩くもない、硬くあり緩くもあ…

久しぶりの休日・宵の犀川

実に久しぶりの金沢の休日。午後から雲は飛び、もう年内最後かもしれない絶好の晴天。夕刻から犀川河畔に走りに出た。山側環状のあたり、大桑から若宮大橋までの14kmを1時間15分で。途中から、夕闇の中の川面、山岳、深い天涯の色に囲まれた美しい時間を過ご…

ディスクユニオンほか、で入手したLPレコード達

なんか多忙になると、依存症が深まる。そうレコード依存症。困ったなあ。録音が良さそうな古いプレスと欧州盤が中心。

湯浅啓写真展「線路はつづく 北陸・鉄道のある風景」@花のあとりえ こすもす

Art

ボクのなかの鉄道の記憶を辿ると、昭和30年代後半の阪急電鉄夙川線のコゲ茶色の車体が鮮烈な記憶に残っている。歩く前の幾つか残る記憶のひとつ。その後 の記憶は昭和40年前後の北陸本線。未だ親不知あたりが未電化の時代。大きなディーゼルカーに牽引された…

Jaco Pastorius : Jaco Pastorius(1976) 時代の音のなかの摩耗しない部分

ジャコが撲殺された、という極く短い報道を新聞でみた晩、は今でも覚えている。たまたま友人とレコードを聴いていた。何ともいえない寂寥感だった。1986年のこと。Word of mouthの続作を待っていたが、永遠の徒労だった、ことに気がついたような感覚だった。…

さようなら天使の街バンコク

夜明け前にホテルを出た。軍人上がり、とはっきり分かる精悍な顔付・姿態の男がハンドルを握るタクシーは高速道路を疾走する。暁の中に高層建築が浮かび上がる。さようなら天使の街。

Derrick Hodge: Live Today (2013) 熱くないグルーヴ感もまた

熱くないグルーヴ感もまた、良いものだと思った。これが21世紀のオト、ということならば、21世紀というものはとてもしっかりと構造化され、見通しが(感覚的な階層の)上にも下にも良い、とても賢くスマートなものだと思った。

バンコク・夜の景色

もう随分と仕事で来ている。最近は、ただ路地風に吹かれてSingha Beerを呑んでいるだけの非日常でいいな、って思っていて、そんなに何もしていない。 日曜の夜は最大の歓楽街タニアの外れにあるFock Shark-finsで「フカヒレ尽くし」3000円でフカヒレやアワビ…

淡い光溢れる乾期のバンコク

この季節のバンコク、淡い光溢れる乾期のバンコク、 は天国、だと思う。日中30℃、夕暮れの後は25℃。乾期で湿度がとても低い。光が心なしか淡く感じる。乾いた風が体を爽やかに抜けていく。そんな日曜日の昼間にビールを呑みながら過ごす時間は、忙しかった日…

村井 康司: JAZZ100の扉(2013、アルテス) オトを読む、そして同世代の感覚、同世代の嗜好

今日、出張の途中で立ち寄ったディスク・ユニオンで手にした本。SNSでwatchしているなかで、最近出版されたことを聞いて、気になっていた本。バンコクまでのフライトのなかで、読んでしまった。面白かったなあ。

11月がお仕舞いになる朝、遠くへ出かける朝

今年は予定を入れすぎた。金沢で遁世を、の感覚だったのだけど、張り切りすぎた。まだまだ生臭い、のだろうか。 朝5時に目覚ましを鳴らせて、小松へクルマを走らせた。夜明け、の頃に着いた。 深夜の国際便につながる夕刻のフライトの予定だったのだけど、…