K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

土岐麻子: Standards(2004) 甘い声、が与える蠱惑

  ネットをつらつら見ていたら土岐麻子が気になった。ジャズ好きオヤヂにとっては、あの土岐英史令嬢。ふーん、って感じ。声質がブロッサム・デアリィ風だという。確かに近所のバーのオヤヂも一時よくかけていた記憶がある。ブロッサム・デアリィの「Girlish」な声が大好きなボクとしては気になってしまった。早速、その彼女のジャズ・アルバムを聴いてみた。

 甘い声、が与える蠱惑、のようなものは確かにある。ブロッサム・デアリィが米国菓子のような甘さ(甘いとしかいいようがない)、ならば、土岐麻子の声は甘さ控えめの「和風洋菓子」。ほどほどの感じ。強力なリズム・セクションをつけて、それがジャズをやる。そのうえに、軽く流れるようなヴォイスをつけるような唄。ジャズの唄い手のような聴かせ方はしないのだけど、丁度、ボッサ・ノヴァのような軽さがあって心地よし。ぼおっとしているときには、いいかなあ、というアルバム。

 それにしてもSeptemberをこんな感じで聴かせるのは好きだな。1980年頃の学生にとっては、熱気が抜けた遠い夏の日を思い出すような味わい。もっとも30年前にそんな熱い日々を送っていた訳ではないのだけど。

 大石学のエレピが良かったな。何曲か入っている、親父殿のアルトも聴かせてくれるし(もう還暦を越えているんやね)。これは25分の「ミニアルバム」なので物足りない。もう少し、聴いてみたくなった。

 

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土岐麻子: Standards(2004, LD&K)
   1. My Favorite Thing
   2. September
   3. The Gold Life
   4. Everybody wants to rule the world
   5. Feelin' Good
   6. Like Someone in Love
土岐麻子(vo),大石学(p), 坂井紅介(b), 大坂昌彦(ds), ハル高内(g), 土岐英史(as)