K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

長くも短いバンコクの日々

朝、夜明けの随分前にホテルを出た。 今回の滞在は忙しかった。現地時間の6時に目覚めて、7時から行動していた。まったく南方に来た実感を劣化させるようなバンコクの日々だった。仕事だから、仕方が無いのだけど。殆ど、といってもいいほど、自由時間はな…

印度支那・音がない景色:ハノイからバンコクへ

ハロン湾からバスでハノイへ。僅か一泊の滞在だった。印度支那、フランスが名付けた古のコトバの甘さ、を感じ得る時間。 旧い韓国製のバスの車窓に沢山のオートバイが流れていく。その喧噪のなかで過ごしているのだけど、記憶、のなかに広がる映像は無音で、…

ハロン湾に出た

今はバンコクに居て、仕事と飲食の繰り返し。もう少し時間を昔に戻したようなヴェトナムの風情が懐かしくなってきた。 ハノイでの仕事は月曜の午後から。午前は少しだけハロン湾に出た。石灰岩の融解が作り出した奇景、らしい。乾期の筈なのだけど蒸し暑く、…

ヴェトナム・ハロン湾:とにかく遠いなあ

8月以来、ヴェトナムに来た。2日半にわたる会合の1日目はハロン湾のホテル。世界遺産の多島湾だそうで、2000近くの島がある、とは同行のヴェトナムの方の話し。 朝6時過ぎにお茶の水のホテルを出て羽田へ。9時に飛び立ち、ハノイに13時(日本は15時)。…

田村隆一:1999(1998、集英社)21世紀を見なかった彼からの、ボクへのオマージュ

大分前のことだけど、三宮を歩いていた。懐かしい古書店に入ると、この本が眼に入った。 いつ彼がこの世から去ったのだろうか、そんなことも知らずにいたのだけど、その名前を見ているとあの場所に住んでいた30年前の頃を想い出す。 湾曲する浜辺を見下ろす…

高瀬アキ So long, Eric(金沢・もっきりや)

この世を去って半世紀、のドルフィーの追悼ライヴ。ここ数年で最高のライヴの一つであり、その空間は記録できないという当たり前の残酷な事実を夜が明けた後に感じている。 そう、ドルフィーの最後のアルバムでのアナウンスと同じだ。 When you hear music, …

Mark Guiliana: My Life Starts Now (2014) ジャンルで音楽の外枠を認知するという近道が...

マーク・ジュリアナはメルドーのMehliana: Taming the Dragonで、その存在を認識した。youtube上のプロモーション・ヴィデオであるHungary Ghostをはじめて聴いたとき、彼が叩き出す、細分化され、抑制はされているが偏執的なほど正確なビートに凄みを感じた…

Keith Jarrett Trio at Arri Kino Munich Germany 1972 データのなかから

データのなかなから、こんなのが出てきた。BOOT音源だが、多分、サウンドボードからの取得なので、かなり聴ける。全く聴いた記憶がないのだけど。 音は予想通り。Eye of the heartからレッド・マンを抜いた、そのもの。フォーク調、ロック調、フリー調のなか…

仙台・片平のあたりのレコード屋「J&B」ふらっと入るレコード屋の楽しみ

仕事で東北大へ行くことが、ままあるので、もっぱら片平近辺に詳しくなる。いつも端切れのような時間で歩くので、一番町の通りにあるvol.1に寄る程度。今回は、アルゼンチンのAgustin Pereyraのアルバムを1枚手に入れた。 今回は、その近くにあるJ&Bにはじ…

Antonio Loureiro: In Tokyo (2013) 時間や空間を越えて

時間や空間を越えて、なにやら複雑な感情が沸いてきた。暫く、それが何時から来るのか、何処から来るのか、驚きながら考えていた。このアルバムを馬車道で手に取って、はじめて聴いたのに、である。メーマリのアルバムと一緒に連れて帰ったのだけど、それと…

Andre Mehmari: Tokyo Solo(2013) コトバを撥ねつける強靱な音のチカラ

この数週間で一番聴いている。家の中、クルマの中、仕事場。今、体が欲している音に一番近いのだと思う。 コトバを撥ねつける強靱な音のチカラ、があると思う。 この演奏の良さを語ろう、という気持ちすら無力化される。音を流しはじめると、はじまりも終わ…

渋谷毅: Dream (1974) 変わらぬ眼差し (仙台土産)

仙台に出かけると、必ず寄るレコード屋がある。南町通と一番町の通りの交点にあるvol. 1。そんなに沢山はないのだけど、あるべきものがあるような、ちょいと気になるレコードがぽつぽつある。今回は、渋谷毅のドリームを見つけて、小躍り。 彼の最初のアルバ…

新潟・大柄な街(古町・秋山郷)

移動が続いている。仙台から金沢に戻って、職場の宴席(会費一流、料理?流の卯辰山)に出てから、土日業務で新潟へ。正直、ヘトヘトである。 新潟駅から信濃川の向こうの繁華街まで歩いて行ったのだけど、とても大柄な街、という印象。道路が大きく、区画も…

Keith Jarrett: Hamburg 1972 concertの発売予告(ECM)

昨夜、キース・ジャレット・トリオの1972年のコンサートのアルバム発売の告知が出た。1972年のハンブルグ。調べると既にBootで出ていたので新しい音源ではない、聴いていないが。しかしながら、同時代の音源がECMから出る、というのはボクにとって、コトバに…

つらつらと仙台

2つの大学に通ったことがあって、京都だけでなく、仙台にも相応の親しい感覚がある。今年2回目の仙台は秋。青葉通りも紅葉で、なんとなく気持がしっくりくる滞在となった。仕事の合間、つらつらと仙台で過ごした。 紅葉の青葉通 青葉山の空 お昼は片平の喜…

梅津和時,原田依幸: Danke (1980) 音の純度を聴く

原田依幸のピアノの音が好きだ。音の純度を聴く、ような感じ。フリー系奏者、山下洋輔やセシル・テイラー、らと比べても、その音の粒度、柔らかさが呼び覚ます快感、のようなものは際立っている、と思う。 これは1980年のドイツ・ドナウエッシンゲン音楽祭で…

朝眺める空

朝起きると、暫く呆然としたように空を眺めている。テーブルの椅子に座っていると、正面が南の空。山が連なり、その上を雲が流れていく。ただそれだけのこと。ただそれだけのことだけど、雲の高さや厚さ、そして濃淡や色合い、山との遠近感、当たり前なのだ…

Cadu Tenório & Márcio Bulk: Banquete (2014) ネットで出会ったDL音源

ネットで出会ったDL音源。以下のTweetsに導かれ、$2でDL。内容はTweetsが完璧に表している。感謝。 勝手に引用したが、ご容赦: @kentarotakahashこの音源がフリーDL(その後$2、筆者注)というのに、戦慄を憶えている。崩れ落ちるような電子音響の中に美し…

雨が降る大船から江ノ島へ・そして観音食堂

本当に久し振りに大船へ。前回宿泊したのは、もう随分と前のような気がする。最近は東京に泊まることが多いので。今回は夜の席が用意されていたので、珍しくそのようなことになった。 そんなことなので、呑んだ翌朝、昔のように江ノ島から由比ヶ浜あたりの海…

Claudio Cojaniz, Franco Feruglio: Blue Africa (2013) 今ジャズを聴くということ(中川本のことも)

このアルバムを昨日買った。ステファノ・アメリオって人の録音がいい、って話だったので。 演奏そのものは、まあまあ。タイトルからティケッシュのような「きついアフリカ」の鼓動が押し寄せてくるようなもの、を勝手に想像していたが、緩い演奏。少々物足り…

Miles Davis: Four & More (1964) モノラル盤入手の顛末 (ボクが好きなアルバム3)

すごく忙しくて、イヴェントが一杯なので、ブログを書いていない。最近は気張らず、記憶補助という最初の目的意識に戻って、無理をしないようにしている。 ボクが好きなアルバムについて時々書いている。ドルフィーのLast Date、シェップのMonterux、つぎは…