データのなかなから、こんなのが出てきた。BOOT音源だが、多分、サウンドボードからの取得なので、かなり聴ける。全く聴いた記憶がないのだけど。
音は予想通り。Eye of the heartからレッド・マンを抜いた、そのもの。フォーク調、ロック調、フリー調のなかに、恐ろしく美しい曲調が交じる。3曲めのCoralがまさに掌中の珠、のような輝きを放っている。アトランティックのアルバムのような散漫な印象はなく、彼の多面的な音が上手くはまっている。
2曲めと4曲目の半分くらいはソプラノ・サックス。オーネットになりたかった、という感じがよく伝わる。案外悪くないんだな、これが。
トリオとしての平面的な広がり、をとても感じる。その後のピーコック、デジョネットとのトリオが深さ、を感じさせることと好対照。面白い。ジャズというプラットフォームを作り変え表現空間を広げようとしていた時代と、ジャズというプラットフォーム上で十分な表現空間が得られると判断した時代の違いといおうか。
もうすぐECMから出る同時期のハンブルグのコンサートが楽しみになってきた。
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Keith Jarrett Trio at Arri Kino Munich Germany 1972
1. Church Dreams
2. The Mourning of a Star, Follow the Crooked Path (Though It Be Longer)
3. Coral
4. Piece for Ornette, Remorse, Rainbow
Keith Jarrett(p,ss,fl), Charlie Haden(b), Paul Motian(ds)