K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2012

Arve Henriksen, Giovanni Di Domenico, 山本達久: Distare Sonanti (2012) 最近の気分によく合うアルバム

Arve Henriksen(tp, voice, electronics), Giovanni Di Domenico(p, Fender Rhodes, synth, electronics, editing), 山本達久(ds, perc) Recorded by David Minjauw at Dada Studios, Brussels Mixed & Mastered by Pierre Vervloesem, at Studio Fiasco, Br…

今朝の一枚 ( Dave Liebman: Surreality ) リボーの電化マイルス的音がヒット

これはインスタグラムで見つけたアルバム。趣味が良い(ボクにとって)の紹介アルバムはチェック。

Jakob Bro, Thomas Knak: BRO/KNAK (2012) 最晩年のブレイの貴重な16分46秒

[Disc-1] Bill Frisell, Jakob Bro(el-g), Thomas Morgan (b), David Virelles, Paul Bley(p), Kenny Wheeler(flh), Tine Rehling(harp), Jakob Kullberg(cello), Jakob Høyer(ds), Jonas Westergaard(b), Jeff Ballard(ds), The Royal Danish Chapel Choir(…

菊地雅晃: on forgotten potency (2012) 最近、中毒的に聴いてのは

菊地雅晃 (contrabass, effects, dub mix), 松村拓海 (fl, bass-fl, effects), 坪口昌恭 (analog synth, el-p, org, vocoder, etc.), 藤井信雄 (ds)

小谷まゆみ, 國仲勝男: Mizti

小谷まゆみ, 國仲勝男: Mizti (2012, オーライレコード)1.Voodoo Child2.『ひふみうた』 ~ 金子みすずの詩3.即興I 『おもろそうし』より4.即興II 『万葉集』より5.龍神 小谷まゆみ(voice), 國仲勝男(六弦) ------------------------------------------------…

William Parker: Essence Of Ellington (2012) 時間とともに変態を続けるジャズの「芯」

BandcampのAUM Fidelityのサイトで入手。元来、別レーベルの2枚組だったみたいだ。 試聴したら、もう参った。即、ダウンロード。パーカーとドレイクの組み合わせは鉄壁。外れなし。フリーとかに分類されて、広く聴かれていないのは本当に勿体ない。ジャズそ…

Evan Parker, Mark Nauseef , Toma Gouband: As The Wind (2012) 本当にこのアルバムは素晴らしい

1980年頃のフリージャズへの入り口は「いんたーぷれい8」の山下洋輔。さらにimprovised musicへの入り口は同志社大学での近藤等則とトリスタン・ホンジンガーのデュオ。ICPオーケストラを聴いたあたりが、気持ちのなかのピークだった。その頃、エヴァン・パ…

Monk Mix: Remixes & Interpretations Of Music By Meredith Monk (2012) ビヨーク、アート・リンゼイ、ヘンリー・グライムスがメルディス・モンクを

Bandcampでみつけたアルバム。様々な人によるメルディス・モンク集で、REMIXも含まれる。冒頭は弦楽をバックにしたビヨークによるカヴァー。ECMのDolmen Music収録曲。声量は限られ、音域はモンクよりも狭いが、不思議な情念のようなものが注がれ、奇妙な音…

坂田明: The Tale Of The Heike (2011,12) 管の音色が昔より深まり、味わい深い

坂田明の語りは「際物」だと思っている。山下洋輔の「寿限無」の田中角栄のモノマネには参った。面白くない、のである。仲間内の宴会芸を見せられた、後味の悪さが残った。 しかし、ジム・オルークとのセッションの格好よさ、は只事でなく30年以上ぶりに聴く…

Peter Evans: Zebulon (2012) 断絶と連続の接続点

実はバンコクで仕事をしている。ときおり温い大気を泳ぐように楽しみ、あとは何処にも行かずに音楽を聴きながら仕事をしている。こんなときapple musicは重宝している。 ピーター・エヴァンスははじめて聴く。名前は聴いていたのだが、機会はなかった。tweet…

Nico Gori, Fred Hersch: Da Vinci (2012) ハーシュのピアノが与える印象

ハーシュの新譜が出た。それを聴いているうちに、とても好きな旧譜について書けていないことに気がついた。それが数年前のこのアルバム。あれから随分とたったものだ。 ハーシュのピアノが与える印象をくくると、包み込むような人肌くらいの温度のピアノの美…

(ECM2374) Meredith Monk: Piano Songs (2012) ピアノの音の淡い色彩感

ピアノによるメルディス・モンクの曲集。彼女の1970年代からの曲が2台あるいは1台のピアノで奏でられる。どの曲を聴いていても、全く時間の変遷は感じない。ミニマルを基調とした、反調性的ではない、Fook的な素朴な旋律が織り込まれている。彼女のアルバ…

高瀬アキ: My Ellington (2012) 静謐なエリントン

高瀬アキのピアノの魅力は、現代音楽を弾くピアノ奏者と似た空気、音の粒立ちがよく美音であること、だと思っている。そのような彼女が弾くエリントン集。ソロ・ピアノなので、美音を愉しむことができる。 全般的にエリントンの曲をエリントンらしく弾くので…

(ECM2459) 菊地雅章:Black Orpheus (2012) ある奏者のLast Date

誰もが知っている場所で、だけど誰も見たことがない場所へ行ってしまった、ある奏者のLast Dateを捉えた、ドキュメンタリーである。それだけで、価値はあり、またその内包するcontextは強すぎて、言葉でイイとかワルイとか、そんな戯言を跳ね返してしまう、…

Nana Vasconcelos : Sinfonia & Batuques (2012) そもそも、この世のヒトではなかった、ナナ

ナナ・ヴァスコンセロスがこの世を去った、という知らせ、がとても非現実的なような気がして、仕方がない。 そもそも、この世と、違う世(あの世、でも、another world、でもよい)との間を繋ぐ糸電話のような、音を出していたから、ではなかろうか。 そもそ…

Bill Frisell: Solos - The Jazz Sessions (2012) 過剰と浮遊のあいだに

ここ数日は忙しくて、聴いたアルバムをアップできていない。渓流釣り、で忙しいのではなく、本業で、である。残念だけど。 今日は人と会う合間に、apple musicでビル・フリーゼルのソロ・アルバムをみつけて聴いていた。ビル・フリーゼルは、過剰と浮遊のあ…

Chuck Hammer: Blind on Blind (2016) 今日のちょっといいアルバム

仕事場では、次々知らないアルバムを聴いている。深い森のなかで遊んでいる感覚で楽しい。apple musicのこと。 なかなか手が出ないアヴァンギャルドな感じのアルバムが多い。懐かしのタクマの名前から引っ張り出されたアルバム。タクマ以外はBilly Martin く…

菊地雅章: 2012年10月26日 東京文化会館小ホール

これが最後の公演なのだろうか。ネットでアルバムを調べているときに、黒いオルフェ、というタイトルでのECMからのアルバム発売予告を多数みかけた。結局、発売中止となったようだけど、これが2012年10月26日 東京文化会館小ホールの演奏らしい。 youtu.be …

Aut To Lunch (2012) ドルフィーの音が造り出す「奇妙な感覚」

年末は自宅から離れていたので、幾つかのブログを参考にしながら、ネット上の音源を聴いていた。そのなかで、とても気になったのが、コレ。2012年録音で、2015年にネット上でリリース。 欧州のMonkモノはいつも気になる。ドルフィーのアルバムであった「キリ…

Donny McCaslin: Casting For Gravity (2012) 確かに21世紀に居るんだよね

これも昨日届いたCD。ちょい聴き、の積もりで1枚聴ききってしまった。早く寝たかったのに。しまった! 菊地雅晃さんのCDも同じく、だったから寝不足。ワインを空けながら聴いた、のがイケなかったのだ。 ここ暫く、旧ソ連の麻薬のようなピアノ盤の美音に浸…

Vinicius Cantuaria: Indio de Apartamento (2012) 低い音量であっても、揺るぎない音の存在感

繰り返し低い音量でかけながら、本を読んでいる。聴き飽きない。トニーニョ・オルタを最初に聴いたときと同じ。気持ち悪くなるまで、聴きそうな予感。 ヴィニシウス・カントゥアリアと読むそうだ。アパート暮らしのインヂオ、の邦題のとおり、ブラジルの先住…

Pat Martino: We Are Together Again(2012) 40年近い歳月

このアルバムの存在を知ったのは最近。こんなマイナで、かつ重要な試みがなされる、って捨てたもんじゃないな、と思った。あのアルバムが好きな人、が居たんだ。嬉しいなあ。 米Museから出た前作We will be together again(前の記事)が1976年。ボクがジャズ…

Antonio Loureiro: So (2012) 微かな土の薫り、仄かな風の匂い

先日、はじめて手にしたアントニオ・ロウレイロのアルバムが東京のライヴ。その素晴らしさに暫く打たれていて、仕事場での再生は一番じゃないかなあ、かねてより聴きたかった音楽を突然聴かされたような驚き、を味わっている。 そんな訳で、彼の他のアルバム…

Quique Sinesi: Live in sense of quiet (2012) 秋だからか、そして、今の音楽を聴く理由

2年ばかり、意識は古レコードで聴くジャズに持って行かれていた、ので、特にアルゼンチン音楽(なんか音響派、っていうんだっけ?)を追いかけること、は全くやっていない。 秋だからか、久しぶりに、アルゼンチン音楽の新譜を手にする気になった。これも大…

(ECM2343) 児玉桃: La vallée des cloches (2012) モノトーンという色彩

北陸に移り住んでまもなく4年半になる。とても長い時間のように感じるし、また短い。最初の1年の時間の長さ、は素晴らしいもので、気持の中のギアを2段くらい落としたような感覚を覚えた。遅く、そして力強い。秒針が流れていくのではなく、明確に刻んで…

Robert Glasper: Black Radio(2012) 気持ち良い期待はずれ

グラスパーは気がついたら入手するようにしていたのだけど、まあCanvasの印象が強くて、あとはまあまあ。今回、久々に新譜のBlack Radioを手にした。人気があるようだ。