K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Antonio Loureiro: So (2012) 微かな土の薫り、仄かな風の匂い

 先日、はじめて手にしたアントニオ・ロウレイロのアルバムが東京のライヴ。その素晴らしさに暫く打たれていて、仕事場での再生は一番じゃないかなあ、かねてより聴きたかった音楽を突然聴かされたような驚き、を味わっている。

  そんな訳で、彼の他のアルバムが欲しくなって、早速の注文。事前には、彼が数多の楽器を演奏し、多重録音で作り上げたということが、なんだか気になっていて、ライヴでの良さと異質なアルバムが届くかもしれない、と思っていた。しかし、そんなことは全くの杞憂で、ライヴでの味わいと同じく、いや曲によってはライヴ以上の素晴らしい音を楽しむことができた。そんな作り方で、音の在り方が変わるようなものではなくて、ライヴも、このアルバムも彼の一貫した音世界を聴くことができて、とても強固であることを知った。

 そう微かな土の薫り、仄かな風の匂い、がトラックの端々からほとばしる。昔、ミルトンのアルバムを聴きはじめたときと同じような、ミナスの音の薫りに参ってしまう。

 気がついたら、最近はブラジル音楽ばかり聴いているような気がする。不思議なものだ。

 

追記(2016-7-20):apple music

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Antonio Loureiro: So (2012, NRT)
1. PELAS ÁGUAS (Antonio Loureiro) 水を想う
2. REZA (Antonio Loureiro)  祈り
3. CABE NA MINHA CIRANDA (Antonio Loureiro/Siba)  私のシランダ
4. LINDEZA (Antonio Loureiro)  美しさ
5. SÓ (Antonio Loureiro)  ソー
6. PARTO (Antonio Loureiro/Thiago Amud)  出産
7. PASSAGEM (Antonio Loureiro)  通路
8. ANTIDOTODESEJO (Antonio Loureiro)  欲望解毒剤
9. BOI (Antonio Loureiro/Makely Ka)  ボイ
10. LUZ DA TERRA (Antonio Loureiro)  地上の光
Antonio Loureiro (p, vo, vibrafon, rhodes, key, ds, atabaques, el-b, viola brasileira, efectors and samplers), Tatiana Parra (vo on 10), Andrés Beeuwsaert (p,vo on 10), Alexandre Andrés (fl on 2), Rafael Martini (vo on 2, 10, accordion on 5), Daniel Santiago (g on 2), Sérgio Krakowski (pandeiro on 2), Siba (vo on 3), Thiago França(sax on 3), Federico Heliodoro (el-b on 4), Santiago Segret (bandoneon on 4), Trigo Santana (b on 5), Pedro Durães (programming on 7) etc.