K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Raphael Malfliet : Noumenon (2015) ジャンルが定義不能な不思議な、そして幻想的な空間

先日のNakamaを聴いて、作曲と即興の間を揺れながら、一音一音の意味づけに渾身の力を込めて弾く奏者達、の音に昂奮した。そして、そのような奏者達の背景がfree jazzだったりimprovised musicだったりするのだけど、抑制した音数で空間を組み立てよう、とす…

大阪・梅田「ディスクユニオン大阪店」かつてのLPコーナーの近所に

かつて、阪急東商店街にLPコーナーというレコード屋があって、かなりマニアックなレコードを置いていたように思う。関西の有名店。丁寧にジャケットに被せたビニールが特長。だから、希に中古レコードでそのようなモノを見るときがある。ボクが学生の時に1…

Paul Bley with Masahiko Togashi: Echo (1999) 威嚇して終わった勝負であっても

随分前から、この録音の存在を知ったが、SACDという高分解能オーディオということなので、そもそもCDとして再生できるのか、またPCオーディオとして再生するので、コピーガードなどのややこしい処置はどうなのか、などなど気になって手が出なかった。最近に…

Atmosphere in the second decade of the 21st century (Random choice of sound sources in 2015-16)

2015年から2016年に吹き込まれた音源からテキトーに選んでリストを作った。48時間分の音源から、人が集まっている4,5時間の間、ランダム再生。 My choice of sound sources in 2015-16 including Jazz, Pops, Rock, Latin, improvised music, contemporar…

David Oistrakh, Sviatoslav Richter: Franck/ Sonata For Violin And Piano In A Major, Brahms/Sonata No.3 In D Minor (1968) メロディアの美音

昨年、札幌で入手した旧ソ連のメロディア盤。 この時代のメロディアのレコードに共通する美音。ブルーノートの圧縮されたようなイコライズと対極の、柔らかで鋭いピアノや弦の音が美しい。 その後、東欧・ロシアのsellerから気になるレコードを購入。全般的…

冬が近づくと(金沢の段丘から見える空・山並み)

冬が近づくと、夜明けは6時頃。医王山から日が昇る。雲に映る光りの階調が美しい。 気になるのは犀奥の峰。淡い光彩のなか、滲んだような影をみることができた。また、あの奥を歩きたい、と思った。 夜明け前の医王山の影 南の空、南の山並み 東の空 雲沸く…

マッキントッシュ・OSX El Capitan(10.11.6)でのレコード録音

レコードをディジタル・データ化。職場でレコードの音源を聴いたり、CDに焼いたり、使える。昔、カセット・テープに友人のレコードを録音したけど、今の時代はずっとヤヤこしい。 (1)CDはサンプリング周波数44.1 kHz, 量子化ビット数16 bitであるが、折角な…

渋谷毅: 渋やん(1982) 何時も変わらぬピアノ

何時も変わらぬピアノ、なのだ。 明日、金沢にふらっと現れ、柿木畠のライヴハウスのピアノの前に座って、勿論その前に蕎麦屋で一杯やっている訳だが、弾いた演奏が、このアルバムに収録されていてもおかしくない、ような印象がある。およそ、彼の時間という…

早川岳晴: Hayakawa(1996) 甘さや曖昧さのない

昔、昔、ドクトル梅津バンドが結構気に入って、その理由の一つがソリッドなベースの音なんだけど、それでSALTのレコード(1986)も買った。30年前の話である。 ガツガツとキツくグルーヴするベースが好みになったのは、ウルマーのバンドのアミン・アリを聴いて…

雨上がりの曖昧な空

昨夜は不思議な天候だった。暖かい風が強く吹き、路面には多くはない落葉が走り回っていた。なにか良からぬもの、見えてはいけないものが見えたような、嫌な感じ、がした。 今朝は雨交じり曇り空、だったのだけど、夜明けの後、次第にあがり、曖昧な空になっ…

Nakama: Grand Line (2016) レコード聴きの快楽、そのもの

昨日の「もっきりや」でのライヴの買い物。最近は記念品代わりに買っているのだけど、そんないい加減な動機をふっとばすアルバム。素晴らしい。 僅かな音を使って、音響的な空間を精緻に組み立てていく、そんな作業の過程を見ているような気がする。そして社…

Nakama (from Norway) @もっきりや:まだ見えぬ先を指向する奏者達

誤解を招くかも知れない、のだけど、演奏そのものの面白さ、よりも演奏で指向していることの面白さ、を強く感じた夜だった。 最近、強く感じ、そして面白がって聴いているのは、新しい世代の奏者達が作る音空間。明らかに、単なるグルーヴや、単なる即興や、…

Nakama (from Norway) at Mokkiriya, Kanazawa: Short message to Nakama players

To Nakama players: I appreciate all of you for incredible sounds. I still am with your beautiful sounds by vinyl records as above ! I have strong intension on the post-improvised music or post-free jazz as one listener. At present time, we…

梅津和時:Do-Guwaw (1984) 「奇妙な味わい」の彼らなりの答え

1980年(ああ36年前!)、FM東京製作の「ゴールデン・ライブステージ」というライヴ番組でドイツのドナウエッシンゲン音楽祭での梅津和時と原田依幸のデュオを取り上げた。司会は本多俊之の父、俊夫、ジャズ評論家(懐かしい職種!)。 第二期山下洋輔に痺れ…

富樫雅彦: かなたからの声 (1976) 音空間の伸び縮み

一昨日に引き続き、ECMを聴こうと思ったが、どうもArild Andersonのアルバムがピンとこなくて、最近入手したレコードを聴くことに。富樫雅彦の1976年のアルバム。 ボクは1970年代末に街のレコード屋で富樫のアルバム、コロンビア盤とかキング盤を入手した。…

(ECM1081) Art Lande: Rubisa Patrol (1976) ありもしない国の民族音楽のような

アート・ランデのECM2作目。今回、聴き直すと、案外、ランデのピアノが奥に引き気味で、マーク・イスハムのトランペット、・ダグラスのベース/フルートが前面に出ていることに気がついた。作曲もマーク・イスハムとシェア。かつてのPMGに近い雰囲気を感じる…

音場のひずみ、のようなもの

音場のひずみ、のようなもの、が見えたような気、がした朝

10月21日・黎明の頃

黎明の頃に目覚めた、といっても6時前。転げるように冬に向かっていく感触、が溜まらなく好きだ。根拠のない、喪失感のような。 様々な光りのスペクトルが忙しく交叉する東の空も美しいが、東からの光りの尻尾が切れかかって、鬱屈したような暗さを秘めた南…

(ECM1080) John Abercrombie, Ralph Towner: Sargasso Sea (1976) 40年前には

ジョン・アバークロンビーとラルフ・タウナーのデュオSargasso Sea。印画紙のようなつるっとしたジャケットの感触が懐かしい70年代のECMのアルバム。北欧のスタジオで繰り広げられた透明度の高い、そしてひんやりとした大気のなかでの対話が濃密に広がる。

Kris Davis: Duopoly (2015) 今この瞬間、ニューヨークでの、デュオという対話

今この瞬間、ニューヨークでの、デュオという対話、が79分収録されている。アヴァンギャルドだとか、伝統だとか、そんな陳腐な議論を寄せ付けない、今を生きる奏者達の会話。世代も広く幅がある。あの街での奏者達について、ある時間の断面を切り取ったよう…

Peter Evans: Lifeblood (2014-16 ) 音響的な凄み、秘めたる韻律

バンコクから帰ってきて、早速ダウンロード。$15である。 先日、yorosz氏のツイートで気がつき、bandcampで試聴して、驚いた。 Peter Evansの待望のトランペットソロでのアルバムくっっっそヤバい……!トランペットソロ数えるほどしか聴いたことない自分が言…

バンコク・スクムヴィットSoi 23「Puangkaew」手頃なタイ料理

備忘の記録。以前から良く行っているWanakarmの近所。Wanakarmやキャベジ&コンドームと比べ、安い。味は同等じゃないかなあ、と思う。値段は感覚的には6割くらいか。上記の店で、腹一杯食べて、ビールを呑んでTHB800〜900だけど、ここではTHB500くらいです…

購入音源について(apple music, bandcamp, LPレコード)

最近感じることは、CDという物理媒体の滅亡への足音。容量の少なさ、から既にPC系のメディアからは姿を消していて、DVD、更にはメモリへと変貌している。多くの音楽用装置がCD対応なので残っているが、ネットへの接続性についての改善がある段階まで進めば、…

Peter Evans: Zebulon (2012) 断絶と連続の接続点

実はバンコクで仕事をしている。ときおり温い大気を泳ぐように楽しみ、あとは何処にも行かずに音楽を聴きながら仕事をしている。こんなときapple musicは重宝している。 ピーター・エヴァンスははじめて聴く。名前は聴いていたのだが、機会はなかった。tweet…

国王の逝去の前から(スクムヴィットの屋台撤去)

ハノイでバンコクの様子を調べていたら、以下のようなtweetが。 スクンビットだけじゃない!10月3日にバンコク都内計5カ所の屋台街が撤去されていた警察の見張りが張り巡らされている中でも、娼婦たちの姿が消えることはなかった。“モノ”を売るのは禁止で…

静けさのなかでの平常通りのバンコク(酒食の様子)

昨日午前は仕事で打ち合わせ。女性参加者が黒服であった以外は、いつも通り。都心を貫くBTSの車内は相変わらず混んでいたが、都心の人通りはやや少ない。 心配なのは酒食。バンコク滞在の楽しみはコレに尽きる。選挙や王室メンバーの葬送では禁酒になること…

歴史的な転換点のタイへ(国王崩御直後のバンコク)

ハノイの後、バンコクへ。様々な国事の際、禁酒令が出る国なので、不謹慎ながらアルコール抜きをまず考えた。結論からいうと、バンコク市内は平穏で、BTS車内で黒い服装が目立つ程度。 またスクムヴィットでは大音量でのライヴカフェは音を出していないが、…

ハノイ・旧市街での夜

かなり疲れて出国したので、ハノイ到着後は部屋で休んで、夕暮れ時から出かけた。ハノイの旧市街の雰囲気は、上海の裏通りの猥雑さとホーチミンの南国的緩さ、を合わせたような感じ。ただバンコク的な妖しい雰囲気はなくて、そのあたりは未だ共産党主導の清…

ハノイでの食事「Pho Ngon 37」フォーばかりだけど

今回もハノイ滞在は24時間とちょっと。2日目はしっかり仕事なので、滞在の実感はあまりない。それでも旧市街の喧噪は楽しめた、ような気がする。 今回、一番美味しかったのは、前回と同じ「Indochina plaza」にあるカジュアルなヴェトナム料理屋「Pho Ngon …

印度支那へやってきた

東京から5時間のフライト。済州島の南から浙江省へ。福建省の裏から広東省を抜けてハノイへ。漢字で河内と書く。紅河デルタの街、だからだろう。ここがかつて、中国文化圏であったことを思い出した。 そんな京族の地に、仏領印度支那の媚薬を塗した街、にや…