黎明の頃に目覚めた、といっても6時前。転げるように冬に向かっていく感触、が溜まらなく好きだ。根拠のない、喪失感のような。
様々な光りのスペクトルが忙しく交叉する東の空も美しいが、東からの光りの尻尾が切れかかって、鬱屈したような暗さを秘めた南の空も蠱惑的だ。その中に佇む犀奥の峰を眺めていると、その谷底を独り歩いていた記憶が幻灯のように流れていく。その甘さ、を味わっている、朝。
黎明の頃に目覚めた、といっても6時前。転げるように冬に向かっていく感触、が溜まらなく好きだ。根拠のない、喪失感のような。
様々な光りのスペクトルが忙しく交叉する東の空も美しいが、東からの光りの尻尾が切れかかって、鬱屈したような暗さを秘めた南の空も蠱惑的だ。その中に佇む犀奥の峰を眺めていると、その谷底を独り歩いていた記憶が幻灯のように流れていく。その甘さ、を味わっている、朝。