K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2018

坂本龍一: CODA Collector's Edition with PERFORMANCE IN NEW YORK: async (2018) 映像がさらにsyncして快楽を増感する

坂本龍一の音、はボクにとっての好き嫌いが極端に出てくる音楽家であり、手放しで良い、とは勿論思っていない。初期の電子音は奇矯な音が耳障り。渡辺香津美のKILYNや初期のYMOなんかでも、そのように感じる。一方、NEO GEOはとても好み。要は異種間音楽の接…

石橋英子, Darin Gray: Ichida (2018) ベースの音の感触

石橋英子(p, org, fl, electronics), Darin Gray(b, Performer [Mouthpieces, Preparations], electronics) Mastered & cut at D&M, Berlin, Feb 2018.

Sam Wilkes: Live on the green (2018) 今年のひとつめ

racks 1-5, and 8 Recorded live at the Highland Park Ebell Club on 11/15/2018 Sam Gendel(as), Sam Wilkes(b), Jacob Mann(synth), Christian Euman(ds), Brian Green, Adam Ratner(g) Track 6 Recorded at Nest Recorders etc. Sam Gendel(as), Sam Wil…

中島仁: pioggia (2018) ありそうでないアルバムが出来上がっている

中島仁(b), 望月慎一郎(p), 橋本学(ds) Guest Musicians 赤松敏弘(vib on 3,4,8),市原ひかり(tp,flh on 4,7)

Archie Shepp, Jason Moran: Let My People Go (2017-18) ところがどっこい

Archie Shepp(ts,ss,vo), Jason Moran(p) Recorded on September 12th 2017 at La Philharmonie de Paris, during Jazz à la Villette Festival, on November 9th 2018 at the Alte Feuerwache Mannheim, during Enjoy Jazz Festival.

沖至: Last message with Masahiko Sato(2018) 雑感

沖至(tp, indian flute), 佐藤允彦(p) 2018年10月7日 公園通りクラシックス

石橋英子: The Dream My Bones Dream (2018) レコードで聴く意味は何だろう

石橋英子, アイヴィン・ロンニング, 須藤俊明, ジム・オルーク、ジョー・タリア, 波多野敦子, 山本達久, 李犁

坂田明: BONJINTAN(凡人譚)/ Dental Kafka(2018) 聴くべし

Akira Sakata(as, cl, voice), Jim O’Rourke(b), Giovanni Di Domenico(p, hohner pianet), Tatsuhisa Yamamoto(ds) Recorded at Hoshi to Niji studio on 30th June 2018

(ECM2615) Joe Lovano: Trio Tapestry (2018) ECM+ロヴァーノって、こんな感じで

Joe Lovano,(ts, perc), Marilyn Crispell(p), Carmen Castaldi(ds, perc) Recorded March 2018 at Sear Sound, New York Mixing: July 2018 at Studios La Buissonne

Mario Pavone: Philosophy (2018) 2020年代のピアノ・トリオの進化、のようなもの

Mario Pavone(b), Matt Mitchell (p), Tyshawn Sorey(ds) Recorded on August 18, 2018.

Damon Locks - Black Monument Ensemble: Where Future Unfolds (2018) 凄すぎるInternational Anthem

Damon Locks (elect, bells, voice), Angel Bat Dawid (cl), Dana Hall (ds, perc), Arif Smith (perc).

(ECM2644) Vijay Iyer, Craig Taborn: The Transitory Poems

ジャズ的な匂いは薄いのだけど、しかしジャズ以外の何者でもない、そこが面白いアルバム

Antonio Loureiro: Livre

レコードで聴き直しただけなのだけど

Chris Pitsiokos - CP Unit: Riding Photon Time

これ凄いジャズアルバム、じゃないか

R+R=NOW: Collagically Speaking

何を今更の感なきにしもあらずだが、最近になって聴き出している。グラスパが今のジャズの切っ先、と云われると何だか「あ、はい」的な違和感があるのだけど、ポップな大衆音楽だと思えば最高品質、じゃないかと思う。すこぶる気持ちよい。

Julian Lage: Love Hurts

このアルバムを聴いて、更に変態を遂げた内容に驚いた。音響的な透明感だけでなく、軽いディストーションが凄く良い味わいを出しているときもあるし、オーネットの曲やキース・ジャレットの曲(かつてメセニーがカヴァーした曲で、そもそもキースがオーネッ…

ZEK TRIO (清水くるみ - 米木康志 - 本田珠也): ZEK! Ⅱ

このバンドの面白さは、融通無碍、時々刻々とビートが変態していき、もう何が何だか分からないうちに熱狂の渦、というところか。キメの派手さや、打音の鋭さ以上に、触発し合いながらビートが細かく揺れていくことが、実に強い快感を与えている。だからFree…

Aki Takase Japanic: Thema Prima

Aki Takase Japanic: Thema Prima (2018, Budapest Music Center Records)1. Traffic Jam (Aki Takase) 6:022. Thema Prima (Aki Takase) 6:053. A Goldfish in Space (Daniel Erdmann) 1:294. Mannen i tårnet (Dag Magnus Narvesen) 4:155. Wüstenschiff (…

Ben Monder: Day After Day

前日のSam Riversとともに、bandcampで購入したアルバム。昨年、マリア・シュナイダー・オーケストラで生モンダーを聴いて、今まで以上に好みの音であることを知った。一音で空間を作って、不穏な雰囲気を流し出す感じが好きだ。昔の過激なフリーゼルの音響…

Orrin Evans And The Captain Black Big Band: Presence (2018) 1970年代の熱気、のようなものが

これ、たまたま聴いてみたのだけど、かなり良い。何が良いか、好きな1970年代ジャズ(ウッディ・ショウが好きだなあ、とかロイ・ブルックもいいなあの感じね)の空気が金管の編曲に詰まっていて楽しい。で、それでいてオリン・エヴァンスのピアノは、今風の…

鳴らした場合(加藤一平, Yuki Kaneko, 村田直哉): ふつえぬ (2018) これライヴで聴かんといかんよねえ

油断ならないアルバムだ。ややノスタルジイを纏ったギターが穏やかに緩やかに旋律を奏でる.そこに電気的なノイズっぽい音がelectronicsやturntableにより重畳され、時間とか秩序のようなものが整然とゆっくり狂いはじめる。そんな2つのstreamが並立している…

角銅真実: Ya Chaika(2018) 耳元で囁きかけているようで

今日の夜明けはこれ。石若駿のアルバムで気になった声。 元来、日本の唄(あるいは唄い手)は苦手。歌詞のメッセージ性に感情が引っ張られるから。でも例外はあって、矢野顕子、浅川マキ、元ちとせは大丈夫だった。最近だったら、石橋英子、小田朋美。歌詞の…

Joni 75: A Joni Mitchell Birthday Celebration(2018) 過ぎた時間を慈しむ

ジョニ・ミッチェルの名前を知ったのは1979年。買いはじめたSJ誌にジョニ・ミッチェルの新譜「Mingus」のクロス・レビューが載っていたのだ。その中に日本のジャズ奏者が居て酷評していたことが記憶に残っている。永く金井英人の論評と記憶していたが間違い…

蓮見令麻: Abiding Dawn (2018-19) 超ジャンル的で浮遊する音の芯

寝ていると、身体的には疲れることはないので、眠りが不確かな感覚になる。3時間ほど眠って、2時間ほど覚めて、また3時間くらい寝る。覚めている時間は本を読んでいる。そして眠気が蘇るまで低い音で音楽を聴く。ゆっくりとフェードアウトしていく意識と…

廣木光一、渋谷毅: Águas De Maio 五月の雨(2018) 柔らかく、ほのかに暖かな世界

昨年の発表当初から欲しかったアルバム。愚図愚図しているうちに今になった。詳しくは、廣木光一サイトに述べられている。また購入もこちらから: 予想に違わないボッサ・ノヴァ風日本のジャズ味が薄くついたような印象のアルバム。そう思って上記サイトの廣…

The Necks: Body (2018) やはりミニマルな感じで

何となくのライヒ続きだったので、やはりミニマルな感じでThe Necks。これは去年のアルバム。 ライヒのドラミングと比べ、音の密度が高く、音の塊でビートを反復している。しかし、耳の解像度をを少し上げると、ギターやキーボードが薄くトーンを出していて…

加藤訓子: Steve Reich/Drumming (2018) 中毒性が強いなあ

昨年のCD。すぐ欲しかったのだけど、はじめは高価なので、少し時期をおいて入手。以前のライヒ集があまりにツボだった。あのメセニーとのElectric counterpointを打楽器ヴァージョンで編曲・演奏するのだから。 今度はドラミングを単独で。多重録音でアンサ…

John Escreet: Learn to Live (2018) 期待先行で聴いた分......

ジョン・エスクリートが面白いなあ、と思うのは、Jazz, Improvised music, Fusionというような垣根が消失し、そのようなcategoryでidentifyされるのでなく、そのような「音の要素」を統合し、彼以外の何物でも無い音、と感じさせるところだ。 そのなかのアヴ…

関根真理 : Beginning (2018) 確かに「ナナ・ヴァスコンセロスmeets高田みどり」だが

原田さんのディスク紹介tweetで、ambient的な音が面白いことが多い。蠱惑の玉手箱のようなものなので、手が出やすい。 数え切れない(数えていないだけ)くらい、アルバムを入手した。今度は、 【本日の3枚】2019.1.10◎ pic.1: Brian Eno [ Ambient 1 (Musi…

小田朋美: グッバイブルー(2018) 日本語の歌詞の曲は苦手感が強かったのだけど

長い間、幾つかの例外を除いて、ヴォーカル、トロンボーン、バリトンサックスのアルバムは苦手だった。最近は例外が増えすぎて、どうもそうではなくなったようだ。日本語の歌詞の曲は、言葉の力が強いため、特に苦手感が強かったのだけど、それも無くなって…