K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Julian Lage: Love Hurts

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Julian Lage: Love Hurts (2018, Mack Avenue)
1. In Heaven (David Lynch, Peter Ivers) 4:35
2. Tomorrow Is The Question (Ornette Coleman) 3:37
3. The Windup (Keith Jarrett) 4:04
4. Love Hurts (Boudleaux Bryant) 4:46
5. In Circles (Julian Lage) 4:31
6. Encore (A) (Keith Jarrett) 4:45
7. Lullaby (Julian Lage) 3:46
8. Trudgin' (Jimmy Giuffre) 3:58
9. I'm Getting Sentimental Over You (George Bassman, Ned Washington) 4:07
10. Crying (Joe Melson, Roy Orbison) 5:34
Julian Lage(g), Jorge Roeder(b), Dave King(ds)
Recorded by Mark Greenberg, Tom Schick
Mixed by Tom Schick
Mastered by Chris Muth, Gavin Lurssen
Executive Producer: Gretchen Valade
Producer: Julian Lage
Recorded at: The Loft - Chicago, IL. September 2-3, 2018.

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いつ頃の作品だったか、ハーシュのピアノとのデュオとか、ブルース・ギターとのデュオを連続して発表したとき、はじめて少し気になるギター奏者になった。音の強度は強くないが、音響的な透明感のようなものに惹かれた、ように思う。

それ以前の作品も入手したが、ただ綺麗な音のギターを弾く奏者、そんな印象の範疇でがっかりした記憶がある。

成長途上の若い奏者なのだ。

このアルバムを聴いて、更に変態を遂げた内容に驚いた。音響的な透明感だけでなく、軽いディストーションが凄く良い味わいを出しているときもあるし、オーネットの曲やキース・ジャレットの曲(かつてメセニーがカヴァーした曲で、そもそもキースがオーネットの影響を隠さなかった時期の曲)の奇妙な味わいを実に軽やかに表現している。

そのような音楽の厚み、のようなものをじっくり楽しむことが出来た。そうなってくると、もう少し近年の作品をちゃんと聴かなきゃ、って気になってきた。

追記1:少しwebをみていると、ドラムのデイヴ・キングはThe Bad Plusのメンバーと知った。なるほど面白いなあ。音の味の変化、に大きく寄与しているなあ。

追記2:参考までにオーネットとキースの原曲を。聴いてみると、キースの曲は案外忠実に「曲の空気」をカヴァーしているように思う。だから美味しい。何となくパット・メセニーのQuestion and answerと似た感じではあるのだけど、ビートの感じはこのアルバムの方がオーネット、キース(1970年代の)の先にあるような感じで、もっと面白いように感じた。

 

Love Hurts -Digi-

Love Hurts -Digi-