2012-01-01から1年間の記事一覧
昨日、レコード市で入手したのは End For The Beginning (1973)。二管をフロントとしたライヴ盤。富樫雅彦のSong for myselfのような世界観。日本のジャズとしか云い得ない音が、ポール・ブレイのような冷ややかな音色で綴られている。熱狂からは遠い、眼に…
ボクは全く気にならないのだけど、北陸の冬が嫌だ、というヒトはまわりに多い。非北陸のヒトが多い仕事場なので。11月に入ると雷鳴が響き、幕布が落ちたように天と地のあいだが遮られる。それから数ヶ月、モノクロームの風景が広がる。朝は淡く白く煙ったよ…
昨年3月に犀川南の寺町台地から、犀川北岸の河岸段丘、二段ある段丘の一段めに引っ越した。随分長い間、市街地近くで白山が見える場所を探したような気がする。結局、中心地から犀川沿いに競り上がる河岸段丘の崖に立つ集合住宅に移った。 この地から見る白…
頑強に計画された音楽だ。その強度は音のrecursive algorithmへの偏執的な拘りからやってくる。何ら情緒的な訴求を伴わない波動の循環は結局のところ、極く低音の揺らぎの心地よさだけを残していく。 どんな精密な電子機器であっても、その励振周期が微妙に…
12月に入ってイソガシイ。特に気分が。だから文章を書くキモチの余裕を何処かに落っことしたままになっていた。 それに買ってきたLPレコードに針を落とすことに躍起になっていて、山積みになっていたレコードも随分減ってきた。衝動買いのような集め方だか…
日曜日の夕刻にディスクユニオンからLPレコードが届いた。およそ80枚。たまたま横浜店のバーゲンとあたり、随分と買い込んだ。溢れるように聴きたいものがある状況なので、空き時間はひたすら聴いている。 入手したパット・マルティーノのLive!を何回聴いた…
34年前にジャズを聴きはじめた。そのころのジャズスターはハービー・ハンコック、チック・コリアであり、キース・ジャレットでありウェザー・リポート。既にキャリアが10〜20年級のスター。そんな時分、同世代の新人、それもフランスのピアニストが脚光を浴…
MRT古亭駅の近く、古い日本家屋を使ったなかなかの風情の料理屋。接客の店員の醸し出す空気は台湾そのもの。ゆったりと優しい。食べる前からまったりしてしまった。 客家は漢民族の一つ。戦国時代の中原(洛陽あたりの中心地)に源があり、戦乱で追い出され…
北回帰線の南は熱帯だそうだ。台湾の南部を北回帰線が貫いており、高雄はその南。熱帯にやって来たことになる。ことになる、と意識して書くのは肌寒い気温のため。バンコクと同じ調子で半袖ばかり持参したので、体を冷やしてしまった。勿論、日本の冬とは比…
嘉義は北回帰線の上にあるそうだ。亜熱帯と熱帯の境界
やっぱり台湾はいいなあ、と思う。記憶にも残らない、生まれたばかりで別れてしまった兄弟のような国。顔も名前も分からないし、言葉さえも通じないのだけど、薄い膜の向こうにいるような肉親のような感覚。 とりわけ若い世代を見る程、そのような感覚が沸き…
夏の出張で四日市に出かけて、街角の中古レコード屋で何枚か買ったことを契機に、近所の若きS君の音源に煽られて(彼が煽るのではなく、音源がね)、LPレコード熱が高まったまま。70年代から80年代の音盤、つまり買い漏らしたものを再び気にしている日々。概…
ガージェリーと云うビールのようだ。新潟県で作られている飲食店向けのみのビール(Kさん 情報ありがとう)。割と黒ビールは好きなのだけど、甘い感じのものは好きじゃない。 御茶の水でLPレコードを沢山掴んだ後、暫しホテルで仕事。夜半前に喉が乾いたので…
この1週間余、とても仕事が込み合っていた。ブログも放置状態だった。今週後半から来週にかけて仕事で出かける予定を詰め込んだので大変。それに呑む話も多い時候。(コメントを放置して失礼しました) ここ数日は関東で用事があるので、昨夜はお茶の水。勿…
30年以上前にはじめて聴いたジャズはピアノが中心。ギターを聴きはじめたのは1年くらい後。大学の同級生だけど、教室では見かけないM君からジム・ホールのベルリンを借りてから。彼は授業には出ないのだけど、我が大学が誇る軽音楽部のギタリスト。ギター…
音が、時間と、そのときの空間の肌触りと、そして裏側から皮膚に貼りついたような内面の焦げ具合の栞となることがある。 あれは20年近く前。仕事に熱中している時分。涌き上がる力に自惚れていた頃のこと。 明け方に何かを書いていた。多分、論文か何か。集…
先週の土曜日にオヨヨ書林で求めた古書。澁澤龍彦の名前って、子供の頃の裁判沙汰もあって、なんとなくエロのイメエジがある。高丘親王航海記は随分前に読んだのだけど、その他はつい最近。トシをとってきて実感してきたことは、死と生の間には相応の距離感…
レコード棚を整理したいので、集めてある未整理レコードをちゃんとしたかった。そんな訳でスミマセン、これは備忘録。最近の趣味が分かって頂けるかと存じますが..
要は備忘を書いているだけ。混ぜちゃうと、聴かなきゃいけないレコードが分からなくなるから。CDはiTunesで追加日を管理できるけど。LPはできないからね。
驚いた。新譜じゃないのだけど、今年手にしたCDのなかで抜きん出た1枚ではなかろうか。圧倒的な音の存在感、美しいという言葉では語り尽くせない美しさ。内的な官能性がとても高く、気持ちの奥底から揺さぶられ、音が終わった後、自らの周囲がまったくの空…
最近は古いLPレコードに熱を上げているのだけど、新しい録音も最低限の目配りをしている(積り)。 先日、マルティーノの新譜を見つけてあわてて買ったのがコレ。到着前に工藤氏のブログを見て愕然。古いプライヴェート録音で音質も今ひとつ。あれまあ。 そ…
長雨の後、土曜の宵時分にようやく上がった。少し体を動かす代わりに自転車で用事を片付けついでに、泉野の隘路をぐるぐると走った。そして櫻坂を下りようか、蛤坂を下りようか、少し考えたのだけど、旧い往還の空気を感じたかったので、鶴来街道を上って蛤…
11/4の別山登山は紅葉の森の中を歩くことからはじまって、そして上部は積雪のなかを歩いた。チブリ尾根避難小屋まで下降して14:30。もう陽が傾き、赤味を帯び始めていた。天候は1日中良好で、チブリ尾根下部の広葉樹林は残照のなかにあった。またとない機会…
この間まで夏だったのだけど、秋を味わった感触も薄く、唐突に冬への坂路を転げている。この2週間、天候は不安定で雨、雷、霰が波状にやってくる。そんな荒天続きの合間、11/4終日、ウソのように晴れ渡った。その僅かな隙間を狙って、積雪期を前に、今年最…
ひょんなことからオークションを覗いてしまった。なかなか入手し辛いLPレコードが沢山あるではないか。 という軽い熱狂にはまってしまった1週間。何たることだ。やれやれ。 そんな訳で昨日届いたLPレコード。1970年代の日本のジャズを中心。深みに落ちてい…
明るい月夜だったのに、夜半過ぎから雷が鳴りだした。暗い部屋でレコードをターンテーブルに載せたまま眠ってしまった。カツっというかすれたような衝突音の繰り返しで眼が覚めた。レコードのレーベルの端をなぞり続けていた。とても寒かった。レコード針を…
昨夜呑んでいたら、この急激な斜陽感はなんだろう、まずいねって話題。静かな月夜にしんみりとしてしまった。しんみりしたあとに、したたか酔ってしまったのだけど。 嵐の朝、雷鳴のなかで聴いていたのは、30年前の明るいコーラス。当時、NHK-FMのセッション…
21世紀に変わった暫く後、仕事で台湾の新竹に出かけた。世界最大の半導体生産拠点。その頃、既に多くの米国半導体会社は自社生産の打ち切り、台湾への生産委託を発表していた。その関係で台湾の半導体生産の調査に出かけたのだ。最近になって、多くの日系半…
業は深い。随分長い間、通電されていなかった音響装置も、日々紡ぐ音が柔らかくなるとともに、LPレコード蒐集癖が熱くなってきた。なんとなく価格帯が合わないと思って、出入りしていなかった金沢のレコード屋に出かけてみた。近江町市場近くの「レコードジ…
10月のはじめに出かけたインドでの写真。 ボクは空調の利いたマイクロ・バスのなかから、過剰という言葉そのものの街中を眺めていた。最新の乗用車から馬車、牛車まで走る。掘っ立て小屋から高層ビル。螺旋状にセリ上がっていく時間が物体として陳列している…