K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2013

Dawn Of Midi: Dysnomia (2013)  とにかく音場の仕上がりが良い

Dawn Of Midi: Dysnomia (2013, Thirsty Ear)A1. Io (Aakaash Israni) 6:03A2. Sinope (Aakaash Israni) 6:53B1. Atlas (Aakaash Israni) 6:37B2. Nix (Aakaash Israni) 3:39C1. Moon (Amino Belyamani) 5:04C2. Ymir (Aakaash Israni) 4:27D1. Ijiraq (Amin…

菊地雅章: Hanamichi (2013) レコードの音、彼の音、のようでない不思議な感覚、は変わらないが

菊地雅章(p) Engineer: Rick Kwan Mastering: Alex Bonney Producer: Sun Chung Recorded December 2013 at Klavierhaus, New York

(ECM2342) Myung Whun Chung: Piano

既知・既体験の音から未知の音響体験を感じる

磯端伸一: Existence

磯端伸一: Existence (2013, 時弦プロダクション)1. 鏡の子供… a child in mirror 3.092. 斑猫… tiger beetle 1:41 3. duo untitled 1 2:144. 夕立… shower 2:345. 鰍… "kajika" japanese fluvial sculpin 1:396. 晩夏… late summer 1:59 7. duo untitled 2 …

Alexander von Schlippenbach: Features (2013) 何となく苦手感があったが

シュリッペンバッハって何となく(本当に何となく)苦手感があって、35年前にグローブユニティが合わなかったんだと思う、その後は聴いていなかった。 先日、1965年のギュンター・ハンペルのレコードでのピアノが美しく、素晴らしいジャズピアニストなんだな…

(ECM2385) Glauco Venier: Miniatures (2013) 打楽器が醸し出す空気感

このような強くmanageされたような「沈黙の次に...」には随分飽きがきていて、ECMはもういいかな、の感覚が強くなっていた筈だ。だから1970年代を思い出させるような最近の意欲作に驚いているのだ。 しかし、このアルバムはあざとい程のECMイメージの中に…

blacksheep: ∞ -メビウス- (2013) やや奇妙な味わいがおいしい

まちがいなく、過去のボクが手を出さないアルバム。バリトンとトロンボーンだもんね。バリトンはジョン・サーマンのみ。トロンボーンはなし。いや、ジョージ・ルイスくらいかなあ。両方とも、概してキレの悪さが気になる楽器。 で、吉田隆一については、「あ…

Peter Evans: Destination : Void (2013) SF的な廃墟、のような空間に響く

今年は春先にEvan Parkerを聴いてから、Free Musicへの脳内回廊が開き、思わぬ年になった。今年になって、はじめて聴いた奏者も実に多いのだけど、そのなかでピーター・エヴァンスは「スタイル」的にはFree JazzとかImprovised musicよりも、伝統的なジャズ…

Aaron Parks: Alive in Japan (2013) 奏者が提供する無料の音源

すでにご存じの方が多いかも知れないが、アーロン・パークスの水戸公演の音源(非圧縮、AIFF)がネットで公開されている。ツアーを通じ、彼が思うような演奏が出来て、嬉しかったようだ。 スマートフォンで録音し、低音を強調する処理を加えたような、まさに…

チョビ渋(2013) 札幌の子供バンドというには

渋さ知らズの不破大輔氏指導の子供バンドの録音。小学生から高校生、がメンバー。そんなことが頭をよぎるのは、コーラスの声ぐらい。曲作り、ソロ、その全てに渡って「渋さ知らズ」的な「変な感じ」が満載で、聴き手を引きずり込む力を持っている。ダンドリ…

蓮見令麻: Utazata (2013) 浮遊の形そしてimprovisation

NY在住のピアニスト。ディスクユニオンのJazz TokyoのサイトでNYのジャズ事情をレポートを掲載中。でも、あのサイトの字が小さく、読み辛いので読んでいない。だから、どのような視点の、どのような演奏をするのか、全く予備知識なし。白紙、で聴いた。彼女…

Mark Guiliana: A Form of Truth (2013) ジャズ的なものからの軽妙な遠心力

マーク・ジュリアナのドラム、はメルドウとのデュオでその素晴らしさ、に魅惑され、同時期に発売されたアルバム2つ、Beat musicとMy Life Starts Nowでヤラれてしまった。そのときは、彼のビートに凄み、なんていうか機械のような正確さと、そこから突き放…

(ECM2421) Ben Monder: Amorphae (2010, 2013) 浮遊なんてもんじゃなくて

ビル・フリーゼルに通じる浮遊、まで書いて、そうではなくて、と思った。 厚い雲が覆うような憂鬱な光景、そして、遠くに見える弱い光、そんなモノートーンの心象を、ギター一本で描き出す描写力に驚いた。 そして、ディストーションを効かせたギターの音が…

Ben Monder: Hydra (2013) 音の大海のなかで見つけた音

最近、仕事場で聴く音楽はapple musicから拾っていることが多い。気がつくと、音の大海のなかで浮遊している事実に驚いてしまう。 ダウンロードという、メディアが不要であるが、仮想的なメディアの伝送の電子化、ではなくて、音の海で泳ぐようなパラダイム…

John Escreet: Sabotage and Celebration (2013) ボクのスイング・バイ

John Escreet (p), David Binney (as, ss), Chris Potter(ts), Matt Brewer(b), Jim Black(ds)

辛島文雄: Karashima ジャズに生きる(2013-14)

辛島文雄さんが病気療養中だそうだ。彼を応援するためのCDが制作されている(ここのサイトに記事が出ている)。 もっきりやの平賀さん経由で入手。早速聴いているが、素晴らしい内容。2013年から2014年のピットインでのライヴ録音。 多分、ボクから上の世代…

Chassol: Indiamore (2013) インドへの、視点

水曜日にCDが届いた。シャソールの追加2枚。 先日聴いたBig sunから、時間的に遡る聴き方となるが次はIndiamore(2013)。CDのケースのなかに入っていたヴィデオのDL情報をもとに.movファイルをダウンロードし、映像とあわせて見る。 Big Sunはマルチニクの映…

Thundercat: Apocalypse (2013) スタンリー・クラークの記事から

最近、Mikikiというサイトで、原雅明さんのスタンリー・クラークに関する記事を見かけた。流し読みでも、面白かったので、ちゃんと読もうと思って数日。ボクはスタンリー・クラークは結構好きで(好きだった)、I wanna play for you(だったか、2枚組ライヴ…

(ECM2381) Jakob Bro: Gefion (2013) 浮遊というジャンル・不安への強いノスタルジイ

最近はとても仕事での出張が多く、金沢に居る時間は友人と逢ったり、外に飛び出したりで、ゆっくりと音楽を聴いていない。その代わりに、移動時間を使って、本は読んでいるのだけど。そうであっても、古いレコードや最近のCDも結構マメに買っているのだけど…

Snarky Puppy: Family Dinner (2013) フェニックスの夜

今週のフェニックスは同業者の集まりで大盛況だった。普段、日本では会えない知人とか、前職で仕事を一緒にした米人とか、懐かしい。 10年以上前に東海岸の大会社と組んだプロジェクトはITバブルの崩壊で何も生まず雲散霧消。作ったチップが使えなかったこと…

(ECM2377) Sinikka Langeland: The Half-Finished Heaven (2013) 4月のもっきりや

4月9日 金沢・もっきりや「北欧伝統楽器カンテレと歌 「フィン族の森」より= = = 動物たちとの不思議な出会い」

Olivier Boge: The World Begins Today (2013) 今時のジャズ

今時のジャズなんだろうな、と思って聴いている。ブログには上げていないのだけど、一時、クルマのなかではジョウシャ・レッドマンのJames Farmばかり聴いていた時期があるのだけど、同じような空気感をたたえている。瑞々しく、美しく、それでいて抑制的に…

Antonio Loureiro: In Tokyo (2013) 時間や空間を越えて

時間や空間を越えて、なにやら複雑な感情が沸いてきた。暫く、それが何時から来るのか、何処から来るのか、驚きながら考えていた。このアルバムを馬車道で手に取って、はじめて聴いたのに、である。メーマリのアルバムと一緒に連れて帰ったのだけど、それと…

The Internet: Feel Good (2013) 忙しいからメロウに仕事を

毎回、忙しい、と書いているような気がするが忙しいから仕方がない。でも、忙しいからメロウに仕事をしたい気分(なんだそりゃ)。 昨日は、前職の友人が金沢に転勤するとかで、遅い時間から 穆然に出かけて一献。友人のリクエストでHeavy Weatherを聴いたり…

Babooshki: Vesna (2013) 今年最後のオト

昨夜遅く、twitterを眺めていて、オラシオ氏(ポーランドジャズライター)の呟きで知ったアルバム。ポーランドからウクライナの音楽を素材にとった女性二人のヴォーカル主体のグループ。オラシオ氏のページ どうもCDはamazonなどでは入手できなくて、amazon…

Brad Mehldau, Mark Guiliana: Hungary ghost (2013) 打楽器のパルスが繰り出す細動の昂奮

SNSがいいなあ、と思うのはレコード会社や奏者の情報が楽に入手できること。いつだったかNonesuchのfacebookのページを見ていて、来年2月、Brad Mehldauの新作が出ることを知った。Nonesuchのページは以下: Nonesuch Releases "Mehliana: Taming the Dragon…

Derrick Hodge: Live Today (2013) 熱くないグルーヴ感もまた

熱くないグルーヴ感もまた、良いものだと思った。これが21世紀のオト、ということならば、21世紀というものはとてもしっかりと構造化され、見通しが(感覚的な階層の)上にも下にも良い、とても賢くスマートなものだと思った。

Robert Glasper: Black Radio2 (2013) 空港に向かうクルマのなかで

Robert Glasper: Black Radio2 (2013) 新しいのも聴いているよ、ということで

出張ででかける前に届いた。自宅から小松の間、クルマのなかで聴いていると、なかなか具合がいい。 乾いた音、乾いた空気、車窓に色づいた樹木が流れる。 新しいのも聴いているよ、ということで、とりあえずpost。 そろそろ搭乗時間なので。続きはあとで。

(ECM2287) Carla Bley: Trios(2013) ボクにとって永遠のオネーサマ

昨日は接客だった。木倉町の「六味一滴」で会食。そのあとボクの大大先輩が興に乗って、片町にある綺麗なオネーサマ達がいる高級店へ。ボクタチ技術者世界も丁稚から務める階級世界そのもの。このトシになっても昨夜は下っ端なので、大大先輩の後ろについて…