K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Thundercat: Apocalypse (2013) スタンリー・クラークの記事から

 最近、Mikikiというサイトで、原雅明さんのスタンリー・クラークに関する記事を見かけた。流し読みでも、面白かったので、ちゃんと読もうと思って数日。ボクはスタンリー・クラークは結構好きで(好きだった)、I wanna play for you(だったか、2枚組ライヴ)とか、ジョージ・デュークとのバンドも好きだったなあ。勿論、入り口はチック・コリアとのRTFのアルバム群なんだけど、第一期RTFを除くと、RTFよりもクラークのアルバムのほうを良く聴いていた。すぱっとポップな感じが爽やかで、RTFでのややこしいアレンジが嫌みに感じたから。多分、今聴くと、その感じはもっと強いのではなかろうか。デュークとプロジェクトの後、90年代くらいまではCDを少しは買ったが、その後はよく分かっていなかったので、良い予習記事だと思った。

 クラークがアコウスティック・ベースを弾き、4ビートでドライブするときの感じ、もとても好きで、いい奏者だなあ、と思う。と、同時にポップなアルバムでジャズ性が希薄であっても、なんとなくジャズっぽい琴線に触れるアルバムって感じでいいなあ、と思っていた。とにかく気持ちよい。コレって、柳樂さんがJazz The New Chapterシリーズでコンパイルしている音楽の(ボクのなかの)受け止め方と同じで、狭い意味でのジャズの領域からはみ出た音楽だけど、ジャズという目線で括るとそのような淡いジャンル感が浮かび上がると同時に、淡いジャズ感が案外気持ちよい、ってことに気づかされる、ような感じかな。

 それはともかく、その原さんの記事にクラーク関連で取り上げられていたのが、この奏者サンダーキャット。youubeで試聴すると、クラークのアルバムみたいな気持ち良いアルバム。通しで聴いていると本当に楽しめる。音楽としての在り方が昔のクラークと似ているのか似ていないのか、そんなことじゃなくて、アルバムとして聴かせるもの(ビート、唄、楽曲、テク...)の混合比率がいい感じだなあ、と思う。結構、何回も仕事場でかけている。良し。ジャンルがなんだか分からないけど、まあいいか、そんなの。ディアンジェロとか、ザ・インターネットとか、仕事場で低くかけていると、いいよ。

 彼の仲間らしいフライング・ロータスのアルバム(死ぬやつ)は、プロモーション・ヴィデオの楽曲がとても良かったのでアルバムを聴いてみたけど、他の曲はあまり気持ち良くなかった。普段聴きとしては没。

 

 

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Thundercat: Apocalypse (2013, Brainfeeder)
1. Tenfold 3:04
2. Heartbreaks + Setbacks" (co-produced with Mono/Poly) 3:23
3. The Life Aquatic (written by Thundercat) 2:36
4. Special Stage 2:56
5. Tron Song 2:34
6. Seven"(co-produced with Zack Sekoff) 2:16
7. Oh Sheit It's X 3:47
8. Without You (written by Thundercat) 4:41
9. Lotus and the Jondy 4:52
10. Evangelion 2:20
11. We'll Die 0:55
12. A Message For Austin/Praise The Lord/Enter The Void 6:36
All tracks written by Thundercat & Flying Lotus, except where noted. All tracks produced by Flying Lotus, except where noted.