K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

つげ義春

つげ義春: 別離・後編(COMIC ばく 1987年夏季号) 最後の雑誌掲載漫画

つげ義春が描いた最後の漫画。今から35年前。藤原マキ夫人の癌発症からの不安神経症に悩まされる日々、とうとうこの掲載を最後に筆を折っている。つげ義春の漫画掲載を目的に作られた雑誌であるCOMICばくも次号(つげの漫画は掲載されていない)で力尽きる。全…

正津勉:つげ義春「ガロ」時代 (2020) まずまず美味しいスルメ

つげ義春: 「ガロ」時代 作者:勉, 正津 発売日: 2020/11/25 メディア: 単行本 レコードの場合はジャケット買いだけど、これは表紙買い。昔の2色刷漫画本をデフォルメしたような赤一色。「紅い花」の少女、完璧じゃないか。 正津勉とつげ義春は詩誌(すばる、…

芸術新潮 2020年4月号 第2特集「つげ義春フランスを行く」

芸術新潮 2020年 04月号 発売日: 2020/03/25 メディア: 雑誌 今年1月末につげ義春がフランスに行った、漫画祭での受賞で。 30年以上前から休筆している彼がまだ健在だという、近年の雑誌記事にも驚いたが、フランスへ出かけた、という話に驚愕。 休筆の頃は…

COMICばく 最終号 (1987年) つげ義春の最後の漫画掲載誌ではなかった

夜久弘編集のCOMICばく最終号。つげ義春の漫画が最後に掲載された雑誌。 つげが書けなくなって、神経症の昂進により、雑誌は終わった。 当時、つげの新作と知り1号から買い揃えたが、登山に一生懸命だった頃、2号ばかり買い損なっての休刊だった。その2冊が…

Q.B.B.:古本屋台(2018) とにかく面白い(若干のつげ義春ネタ)

古本屋台 (書籍扱いコミック) 作者: Q.B.B.,久住昌之,久住卓也 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/04/05 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る 今日届いた漫画。つげ本を注文しようとしたら、amazonの推奨本リストに出た…

つげ義春に掴まれた頃、雑談

ボクの世代の上下10年くらいか、つげ義春ファンが多い。書きながら気がついたが、美大系が多いのは、彼らの「必須科目」なのか? そもそもがM美を卒業して、杉浦康平事務所に勤めていたデザイナーのHさんに教えてもらって、ヤラれた。釣りの師匠で骨董のKさ…

京都・寺町二条「三月書房」5年ぶりに

土曜日は京都駅からぶらぶら歩いた。本当はレコード屋に行く積もりだったが、気が変わって三月書房へ。 数年ぶりに。相変わらず目眩するような品揃え。入り口近くに間章2冊、誰が読むのだ。店主レジ前がアナキズム棚で、辻潤、大杉栄、黒色云々。そこに辻ま…

つげ義春カラー作品集・紅い花(1969)

紅い花 つげ義春カラー作品集 作者: つげ義春 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2013/07/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 今時になって、また少しづつ、つげ義春の本を読んでいる。1980年代後半から「休筆」だから、…

芸術新潮「つげ義春特集」(2014年)原画のグラビア

芸術新潮 2014年 01月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/12/25 メディア: 雑誌 この商品を含むブログ (7件) を見る 何年かに一度、慎ましい「つげ義春」ブームがボクのなかにあって、その後、冬眠を何年も続けるような、断続した関心。今も少…

夜久弘: 「COMICばく」とつげ義春 (1989, 福武書店) 最後の執筆期間

1984年の夏頃だっただろうか。当時、社会人になったばかりで、電機会社の社員寮に住んでいた頃、近所の社宅の先輩の家でつげ義春の「ねじ式」を読んだ。映画「ツゴイネルワイゼン」を見たときと同じような衝撃だった。未だに映画も「ツゴイネルワイゼン」も…

つげ義春全集(1993年、筑摩書房)ゐきているつげ義春

はじめて読んだのは1984年頃だったように思う。ねじ式を読んで、くらっときた。脳内記憶では、ツゴイネルワイゼンと同じようなアドレスに刻まれている。当時、網羅的に彼の作品を読むことは難しく、初期の作品は入手難の北冬書房の全集を僅かに入手して読ん…

つげ義春:流れ雲旅(1971,朝日ソノラマ)、稲垣足穂@赤尾照文堂(京都・河原町)

若い頃、常に所在のない感じ、に襲われていた。居場所のなさ、の感覚に参っていた。寝ている間の夢のなかの居心地の良さに、それを日記のように書いてみると、記憶に強く定着し、一ヶ月もすると夢が夢でないような、現実感が沸き上がり、自分がどちら側の人…

つげ義春:初茸がり(1966,青林堂)6月のイメエジをもうひとつ

そのとき思い出したのは,つげ義春「初茸がり」の一つの場面。祖父と初茸がりに行く前、遠くの山並みに見える驟雨を少年がみている。