K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

2017

Wayne Shorter: Live At The Detroit Jazz Festival (2017) ディスコグラフィーの末尾に

Wayne Shorter(ts,ss) Leo Genovese(p, key), Esperanza Spalding(b, vo), Terri Lyne Carrington(ds) Recording engineer : Timothy Powell Producer: Terri Lyne Carrington Recorded live on the Carhartt Amphitheater Stage at the 2017 Detroit Jazz F…

Archie Shepp, Jason Moran: Let My People Go (2017-18) ところがどっこい

Archie Shepp(ts,ss,vo), Jason Moran(p) Recorded on September 12th 2017 at La Philharmonie de Paris, during Jazz à la Villette Festival, on November 9th 2018 at the Alte Feuerwache Mannheim, during Enjoy Jazz Festival.

Wayne Snow: Freedom TV (2017) レコードに手が出た!

Wayne Snow

山口真文: Let Your Mind Alone

音の柔らかさが染み入るような

Jim O'Rourke: sleep like it's winter

脳内の何かをゆっくり溶かしていくような、が僅かな快感を

Cristobal Rey: Abya Yala

微妙な違和感が微毒のように効くのだろうな

池間由布子: 野となり、山となる

フィールド・レコーディングに興味を持って入手したレコード。

Camila Meza: Ambar

あまりヴォーカルを聴かない、といいながら、結構聴いているよな、とも思う最近。 そのなかでもカミラ・メザのアルバムは聴いてビックリ。とにかく良い。一曲目のラテン的でありフォーク的でもある曲調と、弦の乾いた音で引っ張られ、さらにメセニー的なギタ…

Linda May Han Oh: Aventurine

うまく云えないのだけど、何かKronos Quartetをジャズ寄りにしたような感じ、のアルバム。 ベースを軸にストリング・カルテットの曲への関与が大きく、添え物のようなストリングではない。ジャズ的な求心的なヴェクトルが薄いので、弦の音響を楽しむアルバム…

本田珠也: TAMAXILLE

随分前に出たアルバム。もっきりやで本田珠也のドラムの凄さを知った後だったので、発売後に直ぐ入手。使い捨て、ならぬ聴き捨てが多いボクだけど(そりゃ山のような未聴在庫があるので)、実に良く聴いた。ジャズの名曲カヴァー集だし、原曲の雰囲気を良く…

Sara Serpa: Close Up

Sara Serpa: Close Up (2017, Clean Feed)1. Object 4:042. Pássaros(Sara Serpa) 4:193. Sol Enganador(Sara Serpa) 6:014. The Future(Sara Serpa) 5:375. Listening(Sara Serpa) 2:576. Storm Coming(Sara Serpa) 5:207. Woman(Sara Serpa) 4:068. Quiet …

Isabelle Antena: Sous Influences (2017) イケずのジャズファンのようなことは

甲田益也子の近作を聴いて、同世代にも係わらずそのお達者ぶりと、1980年代後半の空気、のようなものを未だ纏った感じ、が楽しかった。 そのころというと、BGM代わりにイザベル・アンテナのレコードを良く聴いたなあ、と思い出した。 モリ川さんから 、近作…

須川崇志: Outgrowing (2017) ガツンとくる日本のジャズの新譜

須川崇志(contrabass, cello), Leo Genovese(p), Tom Rainey(ds) Recorded September 2017

Myra Melford and Snowy Egret: The Other Side Of Air (2017) 録音のバランスが気になる

先日DLしたアルバムが良くて、これも聴いてみる。 Spotifyで聴くことができる。 フリー・ジャズと(所謂)現代ジャズの間で、ライヴよりは割と現代ジャズ的な仕上がりのアルバム。良く曲が作り込まれていて、聴きやすい。多くの年間ベストに挙がっていた、こ…

(ECM 2575) Barre Phillips: End To End (2017) 音の宇宙を込めた静謐にして饒舌な音楽

LPレコードをまとめ買いするために随分と待ったレコード。 まずレコードで聴きたかったから、ストリーミングでも聴かなかった。そして、それが良かった。針を落とした後の、音が音としての強度を主張し、それに圧倒された。ジャンルとか、即興だとか、そんな…

Kronos Quartet: Folk Songs

このアルバムは4人のフォーク系の歌い手との共演で、B1を除き、2曲づつ唄っている。背後の弦楽は、時に古いフォーク風であり、時にアヴァンギャルドな不穏な空気を流す。 サム・アミドンの声、空間はいいな。そこに流れ込む弦楽の乾いた音が点景のように輝…

木村まり: Voyage Apollonian (2017) 音への偏執が美音で結実

ヘンリー・カイザーのアルバムに参画している日本人に気がついた。ヴァイオリン奏者。spotifyで試聴すると、とても良い。早速、CDを入手。ライナーノートはジム・オルーク。カイザーとかオルークと繋がっている人のようだ。 electronics(interactive compute…

Daniel Carter, William Parker, Matthew Shipp: Seraphic Light (2017) 濃密なフリージャズ的室内楽

konta氏の有り難い示唆で行ったマンハッタンの中華街にあるDMGで購入したCD。ブルースさん不在で、ヒカシューのTシャツを着た留守番が居たのだけど、ペットボトルニンゲン(吉田野乃子さんが入っているバンド)のミラーさん、とのこと。 ミラーくんからメー…

Moses Sumney: Aromanticism (2017) 忙しいからこんなの聴いている

ちょっと忙し過ぎて、気持ちが飽和している。そんなときは音がすっと入ってこないから、こんなの聴いている。低い音で聴いていると実に優しい。空間的な音が漂い、蠱惑的。Bandcampで長くwishリストに入れていたが、ようやくダウンロードした。 Aromanticism…

挾間美帆: The Monk: Lve at Bimhuis (2017) 様々な音像を

モンク曲集。挾間美帆が編曲・指揮で、演奏はオランダのメトロポール・オーケストラ。ライヴ録音。 ここ数日の通勤車内音楽。トロンボーン、バリトンサックス(吉田隆一、ジョン・サーマン除く)、ビッグ・バンド(ギル・エヴァンス除く)は苦手で、あまり聴…

Sam Amidon: The Following Mountain

サム・アミドンはフォーク系のSSW。音が流れた瞬間、空間が構築され、その隅々にピンが打たれるような感じ、ディヴィッド・シルヴィアンと同じような。 おおっ、と思うと、月光茶房の原田さんが静かに、好みだと思いますよ、って云った。やられた感満点。こ…

桑原あい, 石若駿: Dear Family (2017) 「何か」から受けるムズ痒さ、が与える面白さ

12月に石若駿がドラムを叩く西口カルテットを金沢もっきりやで聴いた。実に引き出しの多い、美しくダイナミックなドラムに驚いた。その後、サボテン食堂で痛飲し、ブログにアップし損なったが。透明度が高く、キレも良く、なのだ。 それから気になって、コレ…

Nicole Mitchell: Mandorla Awakening II: Emerging Worlds (2017) 得体の知れない様々な素材の溶け込み、に驚いた

大晦日にDLして聴いていたアルバム。Best Jazz的な記事によく出ていたので、気になって聴いてみた。 ボクは解説も読まないし(policyでなく、横着なのだ)、あまり音以外のhidden contextについて気にしない。だから、どのような人なのか分からない。シカゴ…

本田珠也: Ictus

本田珠也の活動のヴォリューム、に驚く。今年はツェッペリンの曲を演るZEKと大口純一郎のトリオを聴いた。あと新譜ではサックス・トリオとTAMAXILLEを聴いた。TAMAXILLEは一時ずいぶん聴いたが、ディスクとして少し違和感があってアップしていない。それは録…

Matt Mitchell: A Pouting Grimace (2017)21世紀のthe second decadeのお終いに

年末になって、誰もいない仕事場で聴いて見た。真っ先に思ったのは、ショーリーのアルバムで、ともに現代音楽とジャズの境界領域、というより現代音楽側に踏み出している。 フリージャズに近い奏者が集っているが、作曲し尽くされたような楽曲を演奏している…

Mary Halvorson: Paimon The Book Of Angels Volume 32 (2017) ゾーンの曲に惹かれたのか、ハルヴォーソンに惹かれたのか

メアリー・ハルヴォーソンには関心がありつつも、すっと入ってくることが少なく、関心の割には聴いていない。しかしこのアルバムは違った。多分、ゾーンの曲が聴き手(ボク)のなかの壁を突破する力、を与えているのだと思う。 このアルバムについては、以下…

トリオ深海ノ窓: 目ヲ閉ジテ見ル映画(2017) 今の時代でなければ聴くこともなかろうが

吉田野乃子、田中啓文氏の本で知ったサックス奏者であるが、今の時代でなければ聴くこともなかったかもしれない。 というのは、JOE氏のサイトで新作の存在を知り、 youtubeでその音を知り、 そして奏者直販(野乃屋レコーズ: nonoko_yoshida@yahoo.co.jp)のCD…

Fred Hersch: Open Book (2016, 17) 硬質の美音(レコード)

レコードが届いた。CDを聴いて、すぐに注文した。CDでも十分音質は良いのだけど、つい手が出た。聴いてみると、硬めの響きが実に美しい。無音時に気になるレコード固有のトレース音を差し引いても、聴く価値はあると思う。 深い奥行きに引き込まれるようだ。…

Blue Note All-Stars: Our Point Of View (2017) 強くジャズを感じさせる瞬間

昨夜遅くに帰宅。ポストに投函されていた包みの封を切って、CDをトレイに入れた。ウェイン・ショータのようなテナーが響き、驚いた。カヴァーにしてもよくもまあ、と。何のことはなくて、2枚組と知らなくて、2枚目からかけたので、ショーターとハンコック…

Kamasi Washington: Harmony Of Difference (2017) 予定調和とは云え

前作は3枚のCDで長大というか、ちょっとヤリスギの感があったのだけど、今度はミニアルバム。ちょっと足りないくらいなのだけど、LP世代には丁度かも。 前作と同じく、聴けばファラオ・サンダースのテレサ時代(1980年のJourney To The Oneから)を思い出すよ…