K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Daniel Carter, William Parker, Matthew Shipp: Seraphic Light (2017) 濃密なフリージャズ的室内楽

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konta氏の有り難い示唆で行ったマンハッタンの中華街にあるDMGで購入したCD。ブルースさん不在で、ヒカシューのTシャツを着た留守番が居たのだけど、ペットボトルニンゲン(吉田野乃子さんが入っているバンド)のミラーさん、とのこと。

 そういえばVision Festivalのこと云っていたなあ。このCDはミラーさんが店内で流していて、穴蔵的レコード屋で聴いていたら、やたら良かった。誰なの、って聞いて、そんなことを会話したような気がする。もっとrecomendの音を教えてもらったら良かったな。

このアルバムは濃密なフリージャズ的室内楽。マシュー・シップとウィリアム・パーカーの陰翳が強い音空間のなかで、浮遊するようなクラリネットを中心とした管楽器が奏でられる。

コンサートホールの残響が強く、ECM的、いやECM以上に音に甘みが出ている感じで、蠱惑的。そして美しい。3者の音が甘く溶け合っている。普段は、このような残響過多の音は焦点が合っていない、キレが悪い感じで好みでないが、これは室内楽的な浮遊音の重畳なので存外にぴったり。それでいて、ピアノとベースの音の芯は明確なので、不思議な感じ。低い音で聴くと、実に気持ち良い。

ダニエル・カーターは初めて聴くが、1945年生まれ。1980年頃には話題になった記憶がない。この20年くらいで多くの作品を出している人のようだ。

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Daniel Carter, William Parker, Matthew Shipp: Seraphic Light (2017, AUM Fidelity)
1. Seraphic Light: Part I 21:27
2. Seraphic Light: Part II 20:54
3. Seraphic Light: Part III 13:00
Daniel Carter(fl, tp, cl, ts, as, ss), Matthew Shipp(p), William Parker(b)
Engineer: Anjali Nair, Peter Atkinson
Mastered by Michael Marciano
Recorded live in performance at the Distler Performance Hall, Tufts University, Medford, MA, April 5, 2017.