K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

(ECM 2575) Barre Phillips: End To End (2017) 音の宇宙を込めた静謐にして饒舌な音楽

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LPレコードをまとめ買いするために随分と待ったレコード。 
まずレコードで聴きたかったから、ストリーミングでも聴かなかった。そして、それが良かった。針を落とした後の、音が音としての強度を主張し、それに圧倒された。ジャンルとか、即興だとか、そんな細かな話ではない。コントラバスの胴からの共鳴音の素晴らしさに、ただただ圧倒されたのだ。

美しいし、静寂であり、強い音場であり。また光彩を放ちながら、陰翳を抱きかかえる。外向的でありつつ、内向していく何かがある。

そんな交錯したような感覚を呼び起こす、ような。

楽器が放つ芳香のようなものに、最初から最後まで酔ったようだ。

時として過剰な印象を与えるアイヒャーによる残響操作も、今回はぴったり。木の振動音を滲ませない程度のアコウスティックな音に留められている。

ソロという小編成にして、音の宇宙を込めた静謐にして饒舌な音楽。

(個人的には今年一番のアルバム)

End To End [Analog]

End To End [Analog]

End To End

End To End

 

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(ECM 2575) Barre Phillips: End To End (2017)
Quest
A1. Part 1 2:38
A2. Part 2 2:21
A3. Part 3 3:14
A4. Part 4 4:33
A5. Part 5 2:36
Inner Door
A6. Part 1 2:35
A7. Part 2 2:51
B1. Part 3 2:20
B2. Part 4 5:48
Outer Window
B3. Part 1 2:18
B4. Part 2 6:12
B5. Part 3 2:43
B6. Part 4 3:34
Barre Phillips(b)
Cover Photo: Fotini Potamia
Design: Sascha Kleis
Engineer: Gérard De Haro
Producer: Manfred Eicher
Recorded March 2017
La Buissonne, Pernes-les-Fontaines

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