珍しく新譜をチェック。というのは、24bit/88.2kHzの高分解能音源の販売サイトがあって、試したくなったのだ。$17は、現時点のCD通販より安価。しかも高分解能音源で入手できる。ボクは「ディジタル音源」に関しては、物理媒体に全くこだわりがないので、有難い。
共演者にブラッド・メルドーやブライアン・ブレイドが入っていることに眼が行くアルバムであるが、ギター、トランペット、ベースが割と前に出ていて、ピアノ、ドラムはそうでもない。勿論、ピアノのソロはあるが、良い意味で控えていて、渋いアクセントになっている。
良くも悪くも驚きがない、ああECMだねえ、という音で、アヴァンギャルド味のECMが好物のボクにとっては物足りない。勿論、質が悪いということでもないのだけど。そんな印象に尽きるのだけど、ジャズの室内楽、というECMの本分からすると、ど真ん中。多くの聴者の満足度を裏切らない、のではないか、予定調和のなかだから。よく聴いているとブレイドのドラムが小気味よく、いいのだけど。
さて期待の24bit/88.2kHzなのだけど、やはりCD音源との聴き比べていないので、善し悪しは分からない。勿論、ECMなので水準は超えているし、これは残響もほどほどなので、好みに合う。驚いたことは、案外、柔らかく・暖かい音に聴こえること。そんな印象のECMのアルバムって、あんまり無かったような気がする。そんなところが面白かった。
関連記事:
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(ECM2515) Wolfgang Muthspiel: Rising Grace (2016)
1. Rising Grace (Wolfgang Muthspiel) 5:56
2. Intensive Care (Wolfgang Muthspiel) 10:17
3. Triad Song (Wolfgang Muthspiel) 8:04
4. Father And Sun (Wolfgang Muthspiel) 8:14
5. Wolfgang's Waltz (Brad Mehldau) 8:01
6. Superonny (Wolfgang Muthspiel) 6:44
7. Boogaloo (Wolfgang Muthspiel) 7:33
8. Den Wheeler, Den Kenny (Wolfgang Muthspiel) 7:50
9. Ending Music (Wolfgang Muthspiel) 1:23
10. Oak (Wolfgang Muthspiel) 4:34
Wolfgang Muthspiel(g), Ambrose Akinmusire(tp), Brad Mehldau(p), Larry Grenadier (b), Brian Blade(ds)
Design: Sascha Kleis
Photograph: Laura Pleifer
Engineer: Gérard de Haro, Nicolas Baillard
Producer: Manfred Eicher
Recorded January 2016
Studios La Buissonne, Pernes-les-Fontaines
Released: 28 Oct 2016