K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

鳴らした場合(加藤一平, Yuki Kaneko, 村田直哉): ふつえぬ (2018) これライヴで聴かんといかんよねえ

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油断ならないアルバムだ。ややノスタルジイを纏ったギターが穏やかに緩やかに旋律を奏でる.そこに電気的なノイズっぽい音がelectronicsやturntableにより重畳され、時間とか秩序のようなものが整然とゆっくり狂いはじめる。そんな2つのstreamが並立しているようで、気がつくと意識のなかだけでなく、聴こえてくる音も、歪みのような空間感覚を交換・交感・交歓し、何か何やら状態に突入している。

一番近い「味」はメアリー・ハルヴォーソンのギター。割とゆったりとしたギターの旋律に時間を歪ませるような変調,的なフレーズを掛け合わせる。自己変調的な逸脱が音の快楽を作っている。やや最近はルーチン化の陥穽が気になるが。

このアルバムはそうでない。3人で音を飛ばしながら時間を歪ませるような変調を相互に掛け合わせている。相互変調,といおうか。そこにルーチン化の陥穽から抜け出たような面白さ,がある。

しかしCDでは掴み切れていない感覚があって、これライヴで聴かんといかんよねえ、と残念な気持ちで未だ病室に居るのが残念。

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鳴らした場合(加藤一平, Yuki Kaneko, 村田直哉): ふつえぬ (2018)
1. D sleep (加藤一平)
2. えいしこ (加藤一平)
3. ふぃー 〜 ゆき (加藤一平)
4. ふつえぬ (加藤一平)
5. しかぞく (加藤一平)
6. らすく (加藤一平)
7. ぎあも (加藤一平)
8. てぃぱ (加藤一平)
藤一平(g), Yuki Kaneko(electronics, tape, toys ), 村田直哉( turntable)