K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Mario Pavone: Philosophy (2018) 2020年代のピアノ・トリオの進化、のようなもの

Mario Pavone: Philosophy (2018, Clean Feed)
1. 8-18-18 (Mario Pavone) 6:04
2. Philosophy (Mario Pavone) 4:21
3. Circles (Annette Peacock) 4:46
4. The Beginning (Annette Peacock) 1:42
5. Everything There Is (Mario Pavone Dialect Trio) 5:59
6. Two Thirds Radial (Mario Pavone) 4:14
7. Iskmix (Mario Pavone) 5:08
8 Noka (Mario Pavone) 4:33
Mario Pavone(b), Matt Mitchell (p), Tyshawn Sorey(ds)
Executive-Producer: Pedro Costa
Producer: Mario Pavone
Recorded By, Mixed By Greg DiCrosta
Recorded on August 18, 2018.

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CLEAN FEEDのSalesのサイトで気がついたアルバム。美味すぎる。

 マリオ・パヴォーネって、最近よく名前を見かけるので、若い人かと思ったら、ピーコックに近い世代なんだね。もうすぐ80歳、驚いた。

https://en.wikipedia.org/wiki/Mario_Pavone

その彼がマット・ミッチェル、タイショーン・ソーリーという、尖った若手と共演。これが実に素晴らしいトリオになっている。ミッチェルとソーリーがつくる音空間の冷たさ、鋭角の音のキレが、実に美しい。そしてECMのような、過度の音響操作が為されていない。

跳ねるような音のキレと冷ややかな音空間の配合、のようなものが実に絶妙。聴いていて、ECMの音場が「過去に遷移しつつある」ように感じてしまった。あのRVG録音が1970年代になって輝きを失った、ことを目の当たりにしたのだけど、その感覚の前触れ、のような感覚。

同じことは、須川崇志や本田珠也の近作にも感じる訳で、何となく2020年代のピアノ・トリオの進化、のようなものに期待しながら聴いている。ミッチェルもソーリーも、自身のアルバムでは「大作化」が進んでいるように思うが、作曲家としての側面もさることながら、奏者としてのキレを全面的に愉しめるアルバムがいいなあ、と思った。

Dialect Trio: Philosophy

Dialect Trio: Philosophy

  • アーティスト:Mario Pavone
  • 出版社/メーカー: Clean Feed
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: CD