K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Paul Bley: Festival International De Jazz Lugano 31 August 1966

Paul Bley: Festival International De Jazz Lugano 31 August 1966 (1966, Hi Hat)
1. Announcement By Joyce Pataccini 1:15
2. Both (Annette Peacock) 6:40
3. Mazatalon (Paul Bley) 8:16
4. Albert's Love Theme (Annette Peacock) 6:37
5. Ramblin' (Ornette Coleman) 7:13
6. Ida Lupino(Carla Bley) / Mr. Joy (Annette Peacock) 6:58
Paul Bley(p), Mark Levinson(b), Barry Altschul(ds)
Recorded At – Festival International De Jazz, Lugano

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昨日は部屋でだらだらと仕事。ラジオ代わりにspotifyを垂れ流し。これはいい。

長くBoot音源はあまり聴いていなかった。何かCD/CDR時代になってキリがない感覚だから。しかしspotifyにHi Hat盤があるのに気がついて、ラジオ代わりに聴いてみたら、これがいい。昔、聴いていたジャズライヴのラジオ番組、それも特番って感じ。1時間以上だからね。編集も入っていないので、荒っぽいがソレもいい。

 このポール・ブレイのライヴ、非常に良い。同時期(1966年11月4日)に同じメンバーでのライヴ(オランダのハーレム)があるが、フリー(に聴こえる)部分を強調したような、求心力がない発散したような演奏で全く面白くない。アルトシュルはともかく、レヴィンソンに存在感がない。

だから、このアルバムの存在は知っていたのだけど、聴いていなかった。spotifyでみつけて聴いてみると、その内容の良さに驚いた。Bootで片付けられない。まず放送音源らしく、録音が驚くほど良い。ブレイのタッチの強靱さが直接伝わる。ちょっと歪むくらい音圧が上がっているので、これはイコライズの力だろうな。ディジタル時代の悪戯だと思うが、許せる。その強靱なタッチにアルトシュルの打楽器的なドラムが迫り来る様子、冷たく熱いパルス。堪らない。また選曲が良い。良い曲の旋律が美しく、フリー的に放たれる部分と曲の旋律の按分、のようなものも良い。集中力を切らさず継目なしに行き交うその漂う感じ、がビンビン伝わる。凄く楽しい。レヴィンソンも小粒感はあるが、大健闘。

Ramblin' の緊張感、それが最後の一打で破れた後の Ida LupinoからMr. Joyの流れは昂奮と涙(気持ちの中ね)だった。

 という訳で、この時期のベストではないか、と思うのだけど、どうだろうか。

追記:

この音の強度に浸っていて感じるのは、この音が現代のジャズそのもの、ということ。晩年までのブレイと同じであり、ジェフリーからブレイの流れがECMの礎であ

ったことを思い合わせると、そういうことなんだろうな、と改めて強く思った。