K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Charles Lloyd: Live... 1966

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Charles Lloyd: Live... 1966 (1966, Hi Hat)
1. Love Ship
2. Love Song To A Baby
3. East Of The Sun
4. Tribal Sun
5. Mississippi Blues
Gyllene, Cirkeln
Stockholm, Sweden
April 29th 1966 P2 Broadcast

6. Autumn Sequence
7. Forest Flower
8. Love Ship
9. Island Blues
Juan-les-Pins Jazz Festival, Antibes
July 23rd 1966 WDR3 Broadcast 

(Disc 2)
1. Love Song To A Baby
2. Love ShipGuerzenich, Cologne
Studio 1, Cologne
October 25th 1966 WDR3 Broadcast
(with Orchestra Kurt Edelhagen)

October 26th 1966 WDR3 Broadcast
3. Autumn Sequence
4. Song My Lady Sings
5. Dream Weaver

Charles Lloyd(ts,fl), Keith Jarrett(p), Cecil McBee(b), Jack DeJohnette(ds)

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HI HATのBoot。

これまた録音が良く、手慣れたイコライズの賜か。Bootの哀しさは一切なしのアルバム。内容的にもライヴの良さ全開。キース・ジャレットのピアノをはじめ、マクビーもデジョネットも明瞭。それが嬉しい。だから長尺のソロも楽しめる。若きジャレットが、時としてマイルスバンドでのウィントン・ケリーの「いつか王子様が」的なフレーズがあったりして微笑ましい。バップ的、ジャズ・ロック的、フリー的な音を自在に繰り出す。まだスタイルは固まっていない、ように思えるが。

不思議なことに、1966年のライヴといえばForest Flowerがあるのだけど、このBootのほうが面白く感じる。Forest Flowerで感じる、ある種の「まとまり」がアルバムの質を高めているのだけど、このグループの持つ先進性のようなものを切っているのではないか。その部分で、やや過去のアルバムの装いになってしまった、ように思う。1966年のジョージ・アヴァキャンのセンスが加味されて。だからジャレット、マクビー、デジョネットのトリオの面白さのようなものが、大分と減じているように思えるのだけど、どうだろうか。ライヴの冗長さを上回る面白さ、を感じてならない。

それにしても、1960年代後半にジャレットを擁して人気を得たロイドだけど、このカルテットを解散した後は低調。ボクがジャズを聴きはじめた1979年当時、過去の人。この時期のロイドについては、カルフォルニアで半ば隠遁していて、ミッシェル・ペトルチアーニのドキュメンタリーで触れられている。1980年代になってペトルチアーニを擁して復活したときのアルバムは素晴らしく、大の愛聴盤だった。そこからペトルチアーニは亡くなるまで、随分と聴いた。ロイドはその後、ECMで素晴らしいアルバムを出し続けて今に至るのだけど、このbootを聴いて気がついたのは、あまり変わっていないこと。ジャレットとの時期、ペトルチアーニとの時期、そして現在、不連続は感じない。その頃から現代のジャズをやっていたのではないか。1960年代後半のブレイ、ジェフレー、スワローらから現代のジャズに繋がっていくだけでなく、確かにロイドもそのような存在かな、と思った。

追記:

Bootでspotifyで聴けるから、まあいいか、と思っていたが、「配信中止」になったら耐えられないな、と思ったので、注文。やれやれ、何のための配信サーヴィスなんだか。

LIVE1966

LIVE1966

 

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