昨年のCD。すぐ欲しかったのだけど、はじめは高価なので、少し時期をおいて入手。以前のライヒ集があまりにツボだった。あのメセニーとのElectric counterpointを打楽器ヴァージョンで編曲・演奏するのだから。
今度はドラミングを単独で。多重録音でアンサンブルに、はじめての試みらしい。ライヒがライナーノートに言葉をよせている、公式盤ということらしい。
ドラミングを幾つか聴くと、奏者による違いが浮き上がり面白い。かなり印象が異なる。昨日のライヒ自身による演奏は、確かに18人の骨格的な演奏だと思ったこと、後半のグロッケンシュピールでの演奏からオリエンタリズム、ガムランのような、を感じた。
このアルバムを聴くと、それら何れの印象もない。打音の柔らかさ・作曲の細かな技が、現代の広大な録音空間のなかで見事に描かれているような印象。聴く度に細部に耳がいく愉しみ。グロッケンシュピールも、欧州の街角で聴こえる遠くの教会の鐘であったり、カリブの祭りであったり、加藤からのオリエンタリズムの逆ヴェクトルのようにも感じて、面白かった。
ここ暫くライヒを聴いているような。中毒性が強いなあ。
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加藤訓子: Steve Reich/Drumming (2018, Linn Records)
1. Part I 24:56
2. Part II 20:20
3. Part III 11:10
4. Part IV 13:38
Liner Notes [Composer's Notes (English)] – Steve Reich
Liner Notes [English] – Kuniko
加藤訓子: Bongos [Four Pairs Of Tuned Bongo Drums], Marimba [Three Marimbas], Glockenspiel [Three Glockenspiels], Soprano Vocals [Soprano Voices], Alto Vocals [Alto Voices], Whistling, Piccolo Flute [Piccolo]
Producer [Recording Producer], Engineer: Yuji Sagae
Recorded in Aichi Prefectural Arts Theater, Nagoya, Japan, on 22-28 July 2017, 27 September-6 October 2017 and 5-17 January 2018