K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Nico Gori, Fred Hersch: Da Vinci (2012) ハーシュのピアノが与える印象

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 ハーシュの新譜が出た。それを聴いているうちに、とても好きな旧譜について書けていないことに気がついた。それが数年前のこのアルバム。あれから随分とたったものだ。

 ハーシュのピアノが与える印象をくくると、包み込むような人肌くらいの温度のピアノの美音に尽きるのだけど、それが実に多様な形で表現される、ということも魅力ではなかろうか。

 ソロではとても内省的で静寂な空間のなかで響くピアノ。トリオではビートを大切にして、よくドライブし畳みかけてくるようなピアノ。

 そしてデュオででは、実に軽妙。ふわっとした軽さで、楽しそうに会話を楽しんでいる。ひそひそ話、のようにきこえる。

 このアルバムもそんな愉しさに満ちた佳作。録音も良いので、気持ち良く聴くことができる。 クラリネットという楽器も、その軽さ故にモダンジャズでは案外使われないのだけど、これは軽さ、が良い案配、だと思う。

 

参考記事:

 

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Nico Gori, Fred Hersch: Da Vinci (2012, Bee Jazz)
1. Old Devil Moon (Burton Lane)
2. Da Vinci (Fred Hersch)
3. Mandevilla (Fred Hersch)
4. Down Home (Fred Hersch)
5. 2-5 (Nico Gori)
6. Lee’s Dream (Fred Hersch)
7. Hot House Flower (Fred Hersch)
8. Doce de Coco (Jacob do Bandolim)
9. At the close of the day (Fred Hersch)
10. Tea For Two (Vincent Youmans)
Nico Gori(cl), Fred Hersch(p)