K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Steve Lehman: Sélébéyone (2016) 奇妙な味、が美味しかった

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 実は1週間前の渓流で転倒した(岩の滑りにやられた)。痛みもなく、10km走ったり、40km自転車乗ったり、元気にしていた。それが昨日から痛みだし、整形外科のN先生(自転車競技の猛者)に初めて見て頂いたら肋骨の骨折。時間が経って、骨折部位がずれて痛むことがあるそうだ。

 明け方に少し痛み、眼が覚めた。そのときtwitterを眺めて気を紛らわせていたら、Steve Lemanは現代のドルフィー(だったかな、いい加減ですが)を読んで、気になってBandcampからダウンロード。いつも参考にしているブログでもアップされていた。

はじめてのSteve Leman。

 

 

 急ぎの仕事で今(夜半前)まで仕事をしながら聴いた感想を少し:

・とても良かった。

・ラップをバックにしたフリーっぽいアルト。

・感覚的にはコールマンがファンクをバックに演奏したプライム・タイムの21世紀版だねえ、という感じ。マイルスのDoo Bopかもしれない。奏者の個性が強いから、あまりバックのスタイルに左右されずに、「何か」が伝わる。

・「何か」って、奇妙な味、なんだと思う。実はついでなんで、OctetとTrioもダウンロードしたが、聴く気持ちがサックスの上に乗っかって、バックの違いが気にならなかった。

・気にならなかった、というのはアンサンブルが無意味という意味でない。奇妙な味、の素材が様々な味付けがされているが、素材の個性はしっかり出ている、という意味。だから様々な味付けを楽しめそう。

・とにかくリズムが多様で、かなり楽しめている。聴き入っていると、ヒップ・ホップとかって、全く感じない。

・ただ残念なのは、録音のミックスレヴェル。もっとSteve Lemanのサックスがややオフ気味。これで、もっとレヴェルを上げていたら、ばっちりじゃなかろうか。

・グラスパがソウルを取り込んだ、あるいはソウルにジャズを溶け込ませた、ということと全くアプローチは逆だと思った。「奇妙な味」の系譜のアルト奏者が、自分のなかにヒップ・ホップ的なモノを入れ込んで、素材にした、ということで、そんなにポップな感じはしなかった、のだ。

 

奇妙な味、が美味しかった。ご紹介を頂いた方々に感謝致します。

参考記事:

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Selebeyone

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Steve Lehman: Sélébéyone (2016, pi)
1. Laamb 06:07
2. Are You In Peace? 05:57
3. Akap 02:16
4. Origine 04:49
5. Cognition 05:52
6. Hybrid 04:00
7. Dualism 04:36
8. Geminou 01:31
9. Bamba 06:19
Steve Lehman(as), Maciek Lasserre (ss), Carlos Homs (p), Drew Gress(b), Damion Reid(ds), Gaston Bandimic, HPrizm(vo)