K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Steve Grossman, Masahiro Yoshida: Our old frame (1987) その思い切りの良さが

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Steve Grossman, Masahiro Yoshida: Our old frame (1987, O.S.C.Record)
1. New Moon
2. Cherokee
3. 415 C.P.W
4.  I Can't Get Started
5. I Love You
Steve Grossman (ss, ts), 米田正義(p), 河原秀夫(b),  吉田正広(ds) 
Recorded in Tokyo on July 2, 1987

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久々に、すかっと気持ちの良いジャズを聴いた。素晴らしい、実に素晴らしい、と2回書いておく(と誰かが書いたようなフレーズを入れたくなった)。

グロスマンを招聘した吉田正広がスタジオで私的に収録した音源だそうだ。しかし、ライヴ的な緊迫感や熱量があるのは、一発取りの魅力か。

1970年代のジャズの「あの感じ」(うまく書けないだけど、post-Coltraneの奏者が醸し出すサックス奏者の味)を孕んでいて、ドキドキしながら聴いている。高い熱量と強い音圧、そうグロスマンの場合、あのサムディでのライヴに劣らぬ迫力で収録されている。

しかもテナーと変わらぬ音圧で吹きぬくソプラノの少し潰したような音が堪らない。そんなゴツゴツした音が流れるように吹き出されるのは圧巻。だからスピード感いっぱいの演奏、ソプラノの1,3そしてテナーの2が良かったかな。テナーを吹くと、やはりロリンズぽく聴こえるのはアレ、なんだけど。

共演の奏者達も手堅く、実に巧くグロスマンの演奏を引き立てている。というか彼らの熱量がグロスマンの演奏を引っ張っている様子が伝わる。グロスマンの音に比べて音量はOFF気味、ソロも少ないのだけど、彼ら自身がグロスマンの演奏を堪能したかった、のではないか。そんな気持ちが伝わってくる。その思い切りの良さが、名盤、と読んでも良い演奏の良さにつながっている。

その後のDreyfus盤も良いのだけど、決定的に熱量が足りない。綺麗に纏まりすぎているのだ。サムディと本盤の熱量に触れた後は、物足りないのだ。

日本の私家盤には、こんな素晴らしい録音が潜んでいるのだなあ、としみじみした。