K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

朝眺める空


 朝起きると、暫く呆然としたように空を眺めている。テーブルの椅子に座っていると、正面が南の空。山が連なり、その上を雲が流れていく。ただそれだけのこと。ただそれだけのことだけど、雲の高さや厚さ、そして濃淡や色合い、山との遠近感、当たり前なのだけど2回と同じ光景はない。忽ち小一時間が過ぎてしまう。ある瞬間に眼が醒めたようになって、慌てて朝ご飯を作ったり、洗濯したり、忙しい。

 秋になると、曇りの日が多く、腫れることが少なくなってくる。それでも、雲一つ無い、朝日が金色に輝くことも、稀にはある。そんなときは、雲に成り得なかった水蒸気が立ちこめていて、光りを細かく散乱させていることがハッキリわかる。だから、見えない雲を見ているような、不思議で楽しい感覚になる。

 冬が近づいてくると、雲が沢山流れてくる。厚く、低く、そして色彩感が失われていく。今朝、雲を見ていると冬が運ばれつつあることを感じた。あの湿潤な風に乗って雲が流れていく。消しゴムで擦ったように、色が消えていく日々がやってくる。