K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Keith Jarrett: Hamburg 1972 concertの発売予告(ECM)

 昨夜、キース・ジャレット・トリオの1972年のコンサートのアルバム発売の告知が出た。1972年のハンブルグ。調べると既にBootで出ていたので新しい音源ではない、聴いていないが。しかしながら、同時代の音源がECMから出る、というのはボクにとって、コトバに出来ないほど期待が高まっている。

 当時のキース・ジャレット・トリオはチャーリー・ヘイデン(b)とポール・モチアン(ds)。アトランティック、あるいはアトランティック系のVortexからアルバムが出ていた。全体的に、良いところと駄目なところのコントラストが凄い印象。その後の、インパルスでのアメリカン・カルテット(上記メンバーにデューイ・レッドマン)もそう。キースに自由にやらせていた故の奔放さ、はあるのだけど、とてもまとまりがない。ただ、瞬間瞬間の美しさに惹かれて、暴れているトコロも我慢して聴いていた、当時は。駄目なところが、高みへのイニシエーションだから。ただ、そうだとと分かっていても、そう何回も我慢できない。だから、随分、聴いていない。

 その点からすると、アイヒャーというフィルタを濾過した後のECMの2つ(survivors suite, eye of the heart)は平均的でとても良い。ただ凄い所が去勢された感じもあり、物足りない点も否めない。が、暴れ馬のようなキースの「ひっくり返ったおもちゃ箱」を傾聴可能なレベルにまとめる力は凄い。

 ただ、これらのECM作品はレッドマンを含むカルテット。ECMでのトリオを聴きたい、という気持はずっとあった。それが叶うとは、全く思ってもみなかった。ヘイデンとのデュオが、いささか期待外れ(作品の質、ではなくて、1970年代のキースとヘイデンの再現を期待したからなのだけど)だったので、1972年のライヴってだけで、もう冷静で居られない、ってことが伝わったかな?