K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Don Cherry, Collin Walcott, Naná Vasconcelos: Codona Live In Willisau (1978) ゆったりとした時間が流れる

CODONA / Codona Live Willisau, Switzerland September 1, 1978(2LP/45RPM)

Don Cherry, Collin Walcott, Naná Vasconcelos: Codona Live In Willisau (1978, WHP)
A1. New Light
B1. Mumakata Intro
B2. Mumakata
C1. Colemanwonder: Race Face/Sortie/Sir Duke
C2. Let Thy Wish Become My Desire
C3. Que Faser
D1. Like That Of Sky/Togo
Don Cherry (tp, fl, strings [Doussn'gouni], voice), Collin Walcott (sitar, tabla, dulcimer [hammered], kalimba [sanza], voice), Naná Vasconcelos (berimbau, cuica, perc, voice )
Live in Willisau, Switzerland, September 1, 1978
Swiss FM broadcast
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ECMからCodonaが出たとき、早速、西独盤を入手。その世界観、音の奥行きに圧倒された。世にエスニック・ブームのようなものが湧き上がる数年前、1979年。ジャズ聴き1年生で、これ買うか、とも思うが。

それが起点で、ジャズとその少し外側にある民族音楽的なものに惹かれるようになった、と思う。ウェイン・ショーター/ミルトン・ナシメント経由でMPBを知ったり、楽しかったな。

これはスイスでのライヴ盤。1978年9月1日のライヴ録音で、FM音源のようだ。ECMのCodonaは、この後に西独 LudwigsburgのTon studioで収録されている。まさにCodona収録の予行練習のようなライヴ。このライヴアルバムを聴くと、ECMでのアイヒャー・プロデュースによる差分が浮き上がるように思える。これはキース・ジャレット・トリオの1972年ライヴも、元音源とECM盤を聴き比べると明らか。雑味を取り除き、音の透明度を高める処理。あの統一的な音響空間に嵌め込まれる。当時、その音に魅了されたのだけど、同時に失うものもある。このアルバムでは、ゆったりとした時間の流れ。そのなかで、緩く反応しながら音を垂れ流すような感じ、そこが楽しいのが、このライヴ盤。

決して悪い音のアルバムではないが、ヴァスコンセロスがオフ気味で、彼の奇妙なアクセントが十分生きていないのが残念。無理なイコライズがかかっていないので、そこは良かった。

今、改めてCodonaを聴き直しているが、ジャズ的な強度が高まっているのに驚いた。本ライヴ盤で感じるチェリーとダラー・ブランドとの共演盤と共通する緩い印象、は全くない。

 

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