K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bill Evans: Alone (Again) (1975) 今日は夏休み気分で@Cowry Coffee

 先週末から、ふわっと夏休み気分。勿論、仕事はあって、気分だけの夏休みなのだけど。

 そんな訳で気分だけでもふわっとしたかったので、仕事の後、久しぶりにK君のCowry Coffeeへ。閉店間際に滑り込んだ。夏枯れで客足も今ひとつ、と云っていたからね。

 ところがどうして、客足復活だそうで、決め手(らしい)のアイス・コーヒーは売り切れ。それは何より。

 彼の所で楽しみは、大きなタンノイのスピーカー。アコウスティックな環境でよく響く。今夜聴かせてくれたのは、ビル・エヴァンスのAlone(again)。先週、彼の依頼で入手したエヴァンスの手頃な原盤。アメリカ盤らしい強い乾いた音が響く。ボク自身久しぶりに聴いた。

 晩年といっても良い時期のソロ・ピアノなのだけど、決して枯れている訳でも、余裕で弾いている訳でもない。むしろ、若い頃よりも、より稠密に細かな音を積み上げて行く様子に驚いてしまった。どこまで、音の世界を迷宮のように複雑にすれば気が済むのだろうか、そんな印象だった。それでいて、音としての美しさ、調性を維持しているのだから凄まじい。そんな息苦しさ、すら感じた。

 だから音としての美しさは十分楽しめたのだけど、もうすこし息を入れるような感じが欲しい、と思った。The Touch of Your Lipsを聴きながら、トニー・ベネットとのデュオでのリラックス感があればなあ、と思った。

 久しぶりのCowry Coffeeだったけど、音はますます良くなったような気がして、楽しかった。ジャズ喫茶じゃないのだけどね。

 

---------------------------------------------------------

Bill Evans: Alone (Again) (1975, Fantasy)
   A1. The Touch of Your Lips
   A2. In Your Own Sweet Way
   A3. Make Someone Happy
   B1. What Kind of Fool Am I?
   B2. People
Bill Evans(p)