K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

吉沢元治, 高木元輝: 深海 Duo 1969.10.9 発掘盤の音そして1969年のジャズ

吉沢元治, 高木元輝: 深海 Duo 1969.10.9 (P.S.F. Records)
1. Lonely Woman (Ornette Coleman) 19:14
2. Lacy's Out East (Charles Tyler) 15:10
3. Four Unites (富樫雅彦) 21:36
4. 深海 (高木元輝) 10:18
吉沢元治(b, cello), 高木元輝(b-cl, ts, recorder)
Recording: 石谷仁
Producer: 生悦住英夫
Recorded live at Shinjuku Nagisa (新宿「汀」) in Tokyo.
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恐ろしく多用で、少し参っていたので時間が経ってしまった。こんな気分は金沢に来てからなかった。

今日は自宅で仕事をしながら聴いている。なので、ディジタル音源が楽。吉沢元治が聴きたくなったので、これを。適当な録音テープからの「発掘盤」なので、音質には期待していなかったが、実にリアル。少し高めの音量にしてやれば良いのだ。昼間の自宅、ならでは。演奏会場の空調の唸り、までリアルに捉えられている。

1969年という年にどのような化学反応が起きて、1968年との大きな断層が生じたのだろうか。この発掘盤を聴いても、1970年代に連なる「あの音」なのだ。

オーネット・コールマンの曲を取り上げても、そこには山下トリオや富樫雅彦のユニットに通底する日本的な「何か」が味として感じられる。フリージャズが1969年に演奏されている、ということではない。フリージャズのなかで、「日本のジャズ」が奏者のなかにidentifyされている、ということ。

吉沢元治の太い弦の音が好きだ、過度に内省的でなく。 高木元輝の叫び、とともに空間を満たしていく時間、が愉しい。

追記:

つい2年くらい前に標準的な中古CD価格で購入したが、信じられない価格んいなっている。なんだろう。

深海

深海

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