ECMのレコードを蒐集している。CDも欲しいが、数が多すぎる。死ぬまでに聴き終える気がしない。だから好きな70年代の音が詰まっているレコードに焦点を絞った。同じように、幾つかのレーベルは気になっているので、見かけたら買う、ような集め方をしている。まあ、そんな感じではあまり集まらないのだけど、それがまたいい。
そんなレーベルの一つにOWLがある。ペトルチアーニの一連の作品で強く意識。録音が良い。ECMのような「人工的な自然な音」ではなくて、普通に自然な感じ。米盤と独盤の丁度中間くらい。デンマークのSteeple Chaseほど米盤寄りではないし。誇張がない。だから素晴らしい奏者の音が素晴らしく響くような感じ。ECMのようなカタログもないし、まあそんな緩い付き合いが長く続いている。
このアルバムは仙台のレコード屋で格安で見つけたもの。この時期の穏やかなレイシーの響きがとても好きで、決してエキセントリックでないしっかりした演奏を楽しむことができる。ベックって、あまり聴かないピアノ奏者だけど、弾きすぎず、うまく響かせる感じで、これもいいなあと思った。ヘレン・メリルもあまり聴かない人なのだけど、このアルバムでは淡々と唄う感じがとてもよくて、自然な感じに好感をもった。情感過多でなく、丁寧に歌詞を聴かせる感じ。
B面はグラッペリ。フランスの空気に満ちた、それも古の。夜にゆっくり聴かなきゃね。
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Helen Merrill: Music Makers (1986, Owl)
A1. Round About Midnight 4:54
A2. Sometimes I Feel Like A Motherless Child 4:27
A3. A Tout Choisir 2:07
A4. When Lights Are Low 3:25
A5. And Still She Is With Me 4:50
A6. Music Makers 3:10
B1. Laura 4:26
B2. As Time Goes By 5:20
B3. A Girl In Calico 3:50
B4. Solitude 3:36
B5. Lady Be Good 3:37
B6. Nuages 3:57
Helen Merrill(vo), Steve Lacy(ss on side-A),Stephane Grappelli(vln on side-B), Gordon Beck(p),
Cover [Cover Concept], Art Direction: Bernard Amiard
Edited [Cutting] : Christian Orsini
Engineer [Recording], Mix: Laurent Peyron
Liner Notes: Leonard Feather
Producer: François Lemaire, Jean-Jacques Pussiau
Recorded at Ramses Studio, Paris, March 1986
Cutted at Translab Studio
