最近、再び気になっているヴィトウス。少しづつ見つけたレコードを買っている。ECMの最初の時期がちょうどLPレコードからCDへの移り変わり。どっちで揃えるか考えているところ。1970年代のECMは絶対LPレコードなのだけど、80年代は微妙な感じ。最近のECMの再発はCDでもいいかなあ、とも思うのだけど。
という訳で暫し古いレコードを聴いて過ごす事にする。このアルバムパーカッションとのデュオ。もっとも多重録音を行っているので、デュオ・アルバムという趣ではない。今に至るまで、一貫して変わらないヴィトウスのspacyな音。多重録音されたシンセサイザの音がそのようなヴィトウスの音世界を遠くに浮かぶ雲のように支えている。
このアルバムを聴いて改めて思うのは、ヴィトウスの特異性。多くの欧州の奏者が感じさせる「欧州の空気」はなく、また伝統的なジャズの味でもない、ヴィトウスの音。たとえECMの録音であっても、ヴィトウスの個性の方が勝っているように思える。だから、このFreedomでのアルバムもBlindで試聴するとECMの盤であってもおかしくない、と思えるのではないか。電気楽器を多用しても、それは変わらないし、元来earthyなアライアスを入れても変わらない。アライアスの打楽器の音が地上の座標軸を与え、その上高くヴィトウスの音は飛翔しているのだ。
さてECMのカークランドとのアルバム、どうしようか?
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Miroslav Vitous :Miroslav (1977, Freedom)
A1. Watching The Sunset Run
A2. Bassamba
A3. Tiger In The Rain
B1. Concerto In E Minor
B2. Pictures From Moravia
B3. Sonata For A Dream
Miroslav Vitous(b,key), Don Alias(perc) except B3, Armen Halburian(perc) on B3